IT業界
少し先の未来と思っていたさまざまな“○○問題”が、今や“現在の課題”として、じわじわ肌身に感じられるようになってきます。乗り越えるために本気のDX(Digital Trans-formation :デジタル活用によるビジネスや生活の変容)に取り組む企業も増えてくるでしょう。一般に理系人材が適しているといわれるIT業界ですが、今後はそれ以外の人たちも無縁ではいられません。そんな未来の“働く”に不可欠なIT業界の適材適所をみていきましょう。
【“創生期”をつくるのはタイプ4やタイプ5】
IT業界と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、GAFAM(Google, Apple, Facebook, Amazon, Microsoft)と呼ばれる巨大企業(いずれも米国企業)です。それぞれの創業者をイメージすると、共通の特徴があるようにも感じます。断言はできませんが、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツはタイプ5、アップルのスティーブ・ジョブズとフェイスブックのマーク・ザッカーバーグはタイプ4ではないかといわれています。
IT企業の創業者に多いこの2タイプは、単に“理系人材”との共通項が多いからだけではなく、ゼロからイチを創り出す創業の場面だからこそ、タイプ特性が最大限生かせるのだと思います。自らのこだわりを貫いて、アイディアにあふれた未知のプロダクト開発に没頭できるタイプ4。先の先の先を読み、現実的かつ未来を変えるインパクトを持つ緻密な仕組みを創りあげられるタイプ5。モノ、コトに向かう集中力も圧倒的で、他タイプの追随を許さない独壇場といっていいでしょう(もちろん、他タイプのIT企業創業者もたくさんいますが)。
【有能な右腕として真価を発揮する自己主張型】
しかし、プロダクトができあがり販売の段階になると、他タイプの助けが必要となってきます。まず登場するのは、発信力に定評のある自己主張型3タイプでしょうか。プロダクトや創業者に惚れ込めば、手弁当でも仲間集めや協業先企業探しを買って出るのがタイプ8。その製品がもたらす未来のわくわくを胸に次々と広報、マーケティングを仕掛けるのはタイプ7。大口受注を目指して客先への営業戦略を練るタイプ3は、魅力的な営業トークを繰り出すために陰で勉強も欠かさないでしょう。
同じ話題性の高さでも、その独自性にスポットが当たりそうなのは。これまでになかった色や形の花や野菜をセンス良く提案し、ライフスタイルの変革さえも巻き起こすかもしれません。
ルーチンが多く長期にわたるため、農業生産自体には苦手意識を持ちそうなタイプ7ですが、作物の加工販売や企画ならお任せを。新たな販売チャネルの開拓や、意外な業界やイベントとのコラボ企画を思いつくなど、ユニークネスを発揮。2次産業と3次産業をかけ合わせた“6次産業”という呼び名も、新しいもの好きのタイプ7にぴったりです。
【持続可能性の高い経営には全タイプが必要】
さらに製品やサービスが世の中に広がってくると、事業を安定させるための人材が不可欠になります。例えば、制作工程で重要なデバッグ作業にはタイプ1。不具合の原因をつぶさに潰していく根気の必要なデバッグ作業は、何ごとにも完璧を期すタイプ1に最も任せたい役割です。また、ネットワークやサーバの運用・監視には、責任感の強いタイプ6。トラブルが起これば、再発を回避する次の手もしっかり考えて信頼を高めます。
同じ役割はタイプ9にも向きますが、粘り強いタイプ9はクライアント先に常駐するエンジニアやヘルプデスクといった立場で、顧客の話に耳を傾ける仕事にも適性があります。同じくヘルプデスクや一般ユーザー向けの講習会など、人とのかかわりが生じる場面で頼りになるのはやはりタイプ2です。年配の経営者に導入の意義をわかりやすく伝えることで、営業職でも堅実な成果を出していきます。
他にも、1字の誤字が命取りとなるマニュアル作成ならタイプ1にお願いしたいですし、Webデザインやゲームなどビジュアル面でセンスを発揮するのはやはり タイプ4が多いと思います。栄枯盛衰が激しいこの業界で積極的に企業買収などに乗り出し、経営手腕を発揮するのは タイプ8ですし、eスポーツイベントなどを成功させ、業界全体を盛り上げていく才はタイプ7にあるかもしれません。
こうしてみていくと、はじめこそ確かに「タイプ4、タイプ5ありき」のIT業界ですが、会社や業界全体が拡張していく過程で、他のタイプも適性を活かせるポジションが生まれていくことがわかりました。
皆さんが次に知りたい “適材適所” はどこの業界でしょうか? 会員からの要望にお応えして、掲載する業界を増やしていきたいと思います。