エニアグラムについて<2>
タイプごとの価値観
それぞれのタイプがその動機にもとづいて生きていく中で価値観がつくられます。その価値観が、人の行動や態度をよりそのタイプらしいものとしていきます。
各タイプの価値観キーワード
タイプ | 価値観キーワード |
---|---|
タイプ1 | 完全、向上 |
タイプ2 | 親切、奉仕 |
タイプ3 | 成功、達成 |
タイプ4 | 感動、ユニークさ |
タイプ5 | 知識、真理の探究 |
タイプ6 | 誠実、規範 |
タイプ7 | 楽しさ、可能性 |
タイプ8 | 力、正義 |
タイプ9 | 平和、安定 |
三つ組み「センター」
エニアグラムでは、人はだれでも、本能・感情・思考の3つエネルギーを持っていると説明しています。調子のよい時はこの3つのエネルギーを使っていますが、ストレスがかかると自分が一番頼りにしている得意なエネルギーをより使います。どのエネルギーを一番頼りにしているかで、各性格タイプを3つのセンターに分類しています。
センター | 該当タイプ | ストレス時の特徴 |
---|---|---|
本能(ガッツ)センター | タイプ8・9・1 | ストレスがかかると、本能エネルギーを頼りにしがちになる。まずは、動くことをしようとしがちである。 |
感情(ハート)センター | タイプ2・3・4 | ストレスがかかると、感情エネルギーを頼りにしがちになる。まずは、自分の気持ちを優先しようとしがちである。 |
思考(ヘッド)センター | タイプ5・6・7 | ストレスがかかると、思考エネルギーを頼りにしがちになる。まずは、考えることをしようとしがちである。 |
三つ組み「ハーモニクス」
人はある問題に直面したとき、とっさに感応して一定の態度が表に出てきます。どんな対応をとるのかによって、エニアグラムの9タイプを3つのグループに分けています。
反応の種類 | 該当レベル | 特徴 |
---|---|---|
肯定的反応 | タイプ2・7・9 | 問題に対して、肯定的な側面に焦点を合わせて前向きな反応する。 |
解決的反応 | タイプ1・3・5 | 問題に対して、感情的にならずに合理的な解決方法をとろうと反応をする。 |
反射的反応 | タイプ4・6・8 | 問題に対して、反射的に感情的、身体的な反応が生じる。 |
「統合の方向」と「ストレスの方向」
エニアグラムの図形では、各タイプの点から2本の線がでています。この線の向かう2方向を掴むことによって、性格タイプが成長状態にあるのか(統合の方向)、不均衡状態にあるのか(ストレスの方向)を知る手がかりとなります。
統合の方向 | [1→7→5→8→2→4→1、9→3→6→9] | |
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ストレスの方向 | [1→4→2→8→5→7→1、9→6→3→9] |
各性格タイプの人が、さらに人間的な成長をする時に、それぞれ「統合の方向」にあるタイプの性格特性のある面が健全なかたちであらわれると考えられています。「統合の方向」にあるタイプになるということではなく、基本タイプの自分の「段階」より同じか、それ以上の「段階」の特性があらわれると考えられています。
反対にストレスを受けた場合などには、「ストレスの方向」にある性格タイプの特徴があらわれると考えられています。あるタイプが統合の方向やストレスの方向に変化するということではなく、矢印の方向にあるタイプの健全、もしくは不健全の特性を取り入れたように見える行動をしてしまうということです。真似をするということではありません。
発達の諸段階
エニアグラムの性格タイプは9つを同列に水平的に分けていますが、その分類に加えて人としての健全度という垂直の次元を加えたものが、「発達の諸段階」です。この考えは、1977年にドン・リチャード・リソによって発見されました。その人がどの位、自己防衛的で心を閉ざしているか、心が身動きのとれない束縛された状態か または、どのくらい自由でオープンで柔軟で心を開いているか(解放)、という観点から、9つのレベルに分けています(レベル1~レベル9)。その9つレベルは、健全・通常・不健全の大きく3つの「段階」に分けられています。
段階 | 該当レベル | 特徴 |
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健全な段階 | レベル1~3 | エネルギーに満ち、自由で喜びにあふれた段階 自我から解放された段階。 |
通常の段階 | レベル4~6 | 大半の人はこの段階。自己中心性が強まり、対人関係の葛藤が避けられない段階。 |
不健全な段階 | レベル7~9 | 精神的な病気と言える段階。一時的にこの段階に陥ることはあるが、ずっとこの段階にいることはめったにない。 |
発達の諸段階を学ぶことで、日常生活での自分の「レベル」が感じやすくなります。性格タイプの特性がより良くあらわれているとか、逆に心が囚われ不自由だ、と感じられることで、さらに落ちていくことへのシグナルに気づき、危険な状態に陥らせた行動や態度を改められやすくなります。