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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会    2004年11月28日 日常編 vol.4

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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本メールマガジンは、エニアグラムの智慧を日常で活かすヒントになればと、
日常の視点からエニアグラムを紹介することを目的としています。皆様のより豊
かな人間関係に満たされた生活を応援させていただきます。

「自分の感じ方と同じ!」、「ほかのタイプへの理解が深まった!」、「自
分を知るヒントになった!」、「自分の内面の動きに目を向けられるようになっ
た!」などなどと好評を得ていた、「日記」を毎月のメルマガとは別に発行さ
せていただくこととなりました。

毎月のメルマガは、月末(11/30)発行予定です。

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■目次■

1.「エニアグラム日記 タイプ1」

2.編集後記
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■1.「エニアグラム日記 タイプ1」■

今回も、書き手はタイプ1です。
タイプ1は、様々な機会に、色々なものから学ぶ姿勢をもっています。
どこまでも自分を向上させたいという思いがあるからです。
人とは、すぐ打ち解けてつき合えるわけではありませんが、
真摯に耳を傾けますので、信頼され、よく相談を持ちかけられます。

★11月18日(木)★
庭の菊に混じって、水仙が咲き始めた。いつもの年はお正月をすぎてからのよ
うに思うのだが今年は早すぎる。夏から秋にかけて台風が多かったのも、新潟県
中越地方の大地震とその後長く続く余震も、全部ひっくるめて、異常気象のせい
にしたくなる。

人間が生活の便利さを求めるにつれて地球の温暖化が進み、自然災害の増加、
アトピーやアレルギー疾患の蔓延など不安が募る。それなのに、ブッシュ大統領
の率いるアメリカは、世界で一番、大気汚染をしているくせに、京都議定書に調
印しようとしない。

本当に腹が立つ。
大橋巨泉が週間誌に書いていたことが、アメリカの体質をよく現していると思
う。「中西部や南部に住む人の大多数は実に保守的で、すべての価値観はキリス
ト教によっている。

キリストによって世界は救われると信じている人々にとって、地球温暖化など
屁のカッパなのである。」

こういう支持層によって当選を果たしたブッシュ政権が続く4年間、大気汚染、
地球温暖化、環境破壊は取り返しのつかないところまで進むのだろうか。仲良し
の小泉さんには、頑張って京都議定書の調印を呼びかけてもらいたい。

★11月19日(金)★
車の運転が怖くなったという若い主婦に会った。
ハンドルを切り損ねて衝突するのではないかと不安でたまらないと言う。以前
は大好きでスピードを出していたた高速道路は、特に恐ろしくて、利用しなくなっ
た。大きな道路もだめ。狭い道を低速で走るので、やたらと時間がかかって困っ
ている。精神的なものだろうと思って心療内科にもかかったが、できるだけ薬は
使いたくない。自分の力で治したいと、目に一杯涙をためて訴える。

何かを怖がっているのは明らかなので、何が一番気になるのかと問うと、夫に
否定されたくないという答えが返ってきた。外科医の夫君は、とてもやさしくて
家事も自分から手伝ってくれる。なんでもてきぱきとこなす素晴らしい人で尊敬
していると言う。だから、夫の正論通りに動けない自分が否定されているように
感じて辛いのだと、声が震える。

そして、自分の育った家の話をした。両親は決して否定的なことは口にしなかっ
た。何か失敗しても、かばってもらえたし、後始末もしてくれた。自分がダメだ
とは考えたこともなかったのに、結婚して、何でも良くできる夫を見ていると、
自分が惨めに思えてくる。父や母がもっと厳しく接してくれなかったから、少し
でも否定的なことを言われると耐えられないほど辛くなるのだと、両親を恨むよ
うな気にさえなってくると涙を流した。

否定的な言葉をかけられることもなく、認められて、伸び伸びとした子ども時
代を送ったという話に耳を傾けながら、なんと羨ましいことと、私は思っていた。
それなのに、そういう育てられ方をしたから、否定されることがとても辛いと感
じられると、親の育て方のせいにする言葉を聞いて、不思議だった。

受け入れられ、自分が良いものと思えれば、自信につながる。安心して物を言
える環境の中でこそ、自分の考えが形づくられ、自由に自分の思いに従って選ぶ
ことができるようになると、私は信じている。親の育て方が受容的で、安心して、
のびのびと育っても、それを否定する子はいるのだ、という驚きがあった。

もしかしたら、この人の親は、受容的というよりも、何もさせない、責任をも
たせない育て方をしたのだろうか。「女の子は何もできないくらいが可愛くてい
い」という言葉は今も現役か?

育て方がどういうものだったのかわからないが、この人は、今の辛さを親のせ
いにしないではいられないほどに、パートナーの言葉に動揺し、傷ついている。
「調味料は使ってなくなったら、その時に補充しておけば、次に使うときあわて
なくてすむ。出したものは元に戻しておけば、探さなくてもすむ。そういうこと
をしないから無駄に時間がかかる。こんな簡単なことができないのは、しようと
しないからでしょう。」と、そのご立派な夫君は言うのだそうだ。

料理もしてくれる、整理も手伝ってくれる、てきぱきと羨ましいほど手際が良
い。感謝している。できる人として尊敬もしている。やさしい。正論を言われて
いるのに、できない私がいけないのよね。とこの人は自分を責めている。そして、
大好きだった車の運転が怖くなるほどに自信を失っている。

「べき」を言い過ぎるとベキベキと折れてしまうから、「たい」に変えると気持
よくできると、話していた人が居たのを思い出した。苦しいと訴えているこの若
い主婦は今の状態からなんとか早く抜け出したいと言う。その目は真剣で、とき
に涙を浮かべているように見えた。夫の求めるような効率よく家事のできる妻に
なることが理想なのに、手がのろい、片付けが下手。こんな自分を変えたいと言
う。

本心だろうか。そうす「ベキ」なのは分かるけれど、私は私のペースとやり方
で動き「たい」と思っているのではないだろうか。自分の「たい」を否定してい
るから苦しくて、できていたこともできなくなっているのではないか。心を病む
というのはこういうことなのかもしれない。美しい顔立ち、すべすべの肌、まっ
すぐに目を見てくる視線。可愛がられて素直に育った人なのだろうに、自分はダ
メな人なのかと自分を苦しめている。

★11月20日(土)★
新しい千円札と一万円札を見た。偽札つくりを防止するための工夫が凝らされ
ていると言う。どれにもすかしが入って、全体に赤っぽく、手触りも少し厚ぼっ
たい感じ。五千円札はまだ手にしていないが、お札の顔になったためだろう、樋
口一葉のことがあちこちで取り上げられている。

中で、日本近世文化が専門の法政大学教授、田中優子氏の文章に心が引かれた。
西欧的な「豊かさ」にまっしぐらに進む日本の中にあって、周囲に立身出世した
金持ちの男性の知り合いをもちながらも、一葉は出世した男に救われるとはとう
てい思えず、自ら家族を養うために小説を書いた。貧しいというより、富裕とひ
きかえに男の立身出世保身金儲けと人生をともにしてゆくことを、拒否したので
はないか。と書く。

一葉の生き方を潔いと感動する。ただ「わけもなくいやだ」と上昇を拒否する
心に従って、意地を通して頑張り通し、好んで苦労を背負って生きたような生き
方をして25歳で一生を終った。すごいなあと感心し、あこがれる。「もっと長
く生きていたら、さらに素晴らしい作品が書かれたのではないかと言う人がいる
が、私はそうは思わない。書くべきことを書き終えたから、この歳で死んだので
す」と、瀬戸内寂聴が言っていたのを思い合わせる。

それにしても、お金に関しては全く異なる態度を示していたらしい3人が、新
しい札の顔に選ばれたのは何故だろう。金儲けの才があったという福沢諭吉、研
究のためにと寄せられた金を遊びに使い果たしたという野口英世、貧乏を貫いた
樋口一葉。お金はどのように使っても、あなた次第ですよというメッセージなの
だろうか。

★11月21日(日)★
小学校の校長先生と話す機会があった。「現在はもちろん、これまでの日本の
教育は、子どもにとって幸せな時期はなかったのではないか」と言う。「教員を
30年以上もしてきて、どんどん悪くなっていると思う。文部省が文部科学省に
変わっても何も期待はできない。現場の教員や子どもを無視して教科や制度をい
じっているだけ。子どもの幸福など考えてはいない。

地域の教育力も衰えている。昼間、町を歩いても、外にいる大人を見かけない。
みな働きに行っているか、家の中でテレビをみているのだろう。学校から帰る子
どもに「お帰りなさい」の声をかける人もいない」と嘆いていた。そう。奈良県
の小学校1年生が殺された事件も、大人が町にいて、車に乗せられるところを見
て、声をかけていたら、防げたかもしれないと思う。

専門学校の講師から、リストカットをする学生が多いと聞いた。親から認めて
もらえず、行きたくもない中学校へ受験して入り、その後も勉強の成果だけでし
か評価されず、成績が落ちれば、ダメ人間と言われ続けてきて、自己価値感をも
てないでいる子が多すぎるという話。

子どもの幸福を考えないという校長の言葉と重なる。大人も幸福ではないから、
子どもの幸福を考えられないのではないか。大人が計られる尺度は何か。お金?
勝ち組と負け組に二分する考え方が広がっていて、価値の多様性はどこかへ行っ
てしまった感がある。

★11月24日(水)★
従姉妹の夫君から年賀欠礼の葉書がきた。妻が亡くなったと書いてある。びっ
くりした。いつ、何で亡くなったのか知らなかったというショック。知らされな
かったという失望感。その程度の関係だったのかという脱力感のようなものもあっ
た。どういうことかと非難がましい気持ちも湧いてくる。

早速、亡くなった従姉妹の妹に電話をかけて事情を聞く。知りたいという気持
ちが一番。逝去を知らずにいて、お悔やみも言えずに失礼したとあいさつしてか
ら、事情を訊いた。この7月に脳梗塞で倒れた後、梗塞を繰り返し、意識が戻ら
ないまま帰らぬ人となったと、さすがに医者の妻らしく、病気の経過をテキパキ
と説明した。日頃から、万一の時は、家族だけで見送るようにと言っていたので、
故人の意志を尊重した結果だとの言葉に納得した。

納得したけれど、今のような説明を添えて、逝去の時に知らせてもらいたかっ
たという気持ちは残る。私も自分が死んだら葬式はいらないと思い、残された人
がどう自分を扱おうが構わないと考えているが、親しい人の死は、亡くなったそ
の時点で知って、冥福を祈りたいと感じるものだと、今更のように思った。新鮮
な感覚だった。

ひとつ年上の従姉妹とは、子どもの頃、毎日のように一緒に遊んだ仲。毎年正
月2日に家族揃って訪ねることも、母の父が亡くなるまで続いていた。しかし、
冷静に考えてみれば、従姉妹が結婚してからは、年賀状のやりとりくらいしかな
かったのだから、お連れ合いにとっては親しい相手ではなかったのだ。連絡がな
くて当然だったのかもしれない。

自分の死を誰に知らせるかを、考えておいた方が良いと思った。私のように、
知らされなくてがっかりする人がいるかもしれないもの。知らされても困る、迷
惑ということもあるだろうから、ごく限られた人になるのだろうけれど。

○各タイプの詳細は、http://www.enneagram.ne.jp/index.htm ○
●学会のホームページで、自分のタイプもチェックできます●

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■2.編集後記■

タイプ1のものの見方や感じ方を、感じていただけたでしょうか?
同感するところやそういう感じ方があるのかと思われたとことがあると思いま
す。

ところで、最近、新札を手にすることが増えました。「オモチャ」みたいな感
じもしますが、偽造防止のいろいろな工夫がされているとのことを聞いて、どの
ようにして作るのかにとても興味があります。

何かを見ても、感じ方や考えることは、タイプによって違います。エニアグラ
ムのタイプは、9つありますが、十人十色とはよく言ったもので、そのような感
じで、本当にそれぞれに違います。

ワークショップでは、みんなで話をしたり、人の話を聞くことを通じて、その
ようなタイプによる「ものごとのとらえ方」の違いを知ることができます。

ワークショップ参加などのご質問は、info@enneagram.ne.jp
メルマガへのコメントなどは、npo_jea@yahoo.co.jp へお願いします。
(本永)

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ワークショップ参加などのご質問は、info@enneagram.ne.jp
メルマガへのコメントなどは、npo_jea@yahoo.co.jp へお願いします。

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