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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2006年4月2日 vol.99

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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親は空気のようにいてくれて、父からは微笑みをうけました。
母よ、あなたとも一緒に過ごす時間が有限になってきた、緊密
な関係を取り戻したい。そっと、母の声に耳を傾けます。その
温かい人柄がここに。

いちど腹をすえてしまうと、大きく動く人たちです。仕事も
追ってみると、なぜか活き活きできたと、自分再生の物語です。

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■目次■
● エニアグラム日記 タイプ9 「父との別れ」    ●
●               「電話で話す母の声」  ●
○ 編集後記                     ○
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「父との別れ」

★2月18日(土)★
今日父が80歳で亡くなった。人工透析を終えた父が急に起き上がること
が出来なくなり、昨日入院したばかりであった。それまで20年に渡る透析
とはいえ人手を煩わせることなく元気で過ごしていたので、こんなに早く逝
ってしまうとは思ってもみなかった。数日入院したらまた元気になって帰っ
てくるものとばかり思っていた。

今朝見舞いに行ったが眠っていたので起こさず話し掛けることもなく帰っ
てきた。午後1時半頃電話があり呼吸が弱くなっているのですぐ来てくれと
連絡があり、慌てて病院に駆け付けた。1時過ぎに一度呼吸が停まってしま
って心臓マッサージを施し息を吹き返したとのことであった。医師から説明
を受けている最中に再度呼吸が止まってしまい、今度は地力で動き出すこと
は無かった。

もっと会話をしておけばとの思いが一瞬心を過ぎり、後悔の念で一杯にな
った。が、そんな思いも次の瞬間一変した。父の死に顔がにこやかに微笑ん
でいたのである。子供の頃、「奥歯を軽く噛むようにして微かに笑むように
しろ」とよく言われた。”言行一致”に私は深い感動を覚えた。「お前に伝
えるべきことは全て伝えた。後は任せたぞ」と言っているように思えた。そ
の瞬間私の腹が決まり、何の躊躇いもなく「分かったよ親父、後は全て私が
受け継いだよ」と応えている自分があった。

★3月22日(水)★
休暇をとって家内と娘とともに、母をドライブがてら食事に連れ出す。リ
ュウマチで寝たきりの母にとっては54年間連れ添った父に先立たれたショ
ックは大きかった筈だ。だが、あれ以来母は涙を見せたことはない。それを
思うと出来るだけ機会を捉えて関わりたいと思う。家内はそんな私の変化を
を見て驚いているようだ。

初め去年家内と行った真鶴、小田原辺りまで行きたいと考えたが、母と一
緒では朝早く出ることも叶わず、母の生まれ育った日本橋、呉服町界隈を訪
ねることにした。

10時半過ぎに自宅を出て、市川インターから京葉道路を東京に向かう。
錦糸町で高速を降り、まず清澄庭園に向かう。庭園の周りを2周するが、車
を止める場所が見つからず諦めて、永代橋を渡り、隅田川のほとりを走り、
八丁堀から東京駅に出て、日本橋を走り回った。母は車の中から懐かしい景
色を見て感無量といったところ。

昼になったので、高島屋に車を止め食事をとることにする。母の希望は鰻。
子供の頃母に連れられて高島屋へ来てよく鰻を食べた記憶がある。母はその
当時のことを振り返って、私が決まって鰻を食べたがると言っていたが、実
は一番食べたかったのは母なのではなかったのかと思った。

昼食の後、帽子売り場に行く。あれでもない、これは嫌で1時間半掛かっ
て結局良い帽子は見つからなかった。

(のんきや)

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「電話で話す母の声」

★3月19日(日)★
実家に帰省していた日の夕方、親戚から今度の法事についての電話があっ
た。私は電話で応対している母の話を横で聞いていた。

在所の誰々さんが亡くなって先日葬儀があったこと、年をとるとそうして
まわりの人が亡くなったりして心寂しいと話している。母の会話をおってい
るとどうも電話をかけてきた親戚は今回帰省はするけれど、泊まらずにその
日のうちに帰るらしい。

母はなかなか会えないのだから、次にいつ会えるかわからないのだから泊
まっていけばいい、布団も干して準備していると言っている。

私の中にはいつでも会えると思えると、また会えるから機会はいくらでも
あると思えて会うことができるその時をいつもと変わらぬふうにして過ごす
ところがある。私にとってはあたりまえ?でも、人と同じ時を過ごすという
ことへの思いの違いによってその過ごし方は違ってくるのだろう。

人生の時間が限られているという実感がせまってくればくるほどその一時
の重みが違ってくるのだろう。そういう時を生きている母や身近な人と私は
どういう一時を過ごしたいのか、普段は問いかけない問いが自分の中で湧き
上がった。

★3月22日(水)★
このところ仕事が忙しい。早ければ午後7時頃には帰宅でき、遅くても8時
過ぎには帰って夕食を食べていた日々から、9時過ぎ、さらに遅いと10時前
に帰宅してそれから夕食を食べて、持ち帰った仕事をやって風呂に入って寝
る、そしてまた次の日がくるというパターンが続いている。

基本的にはオンとオフの区別ができている生活がおくれて、オフにはゆっ
くりできて、オンであってもできれば、ばたばたせずに仕事ができるという
スタイルを望んでいる身にとっては、明日の仕事のことも気にして気持ちが
追われているのではなく、そういうことを一旦わきに置いておける土日の休
日がきて、ゆっくりしたいという思いに駆られる。

追われるというのは受け身なのだろうか。追われる立場から自らが追うほ
うになってみたらどうだろうか。そういえばたまに追うほうになっていると
活き活きしていたり、さらに次に追うべきことが見えてきたりもする。そう
いうふうに視点を変えるとおもしろい。

それでもやっぱりゆっくりしたいという私の中の腹の虫は治まらず、ゆっ
くりしたい病が疼きだす。
(ゆったりといこう)

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○編集後記○
あっと言う間に咲き出した桜は、この週末が見ごろでしたね。
花見に出かけられた方も多いのではないでしょうか?

最近は、場を盛り上げるために仮装するお花見グッズも、売られていると
テレビでやっていました。それぞれの楽しみ方があっていいですね。

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最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
現在の連載は、「あなたのそこが好き!・・・タイプ」です。
(本永)

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