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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2006年3月19日 vol.97

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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天に星座、地には芋に椎茸、庭の白梅に小鳥のお客。そして
家族も。道では、相手の声を聞きとり、ゆずりあう謙虚さです。
そのときの自己との対話が、じわりと読み手にとどきます。

大人(たいじん)とは徳の高い人のことだそう。大人の魅力を、
たっぷり味わってください。

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■目次■
● エニアグラム日記 タイプ8 「春が来た」      ●
●               「お先に、どうぞ」  ●
○ 編集後記                     ○
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「春が来た」

★3月5日(日)★
小鳥の囀りで目を覚ます。久しぶりに日本晴れらしい。寝室の窓を開ける
と眼下に白い梅がひろがって、目が覚めるほど美しい。満開を過ぎて梢が心
なしか赤みを帯びて見える。結実モードに入ったためか。メジロが蜜をすい
に沢山やってきて花の間を飛びまわっている。ヒヨドリも来る。おおきくて
不器用なのか飛び立つ時に花吹雪をちらしていく。

朝から焚き火を始めた。枯れた竹だから勢いよく燃え綺麗な灰ができる。

庭を見て回る。雨が続いたせいで活きいきして、ノカンゾウなどが芽をふ
いている。シイタケが沢山丸い傘を突きだしている。さっそく妻に知らせる。
大きくしてステーキにしようと喜びあう。沢山の椿の中から、いよいよ日本
古来のヤブ椿が美しく登場してきた。クンシランが花柄をのばしはじめた。

昼前に、待ち望んだウグイスが初めて鳴いた。なんとも自信がなさそうで、
もじもじと新人の自己紹介のようだ。だが、何と言っても今年のわが谷(や
と)のプリンスのご挨拶だ。焼き芋をつくるためベニアズマを灰に埋める。

3時頃息子夫婦がやってきた。早速焼き芋を取りだした。今年は絶妙にう
まくできている。焚き火で火照っているのでビールが実にうまい。一休みし
て、皆でジャガイモのキタヒカリを植えつけた。この品種はとてもおいしい
ので楽しみだ。

日が暮れた。いろんな話をしながら妻の手料理と、今日はフルコースでい
こうと、南フランスのワインで白と赤、スコッチ、コニャックと味わった。
仕上げのコニャックはやはり最高だった。久しぶりに労働したせいか体だけ
でなく、魂にまでしみた。話の途中で、ネットで星座が見られると言い出し、
夜のふけるのをまって開いた。ベランダに出てみた、星が静かな闇の中にま
たたき、今日の幸せな一日を実感させて締めくくってくれた。

★3月6日(月)★
今日はT氏と会食し、ラウンジでコーヒーを飲みながら話をする日だ。

彼は3年来大学で国際経営学の講座を頼まれており、それが大変好評で、
来年度も是非と頼まれたらしい。私は事前の聞き役で互いに楽しんでいる。

彼は5年前まで、大手企業の役付き役員をやり、関連会社の社長を経験し
ている。したがって、企業の中で、リーダーシップと決断―実行という肚の
力を鍛錬しているので、大学育ちの教授や評論家とは一味違った講義ができ
る。それが学生を惹きつけているらしい。今回からまた新しい内容を入れる
ことにした。その反響が楽しみだ。

もう一つの話題は、御曹司教育と称するものだ。これは彼が勤めた企業の、
将来の社長を継ぐ立場にある御曹司の育成で、無報酬でしている。一般論的
な勉強は終わり、続けるとすればこれから血なまぐさい具体論に入る。彼は
この辺で手を引きたいようだが、先方は熱心でやる気十分なようだ。

私は、やることを勧めた。ただし、今まではティーチングだったが、これ
からはファシリテェーション・リーダーシップに切り替えたらよい、とコメ
ントした。彼はやる気になったらしい。

夜は、文科省主催の科学技術政策評価相互研修会に参加した。テーマは最
近話題のアウトプット、アウトカム、インパクトだ。次回はイギリスの専門
家を呼んで話を聞くことになっている。熱のこもった有益な会だった。

遅くなったが何とか日付が変わらない内に帰宅できた。長い一日を反芻し
ながら、充実感を実感しながら眠りに入った。
(ガッツ)

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「お先に、どうぞ」

★3月13日(月)★
めがねの定期検診で、眼医者に行った。

眼医者の入口の手前の道を、おばあさんが、ゆっくり歩いていた。この方
も、同じ眼医者に行くのだろう。私は、そのおばあさんの、うしろについて
歩いた。

ところが、おとしよりのせいか、歩き方が、ものすごくゆっくりなのだ。
眼医者の玄関まで、あと、ほんの少し。追いこすほどの距離でもない。

私は、すこし、イライラしはじめた。

すると、そのおばあさんは、私に気がついて、こう言った。
「お先に、どうぞ」
にこやかで、やさしい笑顔だ。

私は、わずかでも、イライラした自分に、はっとした。けっして、このイ
ライラを、態度にあらわしたわけではない。それでも、自分のことを、恥ず
かしいと、感じた。

だから、なるべくやさしい声で、
「いいえ、どうぞ、お先に」
と、返事をした。

おばあさんは、会釈をして、私の前を行った。

私には、自然に前に出てしまうようなところがあって、そのために、自分
でも気づかずに、ほかのだれかを、おしのけてしまうことがある。

だから、このおばあさんの、
「お先に、どうぞ」
という言葉は、私には、とても美しい言葉にきこえた。
自分に余裕がなければ、いえない言葉だなあ。

いつも、どんなときも、だれかに先をゆずれるような自分でありたい。
人生の、さまざまな局面で、どんなに、自分が切羽詰まっていても、
「お先に、どうぞ」
と、私は、言えるのだろうか。
(ここほれわんわん)

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○編集後記○
時計が急に止まると困るので、7年間、電池が持つという時計を昨年春に
買いました。もうすぐ一年目なのですが、メッキがはげてきました。

電池は、7年も持つのに・・・。

とりあえずというか、もちろんというか、時計はちゃんと動いているので、
当分使おうと思っています。

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最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
現在の連載は、「あなたのそこが好き!・・・タイプ」です。
(本永)

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