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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2006年3月12日 vol.96

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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夕陽を見に親子で歩き、心を開きあえば、娘と自分との違いがなが
められます。さらにオンでもオフでもなくニュートラルに考える同僚
に思いをはせると、いつもニコニコしなくても、ありのままでいい。
コミュニケーションは自然のなかに、と気がついていく。

この感受性と深い思考への散歩、会話がなんともいいですね。
青空には飛行機も飛んでいたそうです。
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■目次■
● エニアグラム日記 タイプ7 「私が好きな場所」  ●
○ 編集後記                     ○
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「私が好きな場所」

★2月28日(火)★
きょうは珍しく看護学校に通っている娘が早く帰って来たので、一緒に散
歩をする。出掛けにちょうど「荒川選手が帰国しました!」というテレビの
声が聞こえ後ろ髪を引かれるが、「今行かないと夕陽が見られなくなってし
まう」と私はあせっていたのでまだテレビに未練がありそうな娘に「後で
ニュースを見ればいいよ」と言いながら外へ出る。

散歩とはいえ、ウォーキングなのでさっさと歩く。久しぶりに歩く娘は私
より2メートルぐらい後ろを歩いて来る。私は「やはり二十歳過ぎた娘がお
母さんと歩くなんて嫌なんだろうな」とちょっぴり寂しく感じながらも「仕
方ないか」と2メートルの差を保ちながらかなりの早足で歩いて行く。

いつものお気に入りの紫山公園の丘を登っていくと、夕陽がちょうど沈む
ところだった。山に邪魔され最高の美しさとは言いがたいが、仕方がない。
時間に余裕がある日なら一番良い状態の自然に出会える時間に散歩したい。
そこからさらに奥へ進み空を仰ぐと、裸木にまだ暗くなる前の青空が映え、
美しい。そこへちょうど飛行機が白いすじを引きながら飛んで来た。私には
最高のシチュエーション、「なんとこの自然の美しいこと、お母さんのマイ
フェイバリットプレイス!」と後ろの娘に話しかけると小走りに私の横に並
んだ。

「ねえ、A(娘の名前)はお母さんと歩くのが照れくさいからそんなに後ろ
を歩くの?」と聞くと「え、お母さんの歩きが速いから追いつけないんだ
よぉ」との返事。「なあんだ、そうだったの」と嬉しくなり、それからは並
んで話しながら歩く。「Aはどこが一番好きな場所?」と聞いてみる。する
と「場所というより誰と行ったかによると思うけど。例えば蔵王スキー場の
ほうがスキー場としては上だけど仲が良い人と行く泉ケ岳スキー場のほうが
いい」と言う。「なるほど、場所ではないのね」と私は驚いてしまった。

私が考える好きな場所は、純粋に好きな場所である。そこには登場人物は
いない。でも娘にとっての場所は誰と行くか、ということに意味がある。も
ちろん私も気の置けない人と行くことが何よりではあるが、それが第一義で
はなく純粋に場所としての「七ヶ浜の海」だったり「松島の藤田喬平ガラス
美術館」だったりする。

夫も今、個人記念館めぐりをしているがやはり人に興味がある、という。
もちろん私も人に興味がある。でも同じくらい、いやそれ以上に自然の方に
惹かれる。

「どうして人より自然なのかなあ?」と娘に話しかけると「気の置けない
人と行くのは心地良いけど他の人と行くとその相手に気を遣ってしまうから
じゃない?」と言う。そうか、私は人といると無意識にスイッチがオンにな
りその場を盛り上げるモードに入ってしまう。そのときは自分も楽しんでい
るつもりなのだが、後で疲れている自分に気がつく。だから無意識に人がい
ない状況、つまり自然のほうを体と心が選んでいるのかもしれない。

相談員として働いている中学校で司書の方に「私は人が好きだけど、嫌い
なのかも」と矛盾したことを話したことがある。すると彼女はしばらく考え
てから「ううん、○○さんはやはり人が好きなんだと思う。そうでなければ
相談室登校のあの生徒たちの面倒をあんなふうにみられないでしょ」と言っ
てくれた。物事を冷静に客観的に見られる彼女からこう言われて素直に嬉し
かった。「人が嫌い」というのはやはり悲しい。

若い頃はどこでも誰とでもスイッチをオンにしていたように思う。今はオ
ンにするのが億劫になっている場所や人達がいることに気がついて「もう気
を遣いたくない」と心が叫んでいるのかもしれない。

オンでもオフでもなく、ニュートラルでいられる人達、この方々が本当に
私にとって大事な存在、大切にしないといけない。おざなりの付き合いでな
く、すぐ立ち去らないでじっくり腰をすえて、対峙すればいい。黙っている
ことも立派なコミュニケーション、いつもにこにこする必要もないのだ。肩
の力を抜いて私が私でいればいい。

なるほど、娘に教えられた。ありがとう。Aのお陰でまた一つ気がついた。
その夜、娘と荒川選手のニュースを見ながら「イナバウアー!」と二人で両
手を上げ後ろへ体をそらしてみるがどうやっても変な万歳にしか見えなかっ
た。
(ひさきょん)
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○編集後記○
三寒四温とは、よく言ったもので、寒い日と温かい日が、繰り返されてま
すね。そして、少しずつ春らしくなってきましたね。今年のさくらの開花予
想は、平年より早い地点が多いそうです。

ところで、エニアグラムのワークショップがはじめて方でも参加できる
プライマリーコース集中は、
3月19日(日)−21日(火)にあります。タイプの違いが実感できます。

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最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
現在の連載は、「あなたのそこが好き!・・・タイプ」です。
(本永)

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