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発行元：NPO法人日本エニアグラム学会　　 2014年7月20日 vol.421
エ二アグラム《自分探しの旅》
～～自己成長とコミュニケーションのための人間学～～

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赴任中のタイで朝食中、突然、テレビから「戒厳令布告」が流れた。大学
には兵士が立つ。ゆるいクーデターかもしれない。日本の記者から取材をう
ける。新しいニュースは流れてこない。

日本では、繁華街でケーキと紅茶を選ぶ平和な家族風景が描かれる。気に
いるまでシャツを見て歩く。選ぶことのできない固定化する社会と、モノが
あふれる日本の街の暮らしとが繊細に描写される。

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■目次■
●エニアグラム日記タイプ４「クーデターがやって来た！」　　●
●　　　　　　　　タイプ４「加圧トレーニングのシャツ選び」●
○編集後記　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ○

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「クーデターがやって来た！」

★５月２０日（火）★
４月にタイに赴任して50日が経つ。

朝食を取りながら食堂でテレビを見ていると「軍が戒厳令」とのニュース。
部屋に帰って情報収集と連絡。各局画面が一斉に「戒厳令布告」を流し始め
た。軍がすべてのテレビ局を押さえたようだ。

（シンガポールの放送局の映像では）軍が占拠している放送局のチャンネ
ルを回してみる。お笑い番組をやっている。コメディを写しているカメラの
こちら側には兵士が居るのか、と妙な気持ちになる。軍はクーデターではな
いと言っている。

昼食を済ませて１時過ぎにテレビをつけると、昨日まで派手に貶しあって
いた反政府側・政府側の両チャンネルとも放送なし。政治的な発言は抑え込
むということだろう。

軍がコントロールしているタイの放送に新しいニュースはあまり期待せず、
シンガポールやオーストラリアの衛星放送を見る。前者は「ソフトなクーデ
ター」、後者は「見えないクーデター」と言っている。

外の生活は平穏で変わりなく、妙に神経の高ぶった一日が終わる。

★５月２１日（水）★
新聞を買い込んで大学へ。軍は対立していた反政府側・政府側両方のリー
ダーを集めて和解のための会合を持った。首相代行は呼ばれたが出席しなかっ
たという。ホワイトハウスは「クーデターでない」と言明する。現状がアメ
リカの国益に合致しているということなのだろう。

★５月２２日（木）★
夕方５時にテレビをつけると様子がおかしい。４時半に陸軍司令官が改め
てクーデターを宣言、全権を掌握した。タイのすべてのTVが軍の放送を流し
ている。２回目の和解会議に参加中の両陣営のリーダーも全員拘束された模
様だ。

午後10時から翌朝５時までの夜間外出禁止令も出る。念のために食料の買
い出しにコンビニまでいく。買占めというよりも、台風で閉店が早まった感
じのお客さんでにぎやかだ。皆、何の変わりもなく楽しそうにしている。

憲法は停止、５人以上の集会が禁止される。首相代行はアメリカ大使館に
亡命との噂だ（後で間違いとわかる）。

★５月２３日（金）★
大学含め学校は３日間お休みとなる。私の居る地方都市の街角にも、首都
バンコクほどの数ではないが機関銃を抱えた兵士が居る。ヘルメットに携帯
を挟んで話をしながらフラッペを食べているのも居てしまらない。しかし持っ
ている機関銃はおもちゃではない。ショッピングセンターの角には装甲車も
睨みを利かせている。

日本料理店でしっかり食事を取っていつもより多めの現金を引き出して身
につける。日本の新聞のインタビューを受ける。午後５時、タイのテレビ局
も交通情報だけは流すようになった。インタビューでは次のように話した。

「戒厳令を敷いて２日目のクーデターは、不可解です。「和解のための会
議を開いたが、到底不可能だとわかったのでクーデターを行った」という解
説がありますが、対立する両派の歩み寄りがそんなに簡単にできると、軍が
想像していたとは思えません。今となれば、最初から、関係者を一網打尽に
する３日間の「スローモーション・クーデター」だったかもしれません」

★５月２４日（土）★
朝のテレビはまた静止画面に戻っている。ジャーナリストたちはさまざま
なソーシャルメディアを通じて発信中とのことだ。

大学に行く。予想に反して、兵士の姿はどこにもなかった。アメリカは350
万ドルの軍事援助を停止。タイ・ラオス国境は政治運動のリーダーの逃亡を
防ぐためタイ人の出国を禁止したとのニュース。上院を解散（立法府がなく
なる）。陸軍司令官は「改革」を優先、選挙は当分行わないと宣言する。

一般ＴＶが復活したがニュースは北朝鮮みたいだ。大切な事は何も言わな
い。

★５月２５日（日）★
朝、タイのテレビで代々木公園のタイ・フェスティバルをやっていた。車
椅子のキャスターが、日本の車椅子事情（タクシーに乗れるとか専用お手洗
いがあるとか）を激賞していた。平和な日本を見てちょっと涙ぐみそうにな
る。

昔、ミャンマーの研究者が、「政治的発言は川の中で爪先立ちしているよ
うなもので、一歩間違えると溺れてしまう」と言っていたのを思い出した。

★５月２８日（水）★
政治的対立を扇動すると判断されたインターネット上の約200サイトが閉鎖
される。外国メディアは軍がFacebookもシャットダウンした（軍は否定）と
言っていたが、私には特に影響がなかった。タイでは国王陛下の勅許をいた
だいた時点で、クーデターは普通おしまいだ。

地元の新聞を見ていたら、インドの新しい首相、ウクライナの新大統領と
並んでAKB48の写真が並んでいた。地方公演で暴漢に襲われたというニュース。

「AKBってすごいのね」という思いと、「日本ってそれだけ？」と不思議な
感じがした。わが祖国は本当に平和だ。

（ちゃんぽん）

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「加圧トレーニングのシャツ選び」

★７月５日（土）★

娘二人と天神（福岡）にお買い物に出た。

母親である私の買い物だけにはついて来てくれないと言う。

「途中でお茶をしよう！」と提案するとあっさりついて来てくれることに
なった。

40歳も近くなって、体調が思わしくなく、腰痛にも悩まされるようになっ
たので、最近加圧トレーニングを始めた。

トレーニング用のシャツを購入したいと買い物に来たのだ。

私の買い物中、娘たちは家から持参した紙とペンで何か絵を描いたり流れ
ているDVDを見たり、私のところに来て「まだ終わらないの？」と催促した
りする。

数多くある物を追加で一つを買うのであれば、あまり時間をかけずに選べ
るのだが、今回初めて購入するものを選ぶのだから、なかなか決断できない。

子どもたちからの度重なる「まだ？」のプレッシャーを受けつつようやく
１枚のシャツを購入した。

買い物したお店を出たところから見えるケーキ屋さんでお茶しようと言う
と一人は「いいよ」と言い、一人が「いやだ」と答える。

お茶の時間は私にとって、とても大切な時間なので、不本意なお店選びは
したくない。

ということで、少し離れているが10分くらい歩いたところにある紅茶のお
店に行くことになった。

お茶しながら、真新しい話があるわけではないが、三人で少しのんびりし
た時間を過ごせるのは至福の時。のんびりできるのはほんの一瞬だがお店を
出る時には、私の顔も笑顔になっていた。

（さくら）

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（編集後記）

先日、会社の近くの花屋さんで、ミニトマトが、20個以上成っている鉢を
買いました。

会社で、窓際において増やそうと思ったのですが、まったく花が咲きませ
ん。

成っていたのから食べた分だけ、減ってしまいました。

（本永）

★エニアグラム日記の次号は、タイプ５。　８月２４日配信予定です★

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