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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2012年8月19日 vol.352

エ二アグラム《自分探しの旅》
~~自己成長とコミュニケーションのための人間学~~

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400年の歴史のある菩提寺で、有縁無縁の霊の供養に出席する。ここに
は両親が眠る。お経とセミの大合唱をテントの中で聞く。アサガオの柵の張
り替えは早朝4時から。絡まり合うツルを苦しそうと思うのは、こちらの思
い込みか。

高校時代の友人に3時間かけて会いに行く。それぞれが蓄積してきた“時”
を確かめあい、抱き合って確認し、別れる。地上は計りしれない命の集まり、
アサガオのつるのからまり、のびる時間を感知する知恵。それらを身体の呼
吸で聞く人たち。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ8「お施餓鬼会とアサガオ」●
●         タイプ8「10年ぶりに」    ●
○編集後記      ○

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「お施餓鬼会とアサガオ」

★7月27日(金)★
今日は午前中、人間ドックに行った。エニアグラムを学ぶようになってか
ら、あることに気づき意識するようにしている。それは、何か検査を受ける
ような時、自分で思っている以上に体に力が入ってしまうこと。例えば、胃
カメラを飲むような時、最も顕著に現れる。

そこで今日は、最初から意識して、脱力することに努めた。胃カメラが喉
を通る時、看護師さんが「そうです。はい、力を抜いて、リラックスしてく
ださいね。上手ですね。喉を通りましたよ」と軽く肩を叩いてくれた。
「おう、やったぁー」と、思わず握り拳に力が入ってまった。

午後2時からは、両親が眠る菩提寺で「お施餓鬼会」に参加した。400
年以上の歴史のあるお寺なので、「お施餓鬼会」にもかなりの数の檀家衆が
集まる。本殿だけではなく、外に大きなテントが2つ張られた。真夏の昼下
がりは、さすがに暑い。本殿に誘われたが、外のテント席に座った。涼しい
本殿より、外が好きなのだ。

理由は2つある。まずは、「お施餓鬼会」とは、恵まれない餓鬼に飲み物・
食べ物を施すこと。同時に先祖の霊とともに、有縁無縁霊、法界萬霊に供養
をささげて、全ての生けるものに感謝する、功徳あふれる法要だという。そ
の中で、お互いの幸せを祈るお題目を唱えると、暑さもふと収まるような気
がする。暑さの中で、これを実体験したいのだ。「心頭を滅却すれば火もま
た涼し」の気分である。

2つ目は、セミの合唱に浸ることや一瞬の涼風を肌に感じたいから。お経
とセミの合唱は、私の耳には妙に心地よく響く。汗ばんだ肌を、時折、一瞬
の涼風がなでてくれる。両親と久しぶりに触れ合っている感じがした。

結びの法話の中で、80歳近い住職がおっしゃっていた。「何もこのクソ
暑い真夏に『お施餓鬼』なんかしなくてもいいと思うんですよ。塔婆を書か
せていただく数なんか半端じゃないからもう大変。でもね、暑いからこそ、
今年もやったなぁという達成感みたいなもんが嬉しくてね」と。同感である。

★8月5日(日)★
母が逝ってから3年。空家になっている実家を「地域福祉」の実践の場に
したいと考えている。そんなこともあって今年の春、実家を改築した。と同
時に、実家の前の私道に季節の花を植えている。

この私道、両親が健在の頃は、地元では結構人気のスポットであった。広
い道路から家の前まで約30m。その端の約1m幅の部分が、花壇スペース
になっている。しかし、花壇の主がいなくなってからは、雑草スペースと化
していたのだ。4月に雑草を抜き、春の花々を植え、花壇が蘇った。

6月になり、アサガオの苗を植えた。赤・青・紫・白・桃色の5色。苗毎
にツルが巻き付く棒を立て、後ろの白い柵に巻きつくようにすれば、柵にア
サガオが広がってくれると想像していた。しかし予想と反し、柵の高さが
1m程しかないためか、ツルは存分に上へ伸びることができず、苦しそうに
絡まり合っている様子なのだ。

これではアサガオが可哀想だ。もっと高い棒を立て、網を張ってあげよう
と考えた。しかしながら、7月の週末は、他のことにかまけていた。本日やっ
と実行へ。朝日が出る前がいいと考え4時から開始。約2mの棒を8本立て、
そこに2m×3mの網を張る計画だった。

しかし、始めてみるとさあ大変。網を張るだけでは、問題の解決にはなら
ないのだ。柵に絡んだアサガオのツルを解いて、網に這わせてあげないと・・・
と考えた。ツルの絡みを解くのはこれまた想像以上に根気が必要。絡みをよ
くよく見ると、ツル同士が知恵の輪のように絡まったりしている。それを慎
重に解きほぐしていく。絡み合いを解くのに2時間かかった。

一方でこんなことも頭をよぎった。絡まり合いを「苦しそう」と思ってい
るのは、私の思い込みなのかも。ツルたちは、仲良く助け合い成長している
のかも。それを無理やり解いて、広い網の上で、伸び伸び成長して欲しいと
の思いは、本当にアサガオのためだったのかな?

全ての作業が終わった頃には、強い朝日が差していた。時刻は7時を回っ
ていた。アサガオにたっぷり水をやりながら、汗をぬぐった。

(馬力アサガオ)

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「10年ぶりに」

★8月11日(土)★
10年ぶりに、ゆみちゃんに会った。

ゆみちゃんは、高校の時のクラスメートで、部活も同じ、毎朝登校するの
も、いつも一緒だった。
長い髪がトレードマークで、上手に絵を描いた。そして、いつもにこにこ
している子だった。

ゆみちゃんは今、栃木に住んでいる。
ひょんなことから連絡を取り合い、久しぶりに会うことになった。

栃木から、私が住んでいる横浜は、電車で片道3時間、往復6時間の道の
りだ。近年体調を崩すことが多く、遠出ができないと彼女が言うので、私が
最寄駅まで出向くことにした。

会うことが決まって、久しぶりでうれしいと思う反面、10年という年月
に、私は人見知りをした。見えない鉛の壁が、私と彼女の間に存在していた。
壁の正体は“時間”だ。

ずっと会っていないから、いったい何の話をしたらいいんだろう。そう思
うと、怖かった。高校のときとは、生活も環境もちがってしまっている。共
通の話題はいったい何だろうか。
いろいろ考えはじめたら、怖がりな自分に出会ってしまった。ゆみちゃん
が怖いのではなく、10年という時の流れが怖かった。

ところが、待ち合わせた駅の改札で、昔とほとんど変わらないゆみちゃん
の姿をみつけた。
「ゆみちゃん!」

鉛の壁が、一気に消え失せた。
私たちは駆け寄って、お互いに手をとりあった。うれしくって、二人でぴょ
んぴょんとびはねた。

そして、駅の近くのレストランで食事をした。その時には、すっかり高校
の当時にもどって、他愛もない、いろいろな話をしていた。昔と同じように、
大声で笑いあって、おしゃべりに花を咲かせた。

3時間かけて来たが、会えた時間も3時間くらいだ。楽しい時間はあっと
いう間に過ぎ、帰りの電車の時間がやってきた。

改札まで送ってもらって別れ際に、私はぎゅっと彼女をだきしめた。気持
ちで感じるより先に、体が動いた。
久しぶりに会えたのに、もうまた別れなくてはならないのが、寂しかった。
往復6時間かかるのなら、今度会えるのは一体いつだろう。

改札の中に入ると、私は振り返って大きく手をふり、さけんだ。
「ゆみちゃん、またね!」
ゆみちゃんも、大きく手をふりかえしてくれた。

笑顔で手をふったはずなのに、電車に乗り込んだとき、私の目から涙がこ
ぼれていた。
大のおとながみっともないのだが、幸いすいていたので、しばらく泣きな
がら家に帰った。

家に着いたら、ゆみちゃんからメールが来ていた。来てくれたお礼と、ま
た会おうねというようなことが書いてあった。

また今度、絶対に行こうと思った。

(ここほれわんわん)

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(編集後記)

暑いですね。

趣味のランニングは、夜にやっていたのですが、先日、オリンピックの
女子マラソンを見たく、夕方に走ったらさすがに暑く休憩をたくさんとり
ながらのランニングになりました。

まだまだ熱中症には注意が必要ですね。みなさんもお気をつけください。

(本永)

★エニアグラム日記の次号は、タイプ9。 9月23日配信予定です★

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