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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2012年7月22日 vol.349

エ二アグラム《自分探しの旅》
~~自己成長とコミュニケーションのための人間学~~

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夫がくじ引きの結果、マンション管理組合の理事長になった。忙しい夫を
どう支えるか散歩にでて相談する。「無理のないように」とあいさつする夫
のそばで「友達できるかも」「ちょっと楽しいかも」すぐ前向きの予感。

ウォーキングに80人でスタートしたのは、22時。福岡から別府まで。初め
て参加の元先輩に気を配りながら歩く。着いてみると先着組は温泉に入り、
ビールで「極楽・・」といっている。読む人に幸福感をあたえる、ふたつの話。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ7「二人で一緒に」 ●
●         タイプ7「仕事は楽しく、遊びは真剣」●
○編集後記      ○

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「二人で一緒に」

★7月1日(日)★

先週、住んでいるマンションの定期総会でマンション管理組合の理事長に
夫がなってしまった。輪番制なので今年度は理事になるということは了解し
ていたが、まさかくじ引きで理事長に当たってしまうなんて、大変なことに
なってしまった。

例年、土曜日に開かれている理事会に、土曜日は終日仕事の夫は出られな
い。つまり私が出席せざるを得ない。そう覚悟はしていたもののまさか理事
長の代行まではできない。夫もこの春、重責ある役職を受けたばかりで神経
を使うことが多いなか、また理事長職に当たってしまい「今年はついてない
なあ」とぼやいている。

幸か不幸か、このマンションの管理組合は管理会社と少し距離をおいてい
るので何しろ理事の業務が多いらしい。そんな事実が徐々にわかってくるに
従ってだんだん憂鬱になってくる。

しかしくじ引きである以上、やるしかない。第一回理事会までの一週間、
犬の散歩をしながら二人で策を練る。

「でもトップに立ったのだからお父さんのやりやすいようにやればいいんじゃ
ない?」

「それもそうだな」

「各担当理事に頑張ってもらって」

「うん、そうだ、そうしよう」

二人でだんだん第五期理事会の方向が決まっていく。それに理事長であれ
ば夫が出席せざるをえない。よって私は表に出なくてよいのでは・・・。

案の定、「よし、僕の都合に合わせて理事会を開こう」「やった!」「じゃ
あ、一回目に話し合わなければならないことを書いておいて。理事会にも出
てメモもとってね。二人で一緒にやろう」ということになってしまった。結
局裏方をせざるをえなそうだ。

一回目の理事会、私は夫の隣にちょこんと座り、「居心地悪いなあ」と思
いながらもメモをとる。初めての顔合わせなので緊張感がただよっているな
か、夫が「無理のないようやっていきましょう」と軽口をたたきながら私の
つくった議事録に従い進めていく。和気あいあいとなってきてからは私も
「皆さん、できる範囲でやりましょう。コミュニケーションをとりあって奥
様も含めて全員野球でやりましょう」などと発言。

久しく社会から離れていたのでこういう場の緊張がなつかしい。憂鬱さか
ら一転、ちょっと楽しいかも、と感じている自分がいる。

さっそく、連絡網を作り、各理事さんに送る。そして管理人さんとの話し
合い。すべて理事長(夫)は仕事で忙しく出られないので私が出て行かざるを
得ない。なんだか仕事をしているようで久しぶりに充実感を感じる。

子どもたちが独り立ちし、なかなか新しい環境で友人をつくることができ
なかったマンションでの生活だったが、かえって定年後の理事の方も多くこ
れを機会に友人ができる予感もしてなんだか嬉しい。理事長印を押すことも
多く、我が家に訪れる人も増えた。

不思議なもので理事になった途端、マンションに愛着が湧くというか、ご
みや草も気になりだす。より良いこれからの人生を送るためにも(多分)終
の棲家になるかもしれないこのマンションを大切にしていこう。などと殊勝
な考えさえ浮かんできた。

やむにやまれずパソコンを使わざるを得ず、この際パソコンも少しずつ覚
えていこう。

こう考えるとなんだか良いことづくめのようだ。
(と前向きにとらえよう。面倒くさいことだらけで本当は投げ出したいけれ
ど・・・)

(ひさきょん)

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「仕事は楽しく、遊びは真剣」

★6月29日(金)★
17時。「やった~、一週間が終わった~!」万歳して、パソコンの電源
を切り、帰り支度を始める。

「残業する人は届けを出してくださいね。残業しないなら、早く帰りましょ
う」と、“ワークライフバランス”が口癖の上司が、みんなに声をかけてま
わっている。

「笑みだるまさんは?」と声をかけられ「“仕事は楽しく!遊びは真剣に!”
がモットーです。・・・早く帰って、真剣に遊ぶ準備をしま~す」と答える。
上司は、「そう、それがいいね」と認めてくださる。

さぁ、明日は仲間たちとのウォーキングの練習会!頑張って歩かなきゃ!
真剣に遊ばなきゃ!

★6月30日(土)~7月1日(日)★
今日は22時スタートで40キロを歩く、夜間練習会。温泉地で有名な
“別府”に明け方の到着を目指すのだ。

ウォーキング初挑戦の職場の先輩2名を、今回は誘っている。「おぉ、笑
みだるまリーダー、よろしく頼むな」と言うのは、8年前に定年退職された
U先輩。全国の名山を踏破している『山の達人』だ。

そのU先輩の姿を見て「今日はウォーキングですよ。その格好で大丈夫で
すか?」とツッコミを入れる、50代前半のM先輩。そう、U先輩は、靴下
もシューズも、登山用のものを着用している。「いいんだ!俺はこれで行く
んだ!」と、後輩のツッコミにふて腐れた表情。U先輩、相変わらず分かり
やすいなぁ・・・と、内心、微笑んでしまう。

とは言うものの、私のウォーキング仲間と、先輩を引き合わせるのは今回
が初めて。お互いに、受け入れて貰えるだろうかと、微かな心配もある。

集合場所には、ウォーキングの仲間たち、80名が集まった。久しぶりに
会う仲間から「笑みだるまちゃん、元気だった?」「今日も、楽しく歩こう
ね」などと声をかけられ、挨拶を交わす。その仲間たちに、先輩を紹介する。

「初めてなんですよ、宜しくお願いしますね~」と、相手に合わせて話題を
選んで仲良くなっていくM先輩。一方のU先輩は言葉少な目。・・・大丈夫
かなぁ・・・。

全員の点呼の後、世話役のHさんから「今日は、遠くから参加してくれて、
ありがとね。ベテランさんは、初心者の方をサポートして、全員が完歩でき
ることを目標にしようね」との挨拶がある。Hさんは、毎回、世話役やサポー
ト役を買って出てくださる。そして、いつも感謝の言葉を述べられる。本当
にすごい人だ。だから、80人もの仲間が集まったんだと思う。

スタート後、ベテランの人たちのスピードに触発され、U先輩がハイスピー
ドで歩いている。「この調子では、後半、バテませんか?」とスピードダウ
ンを促すけれど「大丈夫。毎日散歩してるんだから」と自信満々だ。今回の
コース、後半に3つの峠越えがある。何度も歩いた私としては、スタミナを
温存しておく方がいいと思うのだけど。

15キロを過ぎた頃から、U先輩のペースが徐々に落ちてきた。序盤のオー
バーペースが堪えているのだろう。

これまでU先輩の後ろを歩いていたが、さりげなく追い抜き、無理なく歩
けるペースで先行する。ペースメーカーが前にいると、歩きやすいだろう。
これからは、私が引っ張る作戦だ。

時々、後ろを振り向きながら、U先輩、M先輩が付いてきているか確認す
る。「笑みだるまちゃん、本当はもっと速く歩けるんだろう?僕たちとペー
スを合わせているのは、歩きにくくないかい?」と、そっと囁いてくれたM
先輩。

「ありがとうございます。でも、一緒に歩けることが楽しいんですよ」

80名の参加者、早い人は5時頃にはゴールしたようだ。私たちは、7時
ゴールが目標。

別府湾の雲の切れ目から、太陽の光が差してきた。あと5キロでゴールだ。
目標は達成出来そう。それも、初参加の先輩二人と一緒にゴールできるのが
嬉しく、爽快な気分だ。

ゴールは、世話役のHさんが予約してくれた温泉旅館。先にゴールした仲
間たちは、既に温泉に入って、休憩所でビールを飲んでいる。

私たちも、まず温泉に入ることにする。一晩中歩き続け、雨と汗と泥まみ
れの身体を洗い流し、筋肉をほぐす。「あぁ、極楽、極楽~」と声が出てし
まいそう。

休憩所では、先に温泉から上がったU先輩とM先輩が、ビールを飲みなが
ら、ウォーキング仲間たちとすっかり打ち解けていた。アルコールが入った
せいか、完歩の達成感からか、スタート前よりもかなり多弁な様子だ。

「よかった、先輩たちを誘って・・・」ようやく、ホッとする感じがする。

帰りの別府駅で、「ちょっと待っててな」と消えたU先輩。5分後、戻っ
てきたU先輩の手には、お土産の袋が下げられている。「今回、世話になっ
たからな~。しかし、次はもっと速く歩けるように、練習しておくからな」
と言いつつ、M先輩と私にお土産を差し出された。U先輩も、楽しかったん
だな。よかった。

お礼を言って、素直に頂戴した。

★7月2日(月)★
さぁ、月曜日。一週間のスタートだ。いつものように、7時に会社に到着
し、鍵を開け、仕事にとりかかる。

「先週は、どこまで仕事済ませてたっけ?・・・」などと独り言をつぶやき
ながら、書類を作成し、上司の机に置きに行って、驚いた。上司の机の上に、
私の字で既に書類が出来上がっている。この仕事、先週金曜日に済ませてい
たのだ。ここまで先週の仕事を忘れてしまうなんて・・・一人で、クククと
笑う。

・・・週末、真剣に遊んで、『ストレス解消に成功した』ってことね。

8時を過ぎると、同僚や上司が次々と出勤してくる。さぁ、今週も頑張ろ
う!

(笑みだるま)
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(編集後記)

先日放送された『世界一受けたい授業』で交感神経と副交感神経のバラン
スを計る機具が紹介されていました。小型の機具ですが、心臓のあたりに粘
着テープで24時間、張り付けることで計れます。

実は、縁あって私自身が計ってもらう機会がありました。

結果が手元にきたのですが、自分が感じているストレスの感覚と体の反応
の違いが、わかり大変興味深いものでした。
(本永)

★エニアグラム日記の次号は、タイプ8。 8月19日配信予定です★

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