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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2012年6月17日 vol.346

エ二アグラム《自分探しの旅》
~~自己成長とコミュニケーションのための人間学~~

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授業参観も仕事も、まず「思案」からはじまる。行動の裏には、性格タイ
プのそれぞれの技がある。

組織か人か、企業は冷静(冷酷?)に判断する。コンサルタントは退職者
に心を寄せ、別れに「サボテンの花」をうたう。一緒に過ごした濃い時間は
認めあっていたからだった。

この人たちがだいじにしているのは、人を見守るときの気持ちの合わせ方、
やさしさである。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ6「中学校の授業参観」●
●         タイプ6「サボテンの花」  ●
○編集後記             ○

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「中学校の授業参観」

★5月28日(月)★

授業参観の詳細案内が配られた。二年生は今週の木曜日だ。登校から下校
までいつでも見学してよいとのこと。息子のクラスの時間割に目を凝らし、
どの教科を参観しようか思案する。

昨年とは担当教師が変わった科目の授業は、ぜひとも見てみたい。息子か
ら聞き及ぶ話を理解するには、この機会に、できるだけクラスメートの顔と
名前を一致させたいし、個性派ぞろいの教師陣がどのような授業を展開して
いるのか、実際に体験してみたい。

絶対に外せない英語は一時間目。朝が早くてためらうが、仕方がない。そ
の次に関心のある社会は六時間目。何とも効率の悪い組み合わせだ。

名物先生の国語がないのは残念。あれこれ迷っても時間割が変わるわけで
もなし、とにかく第一優先の英語から参観して、あとは当日の気分と状況次
第で決めるとしよう。

★5月31日(木)★

朝から張り切って一時間目の授業に臨む。英語でQ&Aを繰り返しながら答
えを推量するゲームに、教室全体が盛り上がる。私も聞き漏らすまいと集中
し、頭の中で答えを探す。

保護者として教室後方に立っていても、まるで生徒の一員になったような
気分だ。今どきの英語の授業は活気があって楽しい。あっという間に五十分
が過ぎた。彼の表情も柔らかだ。

数学は、担任でもあり部活の顧問でもあるT先生。少人数制なので教室の
後半分が空席だ。保護者も座るよう勧められ、着席した途端、目の前に男子
学生の背中が迫る。

連立不等式はすっかり忘れていたが、先生の解説を聞くうちに自分でも解
いてみたくなり、紙とペンを取り出して計算式を書きつける。学生時代には
こなしていたはずの内容が、初めてのことのように新鮮だ。もうこんな問題
を解けるようになったのかと、感慨深い。

一旦授業が始まると、途中で抜け出るのは気が咎める。スマートに退散す
る人を横目に、何となくタイミングを逸してしまう。全教科を見るのは(そ
んな保護者はいないから)何となく気が引けるので、三時間目の数学の後、
昼食をとりに外に出る。

このまま帰る保護者が多いから迷うところだが、社会科を覗きたいという
気持ちが勝り、再び学校の門をくぐる。

息子は社会科に苦手意識を持っている。実際に授業を見ることで、彼の意
識を切り替えるための、何らかのヒントが得られるかもしれない。本人が関
心を持たないかぎりはどうしようもないから、日常の中で「歴史や地理」に
つながる話題をそれとなく織り交ぜ、意外と面白いものだと実感してくれる
よう仕向けられないものか。

一筋縄ではいかないだろうが、「嫌いの芽」が育たぬよう案じている。

(ゆらりん)

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「サボテンの花」

★5月28日(月)★

クライアント先の部長が1年早く定年退職することになり送別会に参加し
た。

3年前に新規事業の責任者として福岡から上京。奥様をひとり残しての単
身赴任を1年早く切り上げての退職であった。私はコンサルタントとして新
規事業に携わり、彼とは多くの時間をともに過ごした。

本人は最後の1年を地元福岡の支社で過ごすことを望んでいたが、ポスト
がなく、退職することが話し合いで決まってしまった。なんとか、彼の地元
の福岡で最後の1年を帰任できるよう尽力したが、後任もおり外部の人間で
ある私は、この流れを変えられなかった。純粋に業務の役割分担だけを考え
れば辞めることはやむを得ないかもしれないが、会社の判断は冷静(冷酷?)
だ。

帰任することに反対した数名の役員の顔を思い「冷たい人だ」と感じる感
情的な自分がいる。彼にも会社を説得出来なかったことを少し申しわけなく
感じていた。他のクライアントの仕事があったが、キャンセルして送別会に
参加した。

送別会は盛大なものとなった。皆からの送り出しの言葉が明るくなされ、
仕事で出席できない社長からも慰労のメッセージと個人的なプレゼントが披
露された。

うれしかったのは本人からの御別れの挨拶。辞めることを希望していなかっ
たにも関わらず、「自分のわがままで1年早く辞めさせてもらうことになっ
た。幸せな仕事人生だった」と言ってくれたことだった。近年の労務問題の
傾向から言えば、辞めないと頑張ることも出来たと思う。潔い辞め際に少し
だけ救われた気持ちになった。

福岡からチームとして上京、赴任した女性社員も事業方針をめぐっての考
え方の違いから、ことごとく、この部長と対立するようになり、口を聞かな
い仲にまでなっていたにも関わらず、辞めることが決まってから、この送別
会には全力を尽くし、ことあるごとに号泣していた。

送別会でも、最後に感極まりながら挨拶している彼女と隣で、しんみりそ
の話しを聞いている部長を見て人間関係の不思議さを感じた。

自分にしてはめずらしく、最後まで付き合った二次会のカラオケで、福岡
出身の彼から私に「会の閉めに「サボテンの花」」をリクエストされ、一緒
の時間を共にした思いを込めて歌った。外部の人間であるにも関わらず、濃
い時間を一緒に過ごしたことを認めてくれたのだと感じた。

私自身、転職者の送別は何度も行っているが、実質的に定年を迎える友人
を見送ったのははじめての経験。いつも、寂しい気持ちになるが、今回は特
別な気がした。彼の今後の人生も気に掛け続けたいと強く思った。

(油売り)

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(編集後記)

実は、今年になってから、猫を飼っています。
家に来た時は、子猫でしたが、だいぶ大きくなりました。

犬は飼ったことがあるのですが、猫は初めてです。

猫もなかなかいいものだと思っています。
(本永)

★エニアグラム日記の次号は、タイプ7。 7月22日配信予定です★

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