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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2012年4月22日 vol.340

エ二アグラム《自分探しの旅》
~~自己成長とコミュニケーションのための人間学~~

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学長のあいさつも教え子の言葉も、小説の中の心理描写も、存分に心を
開いて受ける。そこに生まれてくるのは、感謝とよろこび。「ありがとう
と多くの人に」と学生につたえる。心を豊かにする道へ誘う。

エニアグラムを通して気付いてきたのは「悲しみは人生の一部であって、
すべてではない」という現実視点。十数人の家族の夕食準備に立って、自
らの性格の見直しをして考えている。九州からの報告。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ4「感謝」     ●
●         タイプ4「現実を生きる」●
○編集後記           ○

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「感謝」

★4月4日(水)★

朝歩いていると、昨日の爆弾低気圧のために壊れた傘があちこちに捨てら
れている。今日は「台風一過」とでも言いたくなる快晴だ。絶好の入学式日
和になってよかった。

大学入学式での学長の式辞は「誇りを持って生きよう」。誇りを持って生
きるためには、「利己」だけでなく「利他」すなわち「公」のために生きる
ことが必要と明快なり。毎年毎年、入学式でも卒業式でもおっしゃっている
ことだが、東日本大震災の後からは特に胸に沁みるようになった。

午後は新入生のご両親との懇談会。事前打ち合わせなしの司会業だったが、
なんとか乗り切る。大学院生がタイの大学からの留学生を研究室に連れて来
てくれる。

★4月6日(金)★

昨日から、新入生約300名とオリエンテーション・キャンプで河口湖に
来ている。2日目の朝、同室の先生と光り輝く湖を見ながらよもやま話。楽
しい。

宿を出発するとき、財布をなくした1年生が居て一騒動になる。本人はしょ
ぼんとしているし、まわりも落ち着かない。結局、宿の布団の中にあり、旅
館の方が追いかけて来て届けてくださった。ほっ。

大学帰着前の最後の挨拶で、「大学生活をうまくいかせるこつ、それは
‘ありがとう’を言い続けることです」と話す。オリエンテーションのため
に合宿して準備をしてくれた上級生、支えてくれたスタッフ、運転手さんと
ガイドさん、何より高い学費を払って大学に行かせてくれた親御さん・・・
新入生たちがどこまで気づいているか。いまはわからなくてもやがて腑に落
ちるときが来ることを。

2日間新入生の相手をして、さすがに疲れきって帰宅すると、他大学に入っ
たばかりの姪っ子から履修相談の電話。昨日からそんな質問ばかり相手にし
ているんですけど・・・(笑)。

★4月7日(土)★

新宿でゼミの卒業生と食事。卒業後、たった1、2年を経ただけだが、見
事に大人になったなと思う。学生のときには「営業なんて私にはできません」
と泣きそうだったのが、「お客さんと接しているのが楽しい」「そりゃいい
ね」「うちのサイトも使ってよ」などと話が飛び交う。ビジネス社会の波に
もまれながら、前向きに生きようとする姿に、私が教えられる。

「先生、社会に出て本当に自分のやりたいことがわかりました」と言われ
たときには、「そうだね」と涙が出そうになった。成長したなぁ。別の卒業
生からも「入籍しました」「配属先が決まりました」というメールが届く。
春だなぁ。

★4月8日(日)★

エニアグラムを学ぶ中で10年ほど前に同じタイプ4の「師匠」が言われ
たことがある。それは、「タイプ4の晩年はものすごく強くなる」というこ
とだ。

師匠曰く:さまざまなことを栄養にすることができるようになる。応用が
利く。自分に少し甘くなる。自分は生かされてきたというところに落ち着く。
他人の力になれる。「人生面白いもんだなぁ」と思う・・・

そのときは「へぇ、そんなもんか。そうなるといいな」くらいにしか思っ
ていなかった。

今振り返ってみて、師匠の言葉通りだと痛切に感じている。

自分の歩んできた道を顧みたとき、自分は本当に恵まれてきたなと心底思
う。怠け者で努力家ではないし、気まぐれで時に感情に流れ、あんまり倫理
的でもなくて、しょっちゅうふらふらする・・・だけど、その自分が、何と
多くの愛情を与えられて来たことか。たくさんの人のおかげで生かされてい
ることか。それを感じると、なんともいえない感謝の気持ちで満たされる。

その時にはどうしようもなかった苦難が、後で貴重な体験・栄養となって
生きた。失敗を積み重ねても、それを幸せに結びつける応用が利くようになっ
た。ダメな自分も、「まぁ、いいか」と少し甘くなって、人生がうんと楽に
なった。そして、自分の力でなく、他の人や周りに生かされてきたことを強
く感じる。学生たちが寄ってきてくれ、少しだけれど力になることもできる
ようになった。本当に「人生面白いもんだなぁ」・・・・・・・・・心底、
師匠にお礼を言いたい。

心を静かにして祈るとき、誰に感謝してよいかわからない喜びに満たされ
ることがある。本当にありがとうございます(まだ、死にませんけど・・・)。

(ちゃんぽん)

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「現実を生きる」

★3月18日(日)★

毎週日曜日になると夫の実家に帰り、大家族総勢10数名でお夕飯を食べる
ことが多い。

今日も、いつもの日曜日。実家にお邪魔し食事の準備を義母、義姉と私で
進めていた。家計に関する会話をしていたら、

「ガス代毎月いくらかかっているの?」と義姉から尋ねられた。

私は胸がドキッとした。まったく金額がわからないからだ。

「いや、いくらでしょうね」ドギマギしながら言っていると。

「7、8千円くらい?」続けて尋ねられた。

尋ねられてもひとつとして数字が出てこない。

家計簿を数ヶ月はつけたことがあるし、通帳で光熱水道費や娘の月謝など
引き落としされているかは毎月確認しているけれど、数字がまったくわから
ない。数字のかけらさえ頭に浮かばなかった。

「そのくらいでしょうか」と答えてはみたが、自分のあまりのわからなさ
に、情けない気持ちが体いっぱいに充満して、急に恥ずかしくなってきた。

恥ずかしさはその後の会話でも解消されず、さらに後の夕食の時間でもそ
れを引きずっていた。

日々に沸き起こるスペシャルな気持ちに関することは、何年たっても反芻
するように思い出しては味わったりするのだが、日常の現実に関すること、
特に数字についてはまったく疎いことを改めて知らされた。

★4月1日(日)★

よしもとばななは私が好きな作家の一人だ。

今、味わうように読んでいる『なんくるない』もだが、ばななさんの作品
はそこに描かれている状況が自分の経験とは違うのに、なぜか自分の過去を
振り返っているような懐かしさを感じる。

『なんくるない』では、両親が離婚に向かってゆく状況を「私」は夜が更
けていくのをじっと待つしかない時のように受け止めていく姿も描かれてい
る。「私」の心の奥底にあるどうしようもない悲しみを、私は手に取るよう
に理解することができる。

悲しみを理解しながらの読書とは私にとって貴重な時間だ。

昔の私は、読後も作中の余韻を引きずってなかなか現実に戻って来れなかっ
た。人はそんな私を見て演技がかっていると思っていたかも知れない。

しかし、10数年前からエニアグラムを学んで、私は悲しみの中に生きて
いるのではなく、現実に生きているんだとか、悲しみもあるがそれは人生の
一部であって人生のすべてではないことを理解できるようになった。

読書の時間後の生活にも作中の「私」ではなく、今生きている「私」で対
応できるようになっていることに最近気づくことができた。

当たり前のことができるようになった36歳の誕生日だった。

(さくら)

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(編集後記)

4月ですね、新年度ですね。

当学会の今年度のワークショップ開催スケジュールが、決まりました。

WEBに掲載されています。

今回の日記にも書かれていますが、エニアグラムを学ぶことで、いろいろ
なことに気づけるようになり、人生が豊かになると思います。

ぜひ、いっしょに学びませんか。
(本永)

★エニアグラム日記の次号は、タイプ5。 5月20日配信予定です★

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