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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2011年12月18日 vol.328

エ二アグラム《自分探しの旅》
~~自己成長とコミュニケーションのための人間学~~

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一人は法事の風景を描き「祖母は甘いものを好んだ」と思い出している。

もう一人は「本をよく読んでもらった」伯父のところへ法事の相談に。子
どものころの幸福な体験に、どちらも心をよせている。

滋賀と東京で書かれるエピソードが、今回もよく似た内容で送られてきた。
家族や同僚との接し方ににじむものが、人柄の余韻を残しあたたかい空間へ
誘う。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ9「詰めの甘さを認識」●
●         タイプ9「伯父と焼酎」    ●
○編集後記        ○

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「詰めの甘さを認識」

★11月26(土)★
今日は祖母の法事で、親元に親族が集まった。亡くなってからかなり経っ
ているので、今回は近い身内だけの集まり。伯母やいとこなどおよそ1年ぶ
りに合った。法事は仏式で滞りなく終わった。

終わってからの御斎では、互いの近況を話したり、政治のことや震災のこ
となど世の中で話題になっていたり、関心がもたれていることはもちろん、
段々アルコールも入って賑やかになっていくと、祖母の思い出話しに花が咲
いた。

いとこが「おまえが一番祖母を大事にしてくれていたかもしれん」と言っ
てくれた。

高校生の頃のことを思い出した。実家に帰宅するついでによく祖母のとこ
ろに寄っていた。私も和菓子が好きだし、祖母も喜ぶだろうと時々和菓子を
何種類か買って持っていった。祖母も仕舞ってある自分のおやつのあれこれ
を出してきては食べさせてくれた。

一緒にお茶やインスタントのコーヒーを飲んで話をしたりした。時にはい
つの間にか祖母が眠ってしまうこともあったが、それでも私は祖母が起きる
までそのままテレビを見たりして、また起きれば話をした。

私は祖母を大事にしていたというより、祖母が好きだった。何を話すとい
うでもなく一緒に居てくれて、一緒にいると心が穏やかになれる、あの一時
が私をどれだけ助けてくれていたか今でも祖母を思い出すと有難く思えてく
る。

★12月1日(木)★
今私の職場では、配備されているパソコンの入れ替えや業務システムの移
行準備が進められている。

これまで何度も業務毎にワーキンググループが開催され、私も担当を任さ
れ参加してきた。いよいよ新しい業務システムの運用の骨子がかたまり、新
システムでの運用に備えた切替の準備をしていく段階にきていた。

同僚から、新システム稼働時に滞りなく移行できるよう、今から準備して
おかないといけない私たちの部門に関する案件について、提案があった。直
近には操作研修が予定されていて、私はよく考えもせずに、研修が終わって
から準備しだせばいいと考えていた。

ほおっておいた訳ではなかったし、そのつもりでいた私は、提案を聞いた
ときはそんなことは言われなくても考えていたと内心少しかちんときていた。

同僚は準備に必要な部内の調整とそれらも含めた準備期間を想定して、今
から取りかかっていかないといけないと提案してくれた。

私は呑気に構えてしまってぎりぎりで物事を処理したり、他者から指摘さ
れて慌ててしまうことがまれにある。また、早めに取りかかっていても、あ
る程度のアウトラインができあがるとそれで安心してしまって、詰めが甘く
なることがある。

思い返せば、これまでも考え方や物事の処理のし方の違う人間が集まった
この職場で、どこでもあるような軋轢や衝突もあるが、違いによって助けら
れたり、刺激を受けたり、気づかされてきたことが幾度となくあったと再認
識させられた今日の出来事だった。

指摘を受けたおかげで、私は自らの詰めの甘さを認識し、さっそく準備に
とりかかった。

(ゆったりといこう)

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「伯父と焼酎」

★12月2日(金)★
私は既に就寝中、電話が鳴って家内が話している。娘からだ。会社の送別
会で飲みすぎて駅にいるので、途中まで迎えに来てほしいとのことである。

「僕が行くよ」と言ってすぐ着替えて、自転車で道を急ぐ。途中娘の自転車
とすれちがう。目が合い「アッ」と気が付いた娘はブレーキをかけるがその
ままスライディングをするように自転車ごと転倒する。

私はUターンして籠から転がったペットボトルを拾い上げる。「ありがと
う」「お帰り。・・・」

娘は自転車を起こしてこぎ始めようとするが、ケータイが地面に落ちてい
ることには気づいていない。かなりの泥酔状態である。家の塀にぶつけるの
ではないかと娘のフラフラ運転を心配し見守りながら、後を走らせて家に向
かう。

それでも見通しの悪い交差点ではちゃんとチリンチリンと鈴を鳴らして徐
行している。妙に感心したりしていると、家の手前の縁石に自転車をぶつけ
て停車した。ほっとする。家の中に入るや娘は酩酊状態になり動かなくなっ
た。私は娘に毛布を掛けると再び眠りについた。

★12月3日(土)★
夕方、隣に住む81歳になる伯父が町内会の旅行の土産を届けに来た。私
は家内が応対するのを書斎で聞き流していた。ふと、来年2月に迫った亡父
の7回忌の話をしておこうと思い立って隣家を訪ねることにした。普段顔を
合わせて挨拶は交わしていても、改まって話をすることは稀である。

前回から半年ぐらい経ったであろうか・・・伯父には小さい時から本当に
世話になった。よく本を読んで寝かしつけてもらった。兄弟3人良く遊んで
もらった。

厳格な父の下にあって、私にとっては伯父との時間が心の平安を得る息抜
きの時間であったが、伯父にとっては私と父との間に入って嫌な思いも多々
あったかもしれない。その頃伯父は独身であったが、結婚してからもずっと
隣に住んでいる。晩年病気で療養中の両親は、伯父夫妻に本当に世話になっ
た。

焼酎を飲みかわし、そんな取り止めのない話をしているうちに、いつの間
にか伯父も私も涙を流していた。「また、近いうちに・・・」「正月に、今
度はうちで」穏やかな気持ちで伯父の家を辞した。

(のんきや)

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(編集後記)

なんと、東京マラソンに当選しました。

追加抽選での当選です。追加というと、なんだか補欠みたいですが、
そのようなことはなくちゃんとした当選です。

なかなか当たらないと、よく聞くので本当にうれしいです。

がんばります!

(本永)

★エニアグラム日記の次号は、タイプ1。 1月22日配信予定です★

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