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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2011年11月20日 vol.325

エ二アグラム《自分探しの旅》
~~自己成長とコミュニケーションのための人間学~~

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会社員から校長へ。きょうも新校長は校門に立つ。「おはよう」と力強い
声を一人ひとりにとどける。はにかんでいた生徒が、いまは目を合わせてく
る。文化祭までの若者たちの輝く表情がつたわってくる。らくな道ではない
デコボコ道を選び「ことに当たっては潔くあれ」と思って生きてきた先生。

祭りの準備はどこから始めるか。まず場所を作るためテント張りから。
「細かいことはあとで決めればよい」と動きはじめる。祭りの人出にわくわ
くする。全体を見て第一歩を決定する人たち。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ8「木枯らし1号とハンカチ」●
●         タイプ8「秋まつり」 ●
○編集後記        ○

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「木枯らし1号とハンカチ」

★10月 木枯らし1号★
10月も下旬となると、日が暮れるのが急に早くなる。そして、夕暮れ時
は人恋しくなる季節。今年の木枯らし1号は、10月26日に吹いた。木枯
らしに体がゾクッと反応する。

さらにこの季節、私にとって体がゾクッと反応するのは「プロ野球ドラフ
ト会議」。今年は木枯らし1号の翌日に開催された。青春という季節を、野
球に打ち込んできた若者の運命の日である。抽選という神様のいたずらがド
ラマを生む。

意中の球団が抽選を引き当て、夢が叶えられたドラマ。選手と球団が相思
相愛なのに、恋の邪魔者が現れるドラマ。全く無名の選手が、シンデレラボー
イのように舞台に登場するドラマ。小説にも書けないようなドラマが生まれ
る。私が好きなのは、このドラマが始まるまでの何とも言えぬ緊張感に支配
された時間とドキドキ感である。

若者の人生を抽選で決めてしまう「ドラフト会議」の良し悪しには様々な
意見がある。私自身は反対である。しかし、反対でありながらも、「ドラフ
ト会議」の産み出すドラマと緊張感が好きで、体はゾクッと反応してしまう。

指名を受けた後の若者たちの表情やコメントにも心が揺さぶられる。特に
相思相愛の仲を裂かれた若者が一人、木枯らしの吹く夕暮れの中を歩く姿を
想像すると、何とも辛い思いが募る。が、逆境においても木枯らしの中をと
凛々しい後姿を残して夕暮れの中に消えていく背中に、エールを送りたくな
る。人生思い通りに行かないことが多かったり、どっちの道を行こうかと迷っ
たりした時は、先が見えている安全な道より、何かが起きそうなデコボコ道
を選ぶ傾向は、自分自身を振り返ってもあった。

私自身、会社生活を通じて、人事部門の経験が一番長い。そんな中で自分
自身にも、そして後輩にアドバイスする時にも、心に思っていたことは、
「ことに当たっては潔くあれ!」という言葉である。大学受験をする時に、
中学時代の恩師から送られた言葉である。

★11月 ハンカチの日★
11月3日が「ハンカチの日」であることを知った。18世紀のフランス
では、刺繍やレース、はては宝石を縫いつけたものまであり、形も丸や長方
形と様々だったそうだ。これを夫のルイ16世をせっついて「正方形にすべ
し」という法令を出させたのはマリー・アントワネット。贅沢三昧で王妃と
しては失格でも、お洒落のセンスは抜群だった彼女の誕生日が1755年11月2日。
誕生日の翌日が「ハンカチの日」と定められたのだ。

私の勤務する高校で先日、「文化祭」が開催された。マリー・アントワネッ
トが、「今のハンカチ」を発想し・形作ったことは、「文化祭」そのものだ
と思う。つまり、「文化祭」とは、「想像」×「創造」=表現→→→感動!
ということ。この式は、頭で思い描いたアイデアがまずあり、それを具体的
に創り出し、表現する、そしてその先に「感動!」が生まれるという意味で
ある。

生徒たちは素晴らしい「想像力」でアイデアを描き、確かな「技術・腕=
創造力」で様々な出し物を「表現」していた。生徒たちが毎日頑張って準備
を進める姿を見ていると、エールを送らずにはいられなかった。「文化祭」
当日には、至る所で笑顔が弾け、感動が生まれていた。それを見ているだけ
で、私の体にエネルギーが湧いてくる感じだ。

こんな生徒たちに、毎朝、ワクワク・ドキドキする。校門から生徒が姿を
表す。今朝はどんな表情を見せてくれるのだろう?私は少し離れた定位置に
立って、634名の生徒たちを迎える。生徒たちとの「朝の挨拶」である。私の
定位置は、校門から49歩。生徒たちがこの空間を私に向かって進んでくる。

49歩の時空は、各生徒の表情・動作を確認するのに必要なのだ。かける言
葉は「おはよう!」の一言だが、生徒ごとに「おはよう!」に込める感触・
色合い・エネルギーは異なる。当初は頭を使って考えていたが、慣れるに従っ
て心が自然に反応してくれる感じだ。半年前には視線を合わせない生徒も多
かった。

それが今では、生徒の純真な眼差しが私を求めてくる。その姿が眩し過ぎ、
こちらがドキドキしてしまう。挨拶と共に笑顔もあふれてきた。若者たちと
同じ空間にいるだけでワクワクする。今朝も彼らを祝福するように、朝日が
真っ直ぐに差し込んでいる。私と生徒の「49歩のドキドキ・ワクワク空間」
である。
(馬力アサガオ)

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「秋まつり」

★11月13日(日)★
今日は、地域のお祭りだ。20回目の記念ということもあって、今年のみ
うちの会社からも、地域貢献の一環として、出店することになった。

うちの会社のブースはお好み焼きだが、ほかにも、焼き鳥、焼きそば、タ
コ焼き、ポップコーンなどの出店が出る。また、フリーマーケットや、バザー
などが行われて、希望する品さえあれば、かなり安く買える。マグカップな
んて、10円だ。

ほかにも、和太鼓やダンスなどの催しものが、地域の団体や、子どもクラ
ブによって発表されることになっていた。

会場は、いつも会社に行くとちゅうにある、公共施設の駐車場である。集
合は、朝8時半。いつもと同じ通勤ルートを、歩いて会場へむかった。する
と、少し遠く離れたところからでも、駐車場のあたりが、すでに、にぎわっ
ているのがわかった。

「わあっ、やってる、やってる!」

声が聞こえてきただけで、なんだか、わくわくしてきた。きっともう、ほ
かの団体は来ているんだ。時間的に、余裕はあったのだけれど、これは私も
遅れてはならないと、さらに足を早めて、会場に向かった。

会場は、すでにたくさんの準備する人で、あふれかえっていた。昨日の夜
に降った雨を、ほうきなどで会場からかきだしている人や、テントの用意を
している人など、さまざまだ。

会社の人たちも、すでに何人かは来ていた。そのうちの一人、生田くんに、
「すごい人出だね! 来るとき、遠くからでもにぎわう声が聞こえてきたよ」
と声をかけると、生田くんは、
「ほんとうです。それを聞いただけで、エネルギーを奪われていきます」
と言った。この活気あふれる雰囲気に、生田くんは、エネルギーを吸い取ら
れるように感じるのだという。

私は、まわりに活気があるのは、好ましいし、こちらも元気が湧いてくる
ように感じるのだが、生田くんはどうやら、違うらしい。もしかして、つか
れてるんだろうか。かなりびっくりしたが、同時に、この違いを、おもしろ
いなあと思った。

各ブースの販売は、10時からである。それまでの間は、それぞれが、準
備に走る。会場を見渡すと、テントの器材が、ごろんとそれぞれのブースの
場所に置かれていた。この朝の1時間半で、だれがなにをするのか、詳細な
担当などは、割りふられていない。10時まで、とりあえず焼けるだけ焼い
ておこうと、確認したのみである。

この状況を見渡して、まずはテントだと思った。お好み焼きを焼く。その
ために作業台を作りたくても、テントがなければ、場所がきまらない。だか
ら、組み立て式のテントを、ほかの団体のおじさんたちにまぎれて、設営し
た。

会場のおおまかなデザインができあがっていく。大体の位置さえ決まれば、
あとはこまかいところを準備していけばよい。

テントの中に、お好み焼きを焼く台を作っていたら、ちょうどタイミング
よく、女性陣が、お好み焼きのルーを、バケツに入れてもってきた。テント
がなかったために、どこかほかのところで、卵を割りいれたり牛乳をいれた
りして、作ってくれていたらしい。

それを見て、そうか、女性たちはみんな、あっちにいたのかと、今さらな
がらに気づいて苦笑した。私ときたら、男性陣にまぎれて、元気に力仕事を
していた。私は、見た目は女性だが、中身は男なのかも、と思った。

いざ10時になると、天気がよかったこともあって、お好み焼きはとぶよ
うに売れた。みんなで交代して、ひたすら焼き続けた。

夕方になって、完売の声が聞こえたころには、みんなすっかり、充実した
気持ちで、後片付けに入った。

ずっと中腰で作業していたために、腰がいたくなっていた。でも、日ごろ
のデスクワークとは、まったく違う。たまにはこんな日もいいな。

(ここほれわんわん)

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(編集後記)

学会の事務所が新橋から小伝馬町へ引っ越ししました。

いままでのところも良かったのですが、「駅までの距離」、「使い勝手の
良さ」、「家賃」などのいくつかの好条件に恵まれ、引っ越しを決意しまし
た。新しいところで、新たなスタートができればと思っています。

新住所です

〒103-0001
東京都中央区日本橋小伝馬町6-14 万文堂ビル2B

(本永)

★エニアグラム日記の次号は、タイプ9。 12月25日配信予定です★

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