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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2011年1月23日 vol.295

エ二アグラム《自分探しの旅》
~~自己成長とコミュニケーションのための人間学~~

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子どもの結婚は嬉しい。母親も「主役になった気分」でブーケを持って
通路を行く。こんなときこそ、目立ちたがりを発揮しての祝い。冬の休
暇で帰郷するとき同卿の友人を車で誘うのも楽しいから。

そのあと、まさかの電話が入る。同僚の交通事故死、娘の嫁ぎ先の義父
の死。それをどう受けとめているのか「自分の頭が納得しなければ、感
情に伝わっていかない感じ」信じられないことが起る。同僚の賀状はと
どいていたのに。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ7「娘の結婚」  ●
● タイプ7「同僚の事故死」●
○編集後記               ○

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「娘の結婚」

★1月7日(金)★

清らなるこの川のごと育てよと「梓」と名付け今嫁がせる

娘が昨年11月に結婚した。新郎新婦の人柄らしく和やかで楽しいお式だっ
た。共に忙しい二人なのでなかなか準備が大変だったようだ。なにしろ当日
朝4時までメッセージカードを書いていたらしい。

新婦の母である私は早々と、会場に行き、新郎新婦を待つがなかなかやっ
て来ない。ようやく新郎が現れ、しばらくしてから娘がやってくる。何も食
べずにやってきた二人に作ってきたおにぎりを渡し、「お支度をみたい」と
いうと「まだ打ち合わせがあるからだめ」と断られがっかり。

一生に一度の事なのに、どうしてもっと前からちゃんとやらないのか、と
腹立たしさを収め控室でおとなしく待つ。

親族紹介等を終え、いよいよ式場へ。夫は新婦とバージンロードをエスコー
トするという大役が控えている。出たがりで目立ちたがりの私の性格を知っ
ている娘は「ベールダウン」という演出を私に与えてくれた。

後ろのドアを開け会場に入ったとたん、一斉に「わあつ」という歓声とも
ため息ともつかないどよめきがきこえ嬉しさと誇らしさで胸がいっぱいにな
る。

まず、私が娘のベールを下げる。練習のときは焦ってしまい早くおろして
しまったが本番はゆっくりとお客様を意識しながら大きな動作で下げ「幸せ
になってね」と娘に言葉をかける。後で写真で見てみるとなかなかの出来で
ちょっと嬉しい。

厳粛な式が終わり、披露宴がスタートすると、初めから二次会?というよ
うな楽しさ、スタートが新郎新婦の挨拶、すぐに乾杯をし、早速お食事を、
となりご馳走をいただきながらの和やかな会が続いた。

家族も式の次第は知らされず、春のいとこの結婚式でお色直しの退席時に
兄弟がエスコートしていたことから息子が自分の出番がないかと聞くと、
「何もないから安心して食べてて」と言われたので息子も私も安心してパク
パクと食べていたら突然司会者から、「では新婦のお母様、弟様、ご起立下
さい。どうぞこちらへ」と言われ、食べていたエビを慌てて飲み下す。

息子は「えっ、話が違う」という顔をしながら二人して前へ。娘のお色直
しの退席をやはり息子とするということだった。私と息子を両隣りにしてス
クラムを組んで退席したかったようだが通路が狭く、断念、私がブーケを持っ
て先導し息子と娘が腕を組んで退席。

もう私は主役になった気分、嬉しくて満面の笑み、各テーブルをまわりな
がら祝福の言葉をいただき退席、私と娘はただただニコニコ、息子だけが目
を潤ませていたらしい。それでも息子がとってもいい笑顔で娘と並んでいた
のをみて本当に嬉しかった。

その後も愉快なビデオが流れたり、みなさんが笑って泣いて喜んで、と二
人の創意工夫を凝らした演出が随所にある最高の一日だった。

★1月8日(土)★

その式からひと月半、新郎のお父様が亡くなった。以前から病気療養中で
結婚式にも病院から車椅子で出席して下さったのだが、享年64歳、あまり
に早い死だった。

看護師の娘は何度も病院に見舞いに行き、お世話をしていた。新郎のご両
親とは昨年春、食事会で一度お会いしただけだったのだが、式後、何度かお
見舞いに行き、とても子煩悩で愉快な方ということがわかった。そのお人柄
か、通夜、葬儀ともたくさんの方が会葬して下さった。

喪主であるお母様と新郎は気丈にすっくと立ち、長女の方は会葬の方々に
気配りをしながらふっと気が抜けるとしょんぼりと小さくなってしまい実に
胸に迫る。次女の方はずっとハンカチを目に当て大好きだったお父様の死の
理不尽さに怒っているようにみえた。これもまた気の毒でこちらももらい泣
きをしてしまう。

たくさんの方々が焼香をするのを見ながら故人の素晴らしさを実感、読経
が流れる中、ふっとこれから自分の両親、夫の母、義兄弟の両親、いまから
これを6回するのか、と思う。

子を育て、社会に出し、次は介護、そして葬儀、人生はこういうものなん
だなあと、妙に悟ったような気分になる。そして自分の葬儀にはどれを遺影
にしようか、周りは好きな花で囲み、モーツァルトを流そうとか、そんな不
謹慎なことも考えてしまった。

厳かに式が進み、にこやかに笑っていらっしゃる遺影を見ながら、私は
「人生ははかないもの、生かされていることに感謝しなければ」と思う。夫
は「人生は厳粛なもの、充実した一生にしたい」と思ったという。そしてと
もにあとに続くのは「だから今の生を一生懸命に生きなければならない」だっ
た。

(ひさきょん)

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「同僚の事故死」

★12月26日(日)★

年賀状は12月25日までに・・・と呼びかけられているにもかかわらず、
今年もそれを過ぎて作成に取り掛かることになってしまった。パソコンで原
稿は作り上げていたのに、印刷するのが面倒で延び延びになってしまってい
た。私の悪い癖だ。「できる」と見通しが立つと、その時点で中断してしま
うことがたまにある。

今年いただいた年賀状を見ながら、1枚1枚宛名を手書きする。日頃効率
を追い求めているからこそ、年賀状の宛名くらいは手書きをしたい。年賀状
のやりとりだけで、日頃なかなか会えない人も多い。「元気にやっています
よ」という年に1回のごあいさつのつもりで年賀状を作っている。

いただいた年賀状に「毎年、どんな年賀状か楽しみです」と書かれている
と、「してやったり」という気分になる。貰った相手に「相変わらず元気だ
なぁ」と笑ってもらいたくて、毎年わざわざ干支の動物と一緒の写真を撮り
に出かけたりしているのだから。

筆ペンで宛名を書き、印刷した面にそれぞれ一言メッセージを添える。
来年も佳き1年でありますように・・・と願いを込めながら。

★12月29日(水)★

今日から年末年始の休暇だ。朝早くから実家へのお土産や6日分の着替え
を車に詰め込む。

今回の帰省は、会社の後輩で同郷のIちゃんと一緒だ。お互いに普段から
も帰省しているが、長い休みだと大荷物になるため、一緒に帰ろうと誘って
みたのだ。日頃ゆっくりと話す暇もないので、道中のお喋りも楽しみだ。

高速道路を使うと2時間余りだが、途中で小休憩をとることにした。大規
模なサービスエリアだと大混雑ではないかと思い、小さなパーキングエリア
を選ぶ。案の定、駐車スペースは空いており、売店には地元のお菓子等が小
ぢんまりと並べられている。小休憩にはちょうどいい。自分の選択に満足。

お土産を物色しながら何気なく携帯電話を見ると、同僚からのメールと上
司からの着信履歴が表示されている。メールには「昨日、O支店のT君が交
通事故で亡くなったそうです。お通夜は明日の午後・・・、葬儀は明後日の
・・時、場所は・・・」と綴られている。上司に電話をかけると、そのこと
の連絡であった。電話のお礼を述べるが頭の中は混乱している。

Iちゃんの「大丈夫ですか?戻りましょうか?」との声にハッと我に返る。
「いけない。これから私はまだ1時間以上も運転しなければならないのに。
冷静にならなければ」

瞬時に、カシャカシャと頭の中で時間の計算がなされていく。これから実
家に帰って、ひとまず今日は家の手伝いをしよう。年末の労働力として当て
にされている筈だから。明日は雪の予報。車での移動は避けたい。昼頃に実
家を出て特急列車を利用すれば、私のマンションに戻って喪服に着替え、お
通夜に参列できそうだ。

実家に戻り、家の手伝いをしながらも、気持ちは落ち着かない。亡くなっ
たT君は、職場の飲み仲間のメンバーで、時々メールや電話でやりとりして
いた。「亡くなった」と知らされても、お通夜に行く手筈を整えていても、
現実味を持って感じられない。自分の頭が納得しなければ、感情に伝わって
いかない感じが時々ある。

私の母は彼のことを知らないにもかかわらず、家族の気持ちを思いやり、
気の毒がり悲しんでいる。

私もとても悲しいのだけれど、内面から込みあげてくるような悲しみに襲
われている訳ではない。感情に鈍感なのだろうか?

時々、こんな自分が不思議に感じる。

★1月3日(月)★
明日は仕事始めだ。正月を実家で過ごし、また私のマンションに戻ってき
た。

郵便受けには年賀状の束。荷物を部屋に運び入れるより先に、まず年賀状
に目を通す。「毎年、元気をもらっています」と書かれたもの。去年のを見
て書かれたのだろう。今年も「元気」が伝わっただろうか。

中に、T君からの年賀状があった。「お元気そうですね」の言葉の後に、
彼の近況が添えられてあった。

私の年賀状は彼の元に届いただろうか。

天国から「相変わらずだなぁ」と笑ってくれている気がする。

(笑みだるま)

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○ 編集後記 ○

『30歳からの人生リセット術』久恒啓一著 が昨年7月に出版(創元社)
されています。

お金や健康など14のテーマ(全14章)が書かれていますが、その中の
1つの章で、よりよい人間関係をつくる有効な方法としてエニアグラムが紹
介されています。

エニアグラムを学び人生が大きくかわったとおっしゃる方がたくさんいらっ
しゃいます。まさに、人生をリセットしたということではないでしょうか。

追伸
「ミニまぐ」もスタートしました。タイプの特徴をクイズ形式で学べます。
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★エニアグラム日記の次号は、タイプ8。 2月20日配信予定です★

(本永)
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