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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2005年8月21日 日常編 vol.40

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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本メールマガジンは、エニアグラムの智慧を日常で活かすヒントになれば
と、日常の視点からエニアグラムを紹介することを目的としています。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ8「爆心地から5.5キロメーター」●
●           「心のクセ」          ●
○編集後記○
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タイプ8の人は、物事を決定する力があり、自信が自然に周囲で感じられ
ます。弱い者、自分を頼ってくる人を助けようとする反面、対立する人、自
分に挑んでくる人を排除しようとします。強烈な体験を好み、挑戦し、困難
を克服することで、自分は生きていると感じます。

また、自分の影響力を行使して、存在を感じたいという動機が核になって
いて、大きなエネルギーを出して存在感を示します。激しい内的活力を有す
る一方で、その内面は、ときにマシュマロと表現されることがあるほど、感
じやすくやわらかです。

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★8月1日(月)★
♪夏は来ぬ♪ 朝夕のウグイスに加えて圧倒的なセミの声。だがカナカナ
はなんとも風情がある。早朝の枕上瞑想、夕方のシャワーの滝には有難いお
経にも聞こえてくる。

8月は私にとって特別だ。6日に広島で原爆にあい、7日に父を天に見送
り、徹夜で白木の棺を作り、8日に公園で穴を掘って火葬した。B29が頭上
を飛ぶ灼熱の太陽のもと、火と煙と焼ける匂いの父の側で、母と心静かに讃
美歌 ♪主よみもとに近づかん♪ を歌い、お祈りした。15日には遺骨を
抱いて田舎に行き、そこで終戦。予期せぬことに命ながらえて、新しい日々
が始まった。丁度60年前、18才だった。

朝はやく、仲間のT さんから電話があった。彼からは時折近況の知らせが
あり長電話を楽しむ。今年から彼は大きな団地で自治会長をしている。8月
末のお祭りの準備で大変らしい。大企業で上級役員を務めた彼にとって自治
会のマネージメントは想像以上にルーズ。まじめタイプの彼にとっては腹が
立つらしいが、私にとっては面白い。

私も先日初めて町内の祭りに参加した。町内のお役当番で仕方がない。神
輿行列の触れ太鼓、四神剣につづく槍もちだ。Tさんは総大将で、私は足軽
奴役。イグサの上等な帽子・祭礼のハッピ・団扇・手ぬぐい。その出立ちと
顛末を話すと彼も大喜び。「仕方がなければ喜んで引き受け、私なりの見方、
やり方で大いにエンジョイする」のが私の若い時からの真骨頂だ。

行事は昼前から始まり、日が落ちても終わらず、暗い海の中で ワッショ
イ!ワッシヨ!酒を一気飲みした若者の勢いは「暴れ神輿」に炸裂。粋な鉢
巻にハッピ姿の女囃子はのりにのって波の音と競演する。闇になると時間を
感じなくなる。「なすがまま」だ。

波打ち際の仮宮に着く前の小学校の校庭で、長々と休憩するぐらいなら、
早く砂浜に着いて、美しい夕日と輝く波を背景にクライマックスの美を飾れ
ば良いのに、「私がリーダーなら、そうするのに」とそのドラマティックな
情景の演出を思い浮かべながら楽しみ、我慢していた。これも私の若い頃か
らの真骨頂だ。

ただ、その夜の枕上瞑想では、「なすがまま」「なるがまま」もまた良い
か、と思った。

★8月6日(土)★
8時から原爆慰霊碑前での平和式典が中継される。毎年、妻とテレビの前
で参加する。先ず、この一年間になくなった被爆者の名簿が納められる。そ
の碑文「安らかに眠ってください 過ちは 繰返しませんから」が大写しさ
れる。これは、生き残った、また、これから生まれるすべての人からの言葉
だ。秋葉市長も「平和の誓い」の最後をこの言葉で締めくくった。本当にそ
うあって欲しい。父も母もここに眠っている。私も何れここに入る。8時15
分には起立して一分間の黙祷。60年前の情景が鮮明に蘇る。

私は爆心地から5.5キロメーター離れた見晴らしのよい路上にいた。西
の空にポッカリと夕日のような赤い天体が現れ、それが見る見るうちに膨張
して巨大な白熱体になり、目がくらみ、顔が火照った。それが西の天空一杯
に拡がった瞬間、真ん中から、それを裂くように、スルスルと火の柱が真っ
青い空を駆け昇った。次の瞬間、火の柱は雲の柱に変わり、その先端がたぎっ
てキノコ雲になった。大音響と爆風が飛んできた。

肚に力を入れて踏ん張った。目の前の出来事をしっかり見た。私の大好き
な歌 ♪見よ火の柱 雲の柱を♪ が閃いた。数ヶ月前、呉の軍港で体験し
た壮絶な戦闘シーンを遥かに超える、肚に応えるド迫力だ。そのときはこれ
が原爆とは知るよしも無かった。

それから数十分後に、古今人類が、頭や心では描けなかった阿鼻叫喚の現
実の中に身をおくことになる。8月6日は、くしくもキリスト教でいう「変
容の祝日」でもある。人類の変容はとてもできそうに無い。
(ガッツ)

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★8月8日(月)★
今日は、夕方5時すぎから、職場から2キロほどはなれた電子計算センター
へ、FDのデータを届けて作業をする日だ。

このFDを作るのは、となりの課の新人のハマダくんだ。
ハマダくんは、うちに転職してくる前は、ホテルマンだったというだけあっ
て、物腰のやわらかい人だ。というより、エネルギーが少ないというか、背
中をつついたら、そのまま倒れそうな人である。もし、私がまだ学生で、ハ
マダくんと同じクラスだったら、間違いなくいじめていた。(^^;

電子計算センターで作業を開始してすぐ、センターのSEが、「おや?」
と言った。どうやら、FDのデータの内容が、一ヶ月分違っているらしい。
このままでは、作業はできない。私はハマダくんに電話して、今すぐ戻る
から、新しいFDを作っておいてくれるよう、依頼した。

実は、先月も、FDの内容が違っていたのだ。
「くぉら、ハマダ!」
と、一瞬煮えくり返ったが、車で会社に戻るころには、落ちついていた。

「す・・・すみません」
ハマダくんが謝る。これだけ素直に謝られたら、怒る気にもならない。こい
つはまだ、4月に入ったばかりなんだ。

差し替えのFDを受け取る。
「ちょっと! ほんとうにこれは大丈夫なんでしょうね!」
笑いながら言ってやると、ハマダくんは、えぇ、そのつもりですと、弱々
しく答えて、頭をかいた。

「もぅ〜、来月は、よろしく頼むよ!!」
と、私がガハハと笑いながら、ハマダくんの背中をバンバンたたいたら、そ
のままどこか遠くへ飛んでいってしまいそうな雰囲気だ。そして、たとえ飛
んでいってしまったとしても、私は気づかないに違いない。

・・・うっかりバンバンたたくのは、やめようっと。

★8月12日(金)★
うちの会社には、月に13日間、委託業者がはいっている。今回は私が、
カレンダーを見て、その日程を決めた。他の仕事の予定との兼ねあいも考え
て、これでいいだろうと思っていたら、パートのおばさんから苦情がでた。
この日程では厳しいところが、1ヶ所あるというのだ。

「この作業日は、こんなに早くなくても、月末ぎりぎりで大丈夫よねぇ」
委託業者の作業日程が一番関係するのは、このパートさんたちだ。こちら
としても、委託業者の都合もあるので、今すぐには、「じゃあ、変えましょ
う」とは、即答できない。

そう伝えたが、そのパートさんは、
「あらぁ、でも、こんなに早いと私たち、困るわ」
「大丈夫、絶対変えられるわよ」
などと言って、日程変更を、要求し続ける。

たとえ今月の作業日程が早くても、間に合わなかった分は翌月に回せば済
む話なのだが、結局は、業者に連絡をとって、日程を変更した。
けれども、そのやりとりの間、私の心中は、穏やかではなかった。

万全と信じて、自分が作成した日程表への苦情である。パートさんに、い
ろいろ言われているあいだ、自分の心が、おびやかされているような衝撃を
受けていた。

こんなことは、日常よくある些細なことだ。パートさんにしたって、おそ
らく私を攻撃しているつもりなんて、これっぽっちもないだろう。ただ、こ
うしてほしいという要望を、率直に言ってきたのにすぎない。

それなのに、攻撃をされたように感じてしまうのは、私の心のクセのせい
だ。そしてこのクセのために、私は人間関係を、敵対関係として捉えやすい
傾向にある。

今回はかろうじて耐えたが、耐えきれなければ、私はパートさんに、なに
か言い返したりして、強くでていたかもしれない。それはつまり、初めは私
の心の中だけの敵対関係が、表面に現れ、ここで現実のものとなってしまう
ということだ。そして、相手からみれば、なにもした覚えがないのに、いき
なり私から攻撃をされたように感じることだろう。

他の人が思いもしないようなこんな些細なことで、びっくりするような衝
撃を受けている。そして周りの人は、そんな自分の心に、案外気づいてすら
いないのだ。
(ここほれわんわん)
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○編集後記○
いつもメルマガを読んでいただきありがとうございます。お盆の休みが分
散傾向にあるとかで、明日から仕事の方もいらっしゃるでしょうか。お盆の
休みはいかがだったでしょうか。お盆休みに「プライマリー・コース」に参
加いただいたみなさん、ありがとうございました。

はじめての方にご参加いただける、次回の「プライマリー・コース」は、
9月17-18日に開催します。ぜひ、参加してタイプの違いを実感してください
ませ。お申し込みの詳細は、WEBまたは、事務局
TEL/FAX 03−5777−1130 月〜金の13:00〜18:00まで

また、学会では、9月19日(祝)にエニアグラム通信に、連載「自分とは<
だれ>か」を執筆いただき、私たちエニアグラムを学ぶ者に、自分さがしの
大切なヒントを示してくださる前島誠先生から、直接お話しを伺う機会を設
けました。どなたでも、ご参加いただけます。
詳細は、http://www.enneagram.ne.jp/ まで。

読んだ感想はいかがだったでしょうか?みなさんからの感想などお待ちし
ています。npo_jea@yahoo.co.jp まで。

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(本永)
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