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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2005年7月31日 日常編 vol.38

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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本メールマガジンは、エニアグラムの智慧を日常で活かすヒントになれば
と、日常の視点からエニアグラムを紹介することを目的としています。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ6「違反切符のあとで」  ●
●           「営業冥利、人間冥利」 ●
○編集後記○
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タイプ6の人は、真面目、誠実であることを大切にし、周りと仲良くした
いという気持ちを人一倍強く持っています。何事に対しても忠実で誠実であ
り、責任感が強く、互いに支えあうシステムややり方で、協力的に、一所懸
命に働きます。

常に誤ったことをしてしまうのではないかという不安の感情をもち、不安
の感情に対処するために自分の外側にあるものに頼ろうとします。
人との信頼関係を大切にし、責任を果たそうとする一方で、防衛的で、課
題に対して直面することを避け、優柔不断な態度になりがちです。

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★7月19日(火)★
私は東南アジアの貧困問題に取り組む、NPO団体のメンターをしている。
平均年齢が20代という若い団体の為、組織運営上の人間関係の相談が多い。
現地から責任者のHさんが帰国してきた。私に会って話を聞いてほしいとの
こと。渋谷で食事をすることになった。

相談内容は現地での人間関係についてだった。現地の日本人スタッフ間の
考え方の違いから業務がうまく回っていないらしい。リーダーとして、どう
するべきか悩んでいる様子だ。

最初は、部下に対する愚痴からはじまったものの、話の核心部分になると、
相手を受け止められず、衝動的に怒りをぶちまける自分の性格の話になった。
「怒りを爆発させると、益々関係性が悪くなることは、わかっているんです
けど、どうにも怒りが抑えられないんです。それに、そのままにしておくと、
絶対に話は進まない。どうしていいのかわからないんです」その話を聞いた
瞬間、自分の背中に力が入るのがわかった。真剣に聞いてあげようという姿
勢になれると背中から力が沸く感覚が私にはある。

Hさんが真剣に悩んでいるのを見ながら、自分に何がしてあげられるだろ
う・・・と考えた時、ある話が思い浮かんだ。自分がコンサルタントとして
関わったある社長の怒りが外に向いている状況から自身の内面に向かった瞬
間に遭遇した話だ。その出来事いらい、その会社の社長と部下の絆はより深
くなったことが今でも印象ぶかい・・・。思いつくままに、リアルにその話
をHさんに伝えた。その話を聞いた瞬間、Hさんからあふれる涙。重なった
部分がかなりあったのだろう。自分の感情を持て余し、コントロール出来な
いことを心の底から悩んでいたことが痛いほど伝わった。私自身も目頭が熱
くなる。

彼女からあふれ出る言葉をそのまま聴き続ける時間が続く・・・。Hさん
は、全ての話を終えたあと、「悩んでいたことが、整理できた気がして本当
にすっきりしました」と言ってくれた。

自分が誰かの力になってあげようと心の底から感じられた時、充実した感
覚が残る。いい時間が過ごせたことがうれしかった。

★7月21日(木)★
仕事の待ち合わせの場所に向かうために目黒からタクシーに乗った。約束
の時間までにぎりぎりで間に合う感じだ。「代官山のこの地図の場所まで行っ
てください」と運転手に地図を渡す。「判りました」と運転手は車を走らせ
はじめた。

走り始めてすぐの交差点で目的地と反対方向に曲がったので、驚いた。
「方向違いませんか?」と聞くと「あっ、間違えました。すみません」と方
向転換し、スピードを上げる。

道を間違えて、かなり焦った様子だ。「この辺りは慣れていないもので、
すみませんでした」、「必ず時間には間に合うように着きますから・・・」
ひたすら謝る運転手さんが気の毒になり「大丈夫ですよ。気にしないでくだ
さい」と気遣う。

しばらく走った後、目的地付近で今度は道に迷う。近くまでは来ているは
ずだが、道が入り組んでいてわかりづらい。「この辺りのはずなんですけど
・・・」と運転手が言いながら道を右にまがったとたん、そこには警官がい
た。

警官:「右折禁止です。違反切符を切りますので車を左に寄せてください」
運転手:「お客さまが急いでいるんです。勘弁してください」
警官:「駄目です(きっぱり)」
運転手:「じゃー後から戻ってきますから・・・」
警官:「駄目です。すぐに済みますから、言うことに従ってください」

警官はこちらの事情など全く気にしない様子・・・。こうなると許してく
れないことは私自身もよく体験している。結局、運転手が切符を切られるの
を待つことになってしまった。

運転手:「本当にすみません。間に合わなくなりそうです・・・」
私 :「仕方ないですよ。気にしないでください」

道を間違えた時以上に、申し訳なさそうにする運転手を見て、約束の時間
に間に合わないことより、申し訳ない気持ちが大きくなった。もし、私がこ
のタクシーに乗らなかったら、この運転手さんは、違反切符をきられずにす
んだのにという気持ちが沸いて来る。こちらを気にしている様子を見ると、
どうやったらこの人の気持ちが落ち着くのかを気にしてしまう。

私 :「こっちこそ、大変な目にあわせちゃいましたね・・・」
運転手:「気にしないでください。たまにありますから・・・」

処理が終わり、目的地に着いた。980円の料金だったが、「罰金の足し
にしてください。」と3千円を置いてタクシーを降りた。もっと払った方が
よかったかどうかが、気になる自分がまだそこにいた。
(油売り)

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★7月20日(水)★
私はホームセンター等に花の苗を卸す仕事をしている。先日会社で全体会
議があった。全体とは言っても社長から平社員まで15人程度の小人数の会
議だ。

主な議題は6月決算後の事業報告と今後の組織の在り方等々。組織の在り
方とは主に営業と事務のかかわり方と職務分担のことで、要するにどこまで
が営業の仕事?どこまでが事務の仕事?という話だ。

ホームセンター等のチェーンストアが売先のため、繁忙期にはとてつもな
い事務の仕事量となり、女性陣はみんなほとんど毎日終電近くの退社という
状況になる。そうとはわかっていても営業は「もっと事務員にフォローやア
シストをしてもらいたい」事務は事務で「これ以上やらされたら身がもたな
い」こんなやり取りが会議でも交わされた。

ある程度予想はしていたものの、やはり自分が槍玉に上がってしまった。
「注文をもらいっぱなしで確認をしようとしない」、「仮発注と本発注の数
字の違いぐらいはチェックしてほしい」営業職のなかで一番売り上げを伸ば
していても、会社の事務員からすれば私はできればかかわりたくない厄介者
ということになる。

「仕入れ先も売先も両方営業が担当し、営業と事務がペアを組めば良いん
じゃないか」こんな提案をしても「営業同士が組めば良いんじゃないですか
?」と取り付く島もない。話の流れから私もつい口が滑って「極論すれば注
文を取った後のことはもう自分の仕事じゃないと思ってる」と言い切ったら
ほぼ全員から集中砲火を浴びてしまった。

確かに私の仕事はいいかげんかもしれないし、何でも事務員に任せ過ぎか
もしれない。でも私は、そうすることで営業が常に外へ目を向けて活動した
方が絶対に売上も伸びるし、会社の業績も上がるし、ひいては社員みんなが
いい思いをできるはずだ、ということを確信している。私の事務員に対する
態度や行為は、言ってみればそれを理解しようとしない会社や役員に対する
無言の抵抗のようなものなのだ。

とは言うものの、信頼し合いたい職場の仲間に嫌われたり悪く言われたり
していい気持ちがするはずもなく、ここ数日の私は手負いの虎が木陰でひっ
そりと負った傷口をなめているといった感じだろうか。ちょっと美化し過ぎ
かな。

そうしながら自分の気持ちをしっかりと感じてみるとどうやら組織や集団
のためにといった思いの陰に、自分で責任を取りたくないとか、難しくなり
そうな事から逃れたいという気持ちが働いていたかもしれないと思うことが
ある。

組織や集団の為によかれと思ってすることが必ずしも評価されない。よか
れと思っている自分の気持ちの中に別の動機が隠れているかもしれない。集
団の和を乱せば仲間として認められなくなる可能性がでてくる...。人の
気持ちや人と人とのつながりって本当に難しいと思う。

★7月26日(火)★
今日はお客さんを花の生産農場へお連れしている。お客さんはホームセン
ターのエリアの責任者とお店の担当者だ。台風一過の快晴でそこそこ風もあっ
て絶好の日和だ。こういっては何だがちょっとピクニック気分でわくわくす
る。

生産者へ向かう車の中では、大手メーカーの名前で売られている花がどこ
でどうやって作られているか?なぜそういうふうに売られるのか?そのから
くりや舞台裏を話してあげたり、生産農場に着いてからは、どういう土や肥
料を使ってどういう管理をしてその花ができあがるのかを説明したりした。
お客さんは熱心に聞き入ったり、メモを取ったり、花の苗に見入ったりして
いた。とても新鮮で興味深いようだ。

こういう時は自分があてにされていて、頼りにされていると感じる。そし
てとっても気持ちがいい。それ自体が大きい商売になるかとか採算が合うか
とかに関係なく、いろいろ教えてあげたい、相手のためになってくれたらい
いと思ってしまう。これをやり過ぎるとお人よしということになるのだろう。

一日案内してご丁寧にお礼のメールまでいただいた。自分が信頼されてい
る。自分を頼ってくれる。そう実感できること。営業冥利、人間冥利に尽き
る話だ。
(忠犬ハチ公)

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○編集後記○

いつもメルマガを読んでいただきありがとうございます。タイプ6の人は、
人との和、調和を大切にしていますし、相手のことをとても気遣います。ワー
クショップの時に、休憩時間であってもその本当に気遣っている様子を見る
ことがあります。そのようなそのタイプがもっている感じや特徴を身をもっ
て知ることができるのが、学会で定期的に開催しているコースです。

はじめての方にご参加いただける、「プライマリー・コース」を
8月13日(土)〜14日(日)に開催します。ぜひ、参加してタイプの違
いを実感してくださいませ。(お申し込みの詳細は、WEBまたは、事務局
TEL/FAX 03−5777−1130 月〜金の13:00〜18:00まで)

また、学会では、8月21日(日)にエニアグラム・ビジネスセミナーとして、
「エニアグラムとコーチングで気づく 仕事力・人間力の向上のヒント」
という特別ワークショップを開催します。どなたでも、ご参加いただけます。
詳細は、http://www.enneagram.ne.jp/ まで。

読んだ感想はいかがだったでしょうか?みなさんからの感想などお待ちし
ています。npo_jea@yahoo.co.jp まで。

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(本永)
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