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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2005年6月26日 日常編 vol.33

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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本メールマガジンは、エニアグラムの智慧を日常で活かすヒントになれば
と、日常の視点からエニアグラムを紹介することを目的としています。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ1「誰が決める?改修工事」 ●
●           「心の中での反省会」    ●
○編集後記○
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タイプ1は、自分がしなければならないことは間違いなくやり遂げたい、
義務はきちんと果たしたいと考えています。これで良いと思えるまで、何度
でも見直して修正し、人との意見の違いを調整しようと努力します。

そのため、なかなか決められない状態になり、周囲からは、しつこいとか、
勝手に決定を覆えしたと受け取られることもあります。
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★6月15日(水)★
父が転んでけがをしたのを機会に家を改修することになった。

弟のつれあいが一番張り切って、友人の設計士を連れてきた。家中の段差
を解消し、車椅子で移動できるようにするのは大工事だけれど、今しかチャ
ンスはないと、壁を壊したり、床を上げたり、浴室と寝室を隣り合わせにし
たりと、あれこれ案を出し合って図面を引いてもらった。

できあがった図面を両親に見せると、「どういう風にしてもいい、任せる」
と言っていた母が、父の大切な書庫をつぶすのは反対と言いはじめた。今の
浴室も気に入っているからそのままにしておくようにと言う。

任せられた気で弟夫婦と話を進めてきたのに、今ごろ何を言うのかと腹が
立った。

しかしすぐに思い直す。具体的になったからこそ、母の気持ちがはっきり
したのだから、今が意見を言う好機には違いない。これは耳を傾けなければ
いけない。誰のための改修かという原点に返れば、父と母が暮しやすいよう
にするためだから、と話を聞く姿勢になる。聞くうちに、母は父が大事にし
てきたものがなくなるのを心配していることも分かり、年老いて一層仲良く
なってきた両親を感じて、希望通りにしようという気になった。

★6月23日(木)★
入院先の病院で、主治医に家の改修を考えている話をすると、リハビリ担
当が、どういう改修が必要かをアドバイスすると言う。介護保険が使えるよ
うにと申請を勧めてくれる。作業療法士が、設計士が引いた図面を見、家の
中をあちこち計測しながら、手すりの位置などを決めて行く。ケアマネジャー
が、今ある身体機能を使って生活するのが基本だから、現状を大きく変えな
い方が良いと意見を述べる。

それぞれ専門の立場からのアドバイスはどれももっともに感じられ、図面
を見直す。両親の希望も取り入れた新しいプランが固まったところに、突然
主治医がやってきて、こんなプランはだめだと言う。介護のためには浴室は
トイレと一体型が望ましい、書庫をつぶしなさいと断定的な意見。

主治医が強硬な意見を言ったのには驚いたが、これも介護者のことを考え
てのことと思うと、私はまた迷ってしまう。そして「誰が決めるの」という
主治医の問いかけにはっとした。多くの情報や人に接するうちに自分を見失っ
ていたようだ。どの意見も良く見えて、あれもこれも取り入れようとしてい
たが、決めるのはここに住んでいるこの私。私の意見がはっきりしないから
決められないのだと、ようやく気がついた。

これまでにもこういうことはよくあった。あちらもこちらも良いようにす
るには何ができるのかと、調整の必要を感じて動き回る。人の意見にはすぐ
左右され、思いつきで動くので、次々に修正が必要になってくる。いつまで
たっても終らない改善作業ということになる。「改革する人」というタイプ
1のネーミングが深い味わいをもって感じられた。
(上を向いてあゆむ)

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★6月14日(火)★
今日は朝から上司に呼ばれた。昨日提出した資料に誤りがあったからだ。
呼ばれて間違いを指摘された時は「カチン」ときた。何度も見たからそんな
はずはない、と思った。が、そう思いつつ、どこか抜けている私だから。

見落としていたかも…と思ったら案の定間違っていた。あぁ,なんでこん
な間違いをしたのだろう。信用を失ってしまう。と、自分を責める。私の心
の内など当然気にせず、上司は別の話を始めている。でも、私の耳には入っ
てこない。

「間違っているぞ」そのたった一言で、私はどん底に落ちてしまう。ちゃ
んとした人間は「間違いなんかしない」。だから私はちゃんとした人間では
ない・・・。もうこれから重要な仕事を頼まれないのではないか、必要とさ
れなくなるのではないか。皆に受け入れてもらえない・・・。不安は尽きな
い。なかなか気持ちの切り替えができなかった。

負のスパイラルに落ち込みかけたので,用事を作って体を動かした。体を
動かすと少し落ち着く。エレベーターを使わずに、階段を使って移動する。
階段を下りるたびに、湧き上がっていたもやもやが、体の下に落ちていって
安定するような気がした。

冷静に考えると、たいしたことではない。でも、間違いを指摘されたその
瞬間から私は冷静さを失ってしまっている。落ち着いてしまえば、なんであ
んなに焦っていたのだろうと自分自身が可笑しくなる。かわいい奴とも思っ
てしまう。

★6月15日(水)★
今日は友達の送別会があった。皆に楽しんでもらえて本当に良かった。
年に四、五回しか会っていないけれど共通の趣味もあって仲が良かった。遠
くに行って寂しくなるけれど、仕方がない。

今日の送別会に至るまでは結構苦労した。日程調整、場所の手配、記念品
などなど。

しかし、苦労といえば苦労だが、私は結構好きだ。苦労というよりは、や
りがいを感じる。楽しそうな友達の顔を思い浮かべながら計画をたてた。楽
しかった。いきいきしている自分を感じた。計画通りに物事が進むととても
気持ちが良かった。喜んでもらえると更に嬉しい。もっと喜んでもらえるに
はどうしたらよかっただろうと、心の中で反省会を開きながら余韻を楽しん
だ。

★6月16日(木)★
会社の人達と食事に行った。仕事上では付き合いがあるが、食事に行くの
は初めてだ。人と話すのは好きなので楽しみである反面、仕事で激しいやり
とりをしているので、彼らに仕事のことで何か言われるのではないかと不安
と期待があった。

アルコールも入ってくると、さまざまな思いが聞こえてきた。直球勝負ば
かりでは駄目、冷たい、正しいことが全てじゃない…などなど。正直痛かっ
た。けれど、納得できた。直球勝負だけだから冷たく感じられると教えてく
れた。嬉しかった。

すぐには自分を変えることはできないが、きっかけをもらった。どうした
らいいのか方法はまだわからない。周りの人に教えてもらいながらゆっくり
いこうと思った。ここ数日抜け出せなかった、自分の殻から抜け出せたよう
な気がした。みんなに感謝!

★6月18日(土)★
最近の週末の楽しみである二日市温泉に行った。福岡の良いところのひと
つは温泉が多いということだ。車で二十分も行けば入れる。友達の運転で、
宇多田ヒカルの音楽を聴きながら、いつものようにおしゃべりをすると、優
しい時間が流れる。

天気は悪くても、車の中は優しさに満たされている。許されていると感じ
る。立ち寄りの温泉は3カ所ある。近くのコインパークに車をとめて銭湯に向
かう。観光で行く温泉場と違って、ほのかな硫黄の香りが、柔らかいカーテ
ンとなって「今」の空間を際立たせてくれる。湯の流れる音がここちよく、
凝っていた心が軽やかになる。
(ちゃんと)

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○編集後記○
いつもメルマガを読んでいただきありがとうございます。タイプ1の人は、
何か問題が起きたときには、自分の中で反省会がはじまると聞いたことがあ
ります。そのような、生の声を聞けるのが、定期的に開催しているコースで
す。

はじめての方に参加いただける、「プライマリー・コース(集中)」を7月
16日(土)〜18日(月・祝)に開催します。ぜひ、参加いただきタイプの違
いを実感してみてくださいませ。(お申し込みの詳細は、WEBまたは、事務局
TEL/FAX 03−5777−1130 月〜金の13:00〜18:00まで)

☆参加者の声☆
自分でも結構“冒険”かなと思うぐらい本音で話しができました。それで
も周りの人の受け取り方は、自分が想像しているほどには「変な性格だ」と、
否定的に受け取っていないということが次第に判ってきて、少しは自分を肯
定的に見ることができるようになってきた感じがします。参加してよかった
です。

読んだ感想はいかがだったでしょうか?みなさんからの感想などお待ちし
ています。npo_jea@yahoo.co.jp まで。

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(本永)
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