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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2008年5月18日 vol.199

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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ある日、子どもがやってきて、母親の顔を描いてくれる。
「うれしいなあ」という声が聞こえてきます。一方では、
認知症の母を見舞いながら、子どもを育て、学生生活を
送る日日がやわらかいタッチで綴られます。

自分に立ち戻って生きる、それぞれの道に、人間の
「生命」を見守る感性、責任感が見えてきます。
どんなときも大切な普遍の「愛」がそこに。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ2 「初めての母の日」 ●
●         タイプ2 「四半世紀ぶり学生に」 ●
○編集後記                 ○
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「初めての母の日」

★4月22日(火)★
子どものいない私は、※里親というものをやっている。4月から始まった
NHKの朝ドラが里親を扱っているので、少し認知度が上がってきてありが
たい。里親会でも「里親登録者が増えるのでは」とひそかに期待をしていた。
テレビの力は本当にすごい。

今日は昨年夏に我が家に迎えた里子のI君が通う幼稚園で、園児のための
団体傷害保険に加入する手続きをした。園児本人の怪我や園児が他人を怪我
させたときの保険で、期間が今後1年間。保険会社に連絡すると、里親は保
護者として認められるので、加入はできるそうだ。

ただ保険金についてはひとつだけ条件がついた。入院・通院については子
ども本人にかかるお金なので問題ないが、死亡保険金だけは里親ではなく、
生みの親に払われるという。

★5月1日(木)★
先日児童相談所の人が「愛着関係を修復するプログラム」という親子で受
けるセラピーを紹介してくれた。申し込んだところ今日受講案内が届いた。
ここでいう愛着関係とは子どもと特定の養育者(普通は母親)との間に結ば
れる「基本的信頼」のこと。人はこの「基本的信頼」が基盤となって、その
後の人間関係を構築していくのだ。

里子のI君は、児童養護施設での生活が長い。施設では子ども一人一人に
担当保育士がいるが、勤務の都合で1日3回保育士が交替し、退職や人事異動
もある。なついた保育士との別れも多く、この「基本的信頼」が損なわれて
いる確率が高い。

彼を養育してそろそろ1年近くなるが、いろいろ心配なことも見えてきた。
今は幼児なので他の子どもたちとのトラブルも周囲に大目に見てもらえるが、
将来はどうなることか。このプログラムを受けてどうにか私との間に愛着関
係が定着するといいのだけれど。

★5月9日(金)★
今日里子のI君が幼稚園から帰ってくると、「はい」とプレゼントをくれ
た。みると幼稚園で作った母の日プレゼント。クレヨンで私の顔を描いて、
先生が書いた「お手伝い券」が付いている。初めての母の日。母親になると
こういう喜びもあるのだな。うれしいなあ。

同時に先日カーネーションを送った私の母からも、お礼の電話がきた。
母の日に自分がもらい、贈る立場の両方を経験できる。有難いことだ。

※里親・・・事情があって親元で暮らせない乳児院や児童養護施設の子ども
を引き取って育てる人のこと。

(お月さま)

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「四半世紀ぶり学生に」

★5月2日(金)★
今日はゴールデンウィークの中で一日だけ授業のある日。入学してから,
あっという間に5月になった。入学式では,付き添いの保護者と間違われ,
通学のバスでは,先生と間違われ,自分の無謀な挑戦を改めて認識する。

同級生は11人で,その多くがわが子達とさほど変わらない年齢だ。それ
でも,敬遠されることなく本当に自然に仲間に入れてもらって,ありがたく
て幸せな友達関係だ。

四半世紀ぶりに学生になって,科目登録や教科書の手配,オリエンテーショ
ンや授業のための教室移動など,あたふたあたふたしている私をみんなやさ
しくサポートしてくれる。おかげさんで,快調に4月を乗り超えることがで
きた。

学生生活は,社会人生活より安全で守られている感覚が強い。その分,自
分の責任でしっかりと勉強していかないといけない。勉強の合間に家事をす
るのも楽しい。本来の私,重心を自分に置くことを意識して,家事と介護と
勉強を両立させていこうと思う。「おカンに戻ってるでぇ,学生,学生」な
んて,友達に声をかけられる時は,ちょっと重心が人に移りかけているのか
な。

先々の不安は確かにあるし,自分のパーソナリティのバランスをとりなが
らの道だけれど,自分のために自分の人生を生きる,大げさかもしれないけ
れど,一年生だ。

★5月5日(月)★
今日はアルツハイマー型認知症要介護5入院中の母の誕生日だ。病院で迎
えるのは今年で2回目だ。朝からキャロットケーキを焼いて差し入れに行っ
た。

毎年,春と秋に状態が悪くなっていた母は,この春はどうやら身体機能で
はなく精神機能のダメージが大きくなったようで,こちらが話すことを理解
できない。それに加え,自分が話していることも理解できないのか,全く訳
のわからないことを流暢に話し続けている。

というわけで,「お誕生日おめでとう」と言っても,一生懸命「ハッピー
バースディ」を歌っても,大きなハテナが出ているのが目に見えるようだ。
それでも身体はとても元気で食欲もあるので,キャロットケーキは美味しそ
うに食べてくれた。

試しに「おいしい?」って聞いてみたら,なんとこっくりと頷いた。嬉し
かった。その後すぐに訳のわからない話に戻ったけれど,嬉しかった。生き
ていく上で基本的なところはまだまだしっかりしているのかもしれない。

母の訳のわからない話を聞いていると,小学生の頃の学校のイメージが浮
かんでくる。話しながら,笑ったり,怒ったりしている母に合わせて,私も
一緒に笑ってみたり,「そら,腹も立つわなぁ」なんて返事してみたら,な
んと,私の反応に合わせて話をする。

母の脳みその中はどうなっているのだろう。教科書通りには決して行かな
い,命のたくましさ,命の神秘さを感じる。サムシンググレートに支えられ
て,母は母なりのアイデンティティを持って,淡々と命を生き続けている。

(魔法使い)

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○ 編集後記 ○

100円ショップで売っていたプチトマトのセットを会社で小さな鉢に入
れて育てていたのですが、花が咲き、ついにトマトが2つできました。

プチトマトなので、小さいのですが、だんだんとトマトができる様子には、
感動しました。また、感動を味わいたく、先週は、ワイルドストロベリーを
100円ショップで買ってきました。

トマトは、まだ豆粒ほどの多きさですが、もう少し大きくなったら、食べ
ようと思っています。

★エニアグラム日記の次号は、タイプ2。5月18日配信予定です★

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(本永)
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