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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2008年4月13日 vol.196

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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4月の歓びは、桜や新計画とともにスタートします。さて、新しい上司
との関係は、どう始まったでしょうか。上司は10人十色といっても
いいでしょう。

部下がどんなに気を遣っているか、ときには考えてもらいたいものです。

ちゃんとしよう、そう考えて電車に揺られている部下への伝達方法を、
変えてみようと、上司はいつ気がつくでしょうか。

エニアグラムで心の動きをとらえる方法を学ぶ人たちの支えが、
職場の空気を変えていきそうです。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ1 「一生懸命」 ●
●         タイプ1 「情報伝達」 ●
○編集後記                ○
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「一生懸命」

★4月1日(火)★
福岡の桜は七分咲というところだが、朝晩はまだまだ寒い。新年度に入っ
て気分一新しつつも、実際は仕事に追われる毎日だ。

お風呂に入ってリラックスタイムのはずが、ふと気がつくと、頭の中は明
日の仕事のスケジュール調整で必死だ。自分でも嫌になる。私の心の叫びは
「もっと気楽に生きたい!」だ。

私は、いつも一生懸命生きようとしている。それは良いことで、大切な私
の長所だけれど、短所でもある。

私の中での一生懸命は、がむしゃらに一生懸命に生きることであり、自分
の許容範囲を超えているのも気付かない場合もある。

無理をする一生懸命ではなく、今の自分の良さをそのまま生かす、素直な
一生懸命でいられる自分でありたい。

そう思ったら、エニアグラム日記のペンネームの「ちゃんと」が急に窮屈
にかんじられてきた。

★4月5日(土)★
今日は友達と花見をした。年に数回しか集まらないメンバーだが、相変わ
らず仲がいい。年齢も性別も仕事も違うからこそ楽しさが増す。博多駅に集
合して、近くの公園まで徒歩で移動。

花見の名所では無いが、桜の美しさは変わらない。昔話や旅行の話し、脈
絡無く話題はポンポン飛び跳ね、心が跳ねる。こんな感覚久しぶりだな、と
思った。そして思い出した。「心を使わないと心が錆びついてしまう」と言
う言葉を。

ここ数年、心が錆びついていたかもしれない。理不尽な現実に強く反応す
る、自分の不満や怒りを感じないように、楽しいことまでも感じないように
なっていた。現実と感情をごちゃ混ぜにして、全てから逃げようとしていた。

現実と感情を一体として受け止めながらも、切り離して考える冷静さを持
ちたい。

気付きをくれた満開の桜と友達を思い浮かべ、今日という日に感謝した。

(ちゃんと)

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「情報伝達」

★3月31日(月)★
新たな部署の拡大・立ち上げということでこの2年間は、主任が2人置か
れていた。とうとう私一人の主任に戻される時がやってきた。これまでは何
でも話し合い、お互い持ちつ持たれつ伸び伸びと仕事をし合える良き同志で
あった。別れることは、お互いのステップアップと受け止めていた。

明日から私が1人で全てのスタッフの管理及び当院で一番ベット数の多い
ICUの部署運営をしていくことになる。主任2人で勤務をする最終日だっ
たが、異動する主任からの申し送りや業務の引継ぎに明け暮れあっという間
に1日が過ぎていった。スタッフのスキル評価や目標管理及び研修履歴の申
し送りを依頼していたが、まだ申し送れるまでに情報整理ができていないと
のことだった。

業務を引き継ぐために、異動する主任が今まで参加していた諸会議の議事
録ファイルなど「必要なものは、このファイルに全部あるのでみて下さい」
と手渡された。その中を見てびっくりした。ファイルの間には、紙が溢れん
ばかりに沢山挟まれていてファイルリングに綴じられているものと綴じられ
ず紙を挟んだままになっている。ファイルを開いても何が必要なもので何が
不必要なものか、無造作に押し込まれていて見た瞬間に見分けがつかない状
態であった。一瞬、呆然とした私の表情が伝わったのか、「なかなか整理が
できなくってねー。どっかいっちゃわないようにとりあえず挟んであるのよ」
という声が聞こえた。

これは困ったな・・・資料を整理するところから業務の引き継ぎだと私は、
そっと心の中で呟いた。異動する主任には、「大丈夫ですよ。把握するため
に中身を読まなければならないし、読みながら必要なものを整理しますか
ら・・・」と伝えた。毎日湧き上がってくる情報の内容を“保存の必要な情
報”と“その時のみの把握情報”に区分けして引き出したい時にスムーズに
引き出せるようラベルをつけ、ファイルカラーと背表紙タイトル、小見出し
で情報を分類して一定のルールに沿ってファイルを作成・整理している。私
は、このようにして可視化できるよう情報を整理しているが、異動する主任
は、自己の頭の中で情報を整理している人なのであろう。

頭に置いている情報を文章に下ろすのに時間を要しているのかなと思い、
「いろいろ大変だと思うので提出に関わる書類系のみで大丈夫です。スタッ
フのことは、関わりながら情報収集していきます。だから、週明けで大丈夫
ですよ」と異動する主任に伝えた。その声かけに「あ〜ホッとしました。31
日が来てしまってどうしようと思っていたんです。月末が近づくにつれ、引
継ぎが脅威とも思えて声かけられる度に、準備不足でびくびくしてたんです
よ。本当に申し訳ないです。毎日ここまで・・・と予定を立てるけど仕事が
伴わなくこの始末で・・・」と胸の内を話してくれた。

★4月1日(水)★
新たな上司への申し送りで午後の時間が流れた。部署の状況や今までの管
理者と行っていた業務分担について話し合いをした。しかし、本論に行き着
く前に「ちょっと待って、○○はどうしているの?」「ちょっとよく理解で
きないんだけど・・・」「○○に関しては、こうして欲しいんだけど・・・」
と質問や要望が即座に飛んできた。

私の中で“いろいろ思うことはあるかもしれないが、まずは私の情報提供
を聴いてください”と何度も心の中で呟いた。きっと否定しているつもりは
なく、いろいろ思うことを声にしてくれているだけと頭の中で一生懸命理解
しようとした。しかし、何かを説明するにも話し終えないところで遮られて
しまうと意図や考えが伝えきれない葛藤がこみ上げてきて「この部署では、
・・・」と口ずさんでしまう自分自身にやや苛立ちを覚えた。

なぜなら、部署の現状(人・物・システム・役割)を申し送っているはず
なのに相手の発言に対していつの間にか自己の考えや主張をしている自分に
気づきがっかりした。前任者とは異なるアグレッシブな発言や自らの経験知
を引き合いに評価的に私の話を聴く相手の態度や言動に大きく揺さぶられて
いる自分にハッとした。

いつの間にか、双方の管理者としての考えや価値観のディスカッションに
発展し、あっという間に時間が経過してしまった。部署の申し送りの続きは、
明日へ繰越しとなった。

聴こうとする姿勢は、感じられるのに肯定されている感がなく何でこんな
に構えて否定的な(分かってもらえてないと感じる)感情が湧いてくるの
か・・・電車に揺られながら帰宅途中ずっと考えていた。

なんだかスッキリしない消化不良な気持ちを抱えたまま、明日を迎えられ
ない。今日の繰り返しになってしまうから。

なぜ、話している途中で葛藤が生したのか・・・。

それは、理解されたと感じていない相手から出てきた言葉の中に私が、
評価的な発言や要望と捉えた内容から生じてきた感情があることに気づいた。
状況の把握や理解されていない人に評価されたくないという思いがあるから。
それなら、新上司の言葉を助言として受け止めれば良いのだ。そうしたら、
お互い無条件に感じていた静かな心の摩擦を減らせたのに・・・と少々後悔
した。

消化不良の思いから一気に開放され、明日を迎えられる心の準備ができた。
明日は、新上司の色々な考えや思いを聞かせてくださいという姿勢で話を聞
いてから部署の現状を伝えよう。とっても疲れた一日だった。

(つくし)

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○ 編集後記 ○

『人生を変えた5つのメール』という本を執筆したと、私の知人の
濱田さんから出版した本が送れてきました。普通のビジネスマンが、不思議
なメールのやりとりをしながら成長のヒントを得ていくというとても面白い
内容でした。

毎月配信しているこのメルマガの日記で、自分の性格により気がついたり、
人は違うんだなぁということを知ったりしていただきながら、みなさまの人
生を豊かにするヒントになれば幸いです。

★エニアグラム日記の次号は、タイプ2。5月18日配信予定です★

☆ エニアグラム日記は、第二日曜配信 ☆
☆ 最終週は、連載企画を配信 ☆
☆ 相互紹介、随時受付中 ☆
(本永)
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