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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2007年10月21日 vol.176

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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アフリカのルワンダで目にしてきたことの衝撃の報告です。
あまりにひどい現実を見るとき、人間は言葉を失います。
心身ともにどこもかしこも力は虚脱したままです。
感受性が強ければなお、魂までが泣くような日々を送ってしまうのです。

性格を知っていれば、病むことはありません。
再生へ向かうために自然や次にやってくる命が私たちをなぐさめてくれます。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ4 「Re + Creation(再生)」●
●         タイプ4 「あかちゃんを待つ日」  ●
○編集後記                      ○
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「Re + Creation(再生)」

★9月3日(月)★
「・・・・・・・・・」。
誰も一言も発することができなかった。
アフリカ・ルワンダ南西部、ギコンゴロ郊外ムランビの虐殺跡。ここでは
1994年4月に5万人が惨殺された。虐殺が行われたテクニカルスクールの教室
は当時のままに保存してある。犠牲者のうち4万5千人が埋葬され、残りの
5千人は石灰を掛けられて殺されたままの姿で保存(!)してある。

虚空を掴む腕。苦悶を浮かべたままの顔。一つの部屋には虐殺された赤ん
坊の遺体だけがびっしりと保管してある。犠牲者の叫びがそのまま凍ったよ
うな部屋と臭気に、学生も私も16名のメンバーの誰も声が出ない。

ルワンダでは94年4月から6月までの間、約780万人(推定)の国民のうち
少なくとも80万人が殺された。少数民族のツチ族に対して多数派のフツ族が
しかけたというのがそのシナリオだが、虐殺を周到に計画したルワンダ国内
の政治グループの存在や、知っていながらそれを見過ごした国際社会の複雑
な動きもあり、原因を断定することは難しい。

私のゼミのテーマは国際政治。常に伝えているのは「現実を見よう」とい
うことだ。政治は理想を実現するためにあるが、現実に立脚しない理想は時
に大きな悲劇さえ生む。どんなにつらくてもしっかりと現実を見据えるとき、
はじめて理想に向かって一歩をすすめることができる。その意味で、アフリ
カは悲しいまでに偉大な教科書だ。ゼミの学生と訪れるようになって3年に
なる。

ルワンダの首都・キガリ郊外のニャマタ教会では1万人が殺された。ルワ
ンダでは約6割がカトリック・3割以上がプロテスタント他など、国民の9割
以上がクリスチャンである。カトリック教会に逃げ込んだ人々は、マチェット
と呼ばれる鎌や、銃、手榴弾、棍棒、鉄の矢などあらゆる道具で惨殺された。

数少ない生き残りのセラフィーナさんの案内で訪れた大聖堂では、血の跡
が祭壇や天井にまで飛び散っている。壁には微笑を浮かべた美しい聖母マリ
アの像。その日、マリア様はどんな気持ちで目の前の殺戮をご覧になってい
たのだろうか。

★9月7日(金)★
アフリカより帰国。体重が出発前に比べて3キロ落ちている。

★9月14日(金)★
ルワンダから帰国して1週間。肉体的・精神的に疲れが取れないままだった。
特に病気だとか、悪いものに当たったとも思えない。

死者の霊だとかそういったものは信じないほうだが、何かに取り憑かれた
のかな、とふと思う。アフリカに300回以上取材に行き、多くの紛争や戦場を
取材してきた知人のジャーナリストのことを思い出した。

彼は、悲惨な戦場や貧困の現場ばかり見ていると、精神が病んでくるのだ
という。そんな時に彼が行くのは、高尾山など昔から精神的に清浄とされて
いる土地。しばらくその「気」の中でぼーっとするのだと。

「まともな神経を持っている人間なら、悲惨な現場や多くの死を見てきた
ら、心が傷つくのはあたりまえじゃないですか。日本人はリクリエーション
とは単なる休養だと思っているけれど、本当の意味は文字通り
Re(再び)+Creation(創造する)、つまり「再生」なんです。

殺し殺される現場から離れて、再生することが人間にはどうしても必要な
んですよ。欧米のNGOのスタッフは、アフリカなどの援助現場で6週間働
いたら1週間は強制的に国外に出てリゾートで過ごす。それを日本人はドラ
イだとか優雅だとかいうけれど、精神論だけでは心も体も持たないことを彼
らは知っているのです」

ああ、このことかと思う。ルワンダの現場から帰ってきて、彼の言葉を実
感した。多くの無念の死を短期間に見て、心も体も病んでいたのだと気づい
たら何かがストンと落ちた。
(ちゃんぽん)

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「あかちゃんを待つ日」

★10月3日(水)★
あかちゃんは毎日おなかのなかでせっせと遊んでいる。
狭いスペースで何をしているのだろうか。エンピツと紙くらい渡してあげ
たいと思うが、赤ちゃんとして産まれてくる準備で忙しいにちがいない。

ほんとうにふしぎな気持ちになる。私が毎日を必死で送っているあいだに、
神様が赤ちゃんを成長させてくださっている。私たちは気づかないうちに、
生まれてからずっと、いろんな温かい心に囲まれてきたと思うと、ほんとう
にしあわせな気持ちになる。

★10月4日(木)★
今日は子ども2人がいる友人のところへ遊びに行った。仕事をしていると
きにはなかなか時間が作れなかったが、産前休暇に入ったので久し振りに会
いに行くことにした。いろんな会話の後、その友人が長女のことを相談して
きた。

「この子、家に帰ってきても塗り絵ばかりしているの。自分みたいに根暗
になるんじゃないかと心配で・・・」その日も幼稚園からきたくしてしばら
くすると塗り絵をしていた。

私は友人の心配事に逆に驚いてしまった。だって、塗り絵をするって素敵
なことだし、その友人だって決して根暗ではない。

「他の子と比べると心配もあるかもしれないけれど、個性なんじゃない?」
そして私の例を付け加えた。
「私なんか、体操服を脱ぎかけて、首のところまでたくし上げたまま、元
の洋服を着て帰宅したものだから、母はそれこそ頭を抱えたらしいよ」

ひとと違うところや、少しおかしいようなエピソードを私のように誇らし
げに語る人もいるんだし、心配することなんかひとつも無いと心でつぶやい
た。

★10月6日(土)★
出産前に髪を切っておこうと思い、美容室へ出かけた。
そこはスタッフが2名のコジンマリとしたお店。一人がアシスタントである。
予約しておいた時間に遅れること数分、ようやく店に着いた。

2人はいつもどおり笑顔で迎えてくれた。
丁寧に髪を洗った後、カットをする。
カット担当の30代後半の男性はいつものように観葉植物のような心地よ
さを携えて声をかけてくれる。

「体はつらくありませんか。」「これからは美容室に頻繁に来れなくなる
ので、手入れしやすい髪型にしておきます」

今日で来店2回目なのだが、何の不安もこちらに抱かせないのは、同じタ
イプだからだろうか。
「はい、お願いします」
その後は一言、二言しか発せず、シャカシャカと髪を切ってくれた。

「前髪は邪魔にならない程度に切っておきましたから」
その発言も他の人なら、切る前に一言断わってからにしてほしいと思うだ
ろうが、この人だと許してしまう。いや、それが最善の方法だと思わされて
しまう。

以前は、整体師のように首をぐいっとあちらに回したり、こっちを向いて
いてと命令口調で言われるような美容室に行っていたが、今日は自分が安心
していられるようなところで、髪も心もさっぱりできてよかったと思った。

(さくら)

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○ 編集後記 ○

先月、携帯電話を新しい機種にしたのですが、いきなり先日動かなくなり
ました。不良品だったのかと思ったのですが、私の操作ミスのようで、
電源を入れなおしたら直りました。まだまだ使いこなせていません。

10月に続き、11月にも特別ワークが開催されます。
タイトルは 「 出会いと発見のための 演劇ワークショップ 」です。
詳細は、
↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓
http://www.enneagram.ne.jp/ws-annai/5-special3.htm

みなさまのご参加をお待ちしています。

★ 相互紹介、随時受付中 ★

☆ 毎週日曜日配信 ☆
最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
(本永)
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