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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2007年9月23日 vol.172

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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ものを片付けるには、まず基準をつくり分類します。
よく使うもの、利用頻度の少ないもの、長く使用しないものなどと。
心の中にも、片付けられない思いがあります。
「やりきれない気持ち」になったとき、どう分類すれば、すっきりする
でしょうか。

上司に教えられ、褒められた部下は工夫してモノを片付けていきます。
心配、不安、つらい思いも人に話してみれば、思いのほか軽い気分になっ
てくるかもしれません。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ1 「私のなかの会話」 ●
●         タイプ1 「整理整頓」    ●
○編集後記                    ○
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「私のなかの会話」

★9月6日(木)★
会社でショックなことがあった。先輩が他の人のミスを、あたかも私のミ
スのように上司に報告したのだ。報告の場に居合わせながら「前任者のミス
です(=前任者の管理責任者でもある先輩のミスともなる)」ともいえずに、
黙って聞いていた。

心の中では、タイミングがあれば前任者のミスであることを、やんわりと
上司に伝えられないか、と思っていたがチャンスはなかった。

やりきれない気持ちで残りの勤務時間を終え、帰りの道すがらそのことを
思い出した。思い出すと言うより、心の中にあるやりきれない気持ちを、も
う一度強く味わってみたのだ。自分の気持ちだけに注視すると腹立たしさで
涙が出そうになる。

自分がミスしたと思われることにより、信頼されなくなるのではないかと
いう心配と悔しさ。正確な情報を報告しない先輩への腹立たしさ。そして、
今不満を思うなら、何故その場で「前任者のミスです」とはっきり言わなかっ
たのかという自分への後悔。

そして、今度は先輩の気持ちを想像してみた。前任者が異動でいないため
一人でミスを背負わなければならない不安、腹立たしさ。今、先輩は私に責
任転嫁してしまったことを後悔しているのだろうか、と。

行き当たった私の結論は、先輩がどう感じていようと、そういう状況を受
け入れた自分の責任なのだ、ということ。本当に嫌だったら、明日にでも上
司に言いに行けばいいのだ。でも、そこまではする気は無い。で、あれば状
況を受け入れるしかないのだ。自己責任なのだ。

自分自身がどう動くかは、自分で決めることができる。決めるにあたって
は、先輩と今後の業務上での係りや、事実を伝えることが私の中では「自分
は悪くない」と保身に走るように感じられる。上司に事実を伝えたとしても、
きっと私はすっきりした気持ちになれないだろう、という自分自身のなかで
の心の経過があった。

これでいいのだ。今は上司からの信頼を失ったとしても、今後の私を見て
上司が私の中に何かを見つけるかもしれないし、見つけないかもしれない。
それでも、私が私でありさえすればいいのだと思った。

★9月10日(月)★
久しぶりに髪の毛を切りに美容院に行った。私は自慢ではないが、美容院
に行くのが好きではない。何故ならば、気をつかうからだ。美容師さんと話
しをした方がいいかなとか、切ってもらいながらも本を読むのも邪魔になら
ないかなと、気を使うのだ。できれば、美容院を変えたくないのだけれど、
通いつけていた店の美容師さんが辞めてしまい、新たなところに行かざるを
えなくなったのだ。

どきどきしながらお店に入って、どのようにしたいか希望を伝えた。お店
の人と相談をしながら、スタイルを決めて、いざカット。本を読みながら、
ときどき鏡で確認。そして、そろそろ終わりかな〜と思いながら様子を見て
いると、カットする手は止まらない。どんどん短くなる私の髪。どこまで、
切るのかなぁっと少し不安を感じながら、私の中での会話が始まる。「思っ
ていたよりも短い。肩くらいまでしか切らないと言っていたのに。。。」

「ここでカットを止めると中途半端な髪型になるかも。。。」暫く心の中で
の会話が続く。しかし、心の中のどこかで最初からわかっているのだ。私は、
お店の人には何も言えない。だから、腹をいつくくるか自分で決めるだけだ。
だって、「結果オーライ」ということも、あるのだから。

これがもし、私にとってとても大切なことであれば、きっと相手の方に
「この人、変な人だな」と思われたとしても、思ったことを口にしているだ
ろう。しかし、髪型のことで要望を言ったことで「変な人」扱いされたくな
い、と思う私がいる。

また、私にとって「要望を伝えること」=「文句を言う」という図式にな
る。なので、文句を言う私でありたくないがために口をつぐむ。要望と文句
を自分自身が冷静に判断することができれば、きっと楽になるのかもしれな
いと思った。

自分自身の中で沢山会話した結果は、はなまるでした。

(ちゃんと)

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「整理整頓」

★9月8日(日)★
今日は、朝早くから妹の家に大掃除の手伝いのため出かけた。妹に聞きな
がら捨てるものととっておくものの取捨選択を行った。しかし、妹の基準で
物を整理していくと整理にならない・・・と思った。なぜなら、「もしかし
たら使うかもしれないからとっておく」という返答がほとんどだった

私は、「常に使っているもの、使用しているが利用頻度が年に数回と少な
いもの、1年以上使用していないものの3つに分けよう」と提案し、押入れ
及びクローゼットの中に収納されていたものを全て分類した。

1年以上使用していないものに関して、絶対に捨てられないものと今後使
う予定がなさそうなものに分別し、後者を全て捨てた。躊躇なくさっさと捨
てる私の行動を見て「え〜これも捨てちゃうの・・・ちょっと待って、ちょっ
と待って・・・」と時々私の手を妹が静止する。ややふてくされ気味で若干
不機嫌な妹の様子が伝わってきた。

収納する段階になった時、押入れの寸法を測り、「この高さに棚を置いて
引き出しや収納箱を活用すると物が取りやすくなるんじゃないかしら・・・」
と紙にイメージした収納図を描き、分類した物の収納位置を妹に説明した。

利便性と無駄のない効率的な物の収納と整頓を考えて私は“整理整頓”と
思っている。そこで、ホームセンターに行き、私の指示のもと必要なものを
購入して収納をした。

掃除をしながら妹と私の間に“整理”に対して捉え方が違っていることに
気づいた。私は、“整理=捨てるものが沢山出て当然”と思っている。しか
し、妹は“整理=捨てるのではなく収納し直す”という感覚で掃除をしてい
た。

掃除途中で姉妹間の遠慮のない些細な言い合いの中から、物に対しての愛
着や価値観の差を感じ、なかなか物が捨てられない妹の心境が理解できた。
妹にとっては思い切った整理であったが、ひと部屋分の押入れが空く結果と
なった。帰る私に「こんなに空くスペースができると思わなかった。お姉ちゃ
んみたいに割り切って物が捨てられない。一緒に手伝ってくれてありがとう。
時には、思い切って捨てることをしないと整理にならないね」とにっこり笑
顔で送ってくれた。

私のやり方を押し付けてしまったかなぁ〜とちょっと気になっていたので、
妹に肯定されホッとした思いで家に帰った。

★9月9日(月)★
昨晩は疲労のため早くベッドに入ったため、朝4:30に目覚めてしまった。
朝、起きると両腕と太ももに筋肉痛を感じた。筋肉痛は、動いて治すものと
出勤前の早朝に庭の芝刈りを行った。

朝露できらきら光る伸びた芝生の中から飛び出してくるチビバッタ・・・、
虫にとっては草むらの静寂な朝をかき乱してしまったようだ。虫には、申し
訳ないが、私は澄んだ空気に触れ爽やかでとても清々しい心地よさに満たさ
れた朝であった。

出勤すると、2人のスタッフが声をかけてきた。一人は、「主任さん、こ
れ見てください」と処置をする時に使用する包交車を引きながらやってきた。

この間、こんな風に整理整頓を考えていますと図式化したものを見せても
らったスタッフだった。不要なものや利用頻度の低いものが排除され、よく
整理されていた。しかし、滅菌物が箱の中に寝かされ、上から取る収納になっ
ていた。きっと補充は、上からされるだろう。その際、全部中身を出して期
限が長いものを一番下に入れなければならないけど、皆が確実にその作業を
できるかなぁ・・・と問いかけ検討するよう課題を出していた。

そのスタッフは、小さな段ボール箱を創作し、滅菌物の収納をたて収納に
変更し倒れないよう間仕切りをして、手前に滅菌期限の短いものが並び、手
前からとるルールをテプラ文字でボックスに貼り付けてあり、補充は必ず後
ろから足していく。もう一つの箱は、下に穴を開けてまるでジュースの販売
機のように下から物が取れるようにしてあった。

私は、「素晴らしい。すごいね!きれいに整理整頓がされたね」と声をか
けそのスタッフの労をねぎらい褒めた。とっても満足のいく収納と整理がさ
れていた。

もう一人のスタッフは、包交車の整理をしているそのスタッフの行動を見
て、何か自分もしようと思い部署の本棚を参考図書と院内発信のマニュアル
や係りのファイル等を区別し整列し直したことを伝えてくれた。

古いものや破棄する図書やファイルはなさそうだった?とたずねると「み
んなに聞いてみないと判断できないので・・・並び方を整理したんです」と
のことだった。私は、「きれいに整理してくれたね。とりやすくなった」と
声をかけた。きっと昨日の妹とのやり取りがなければ、せっかく分類し、整
理したんだから古いものや破棄したらよさそうな図書やファイルをピックアッ
プすればよかったのに・・・と言うことを口ずさんでしまっただろう。

内心では思ったが、心にしまいスタッフの自発的な行動を褒めることにし
た。

昨日、“整理”の捉え方のズレを妹から学んだことからストレートに反応
を出さず、相手のありのままの思いや心を受け取ることができた。今日の2
人のスタッフの行動といい“整理”という捉え方ひとつをとってもその捉え
方で行動が変容してくる。いろいろな“整理”があるなぁと実感させられた。

私自身のんびりしているつもりだが、助言のつもりで一言でてしまうなど
意外と内心がせっかちなのだ。しかし、瞬時に反応する内面の言葉を時と場
合に応じて、出さずにしまう。こんな風にして私の満足ではなく、少しずつ
相手の満足を一緒に分かち合うこと、行動をありのまま受け入れる気長さ、
知ろうとする間の大切さを教えられたエピソードだった。

(つくし)

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○ 編集後記 ○

先週のプライマリー集中コースには、たくさんのご参加をいただきました。
ありがとうございました。

次回のはじめての方にも参加いただける、プライマリーコースは、
10月27・28日です。

紹介は、こちら
↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓
http://www.enneagram.ne.jp/ws-annai

みなさまのご参加をお待ちしています。

なお、年間のスケジュールは、こちらのページからPDFファイルでダウン
ロードいただけます。

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☆ 毎週日曜日配信 ☆
最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
(本永)
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