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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2007年7月8日 vol.161

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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人間はやさしい。たとえ手ごたえがないときでも、愛情に代わりは
ありません。ときに子どもは、慣れた生活の場へ「帰りたい」と泣き、
言葉を失った母は、黙っているだけです。

それでも、あなたを見守り、寄り添って生きる、と覚悟する人たちの
日々の記録です。

人の存在をささえるのは、知性であり勇気でしょう。自らを省みながら
書かれたものは、胸にせまります。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ2 「なかなか手放せない」  ●
●         タイプ2 「そうだったらいいのに」 ●
○編集後記                    ○
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「なかなか手放せない」

★6月27日(水)★
私はファイナンシャルプランナーの資格を持っている。以前その道に進も
うかなと思って取得した資格だ。まもなく自分には向かないとわかり、あき
らめた。だが資格だけはせっかく取ったのだからと、2年に一度の更新を続
けている。

今回3度目の更新を迎えるのだが、だんだん更新のための講習費用と時間
にかなりの負担を感じてきた。私が今後ファイナンシャルプランナーの仕事
につくことはないだろう。金融関係の勉強と思って続けてもいいのだが、講
習のほかに日本ファイナンシャルプランナー協会への登録料もある。定期的
に送られてくる機関紙も今ではほとんど読んでいない。資格の維持のためだ
けにこの労力が必要だろうか。

私はいつも人や出来事をすっきりと「手放す」ことができない。もういい
加減、離れなければいけないときでも、ついつい執着してしまうのだ。今回
もそう。せっかく取った資格を手放すのに躊躇している。「後で役立つのでは」
→「人から必要とされるのでは」という気持ちにいきつく。馬鹿だなあと思
うけど仕方がない。とりあえず今回は安くて簡単な通信教育の講習を見つけ
たので、それで更新することにした。
でも今度の更新で最後にしよう。不要なものはどんなに惜しくても捨てる。
そうしないと私には本当に大切なものが見えてこないだから。

★6月30日(土)★
子どものいない私は、※里親というものをやっている。前回の日記ではこ
れから里子になる予定の4歳のI君と交流している様子を紹介した。その後、
多少の紆余曲折はあったものの順調に交流は進んでいる。彼の幼稚園が夏休
みになる7月後半に入ったら、いよいよ我が家に連れてきて一緒に住む予定
だ。片道1時間半かかる児童養護施設へ通うのも、あと少しで終わると思う
とほっとする。

I君は先月末から週末を利用して、我が家への滞在を増やしている。2週間
前に初めてうちに泊まりにきて、今日は2回目の宿泊。出発前に「行きたく
ない」と言い出したり、うちに着いてからも「晩御飯食べたら施設に戻りた
い」「明日は早く帰りたい」と何度も「帰りたい」を繰り返し、私たち夫婦
ではなく「施設の保育士さんのほうがいい」と泣き出す場面もあった。

こちらもつらいが、幼い子がたった一人で他人の家に来ると思えば無理も
ない。この間ベテランの里親さんから「最初の半年が一番大変だ」と聞かさ
れた。しばらく大変な日々が続きそうだ。

※里親・・・事情があって親元で暮らせない乳児院や児童養護施設の子ども
を引き取って育てる人のこと。
(お月さま)

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「そうだったらいいのに」

★6月18日(月)★
アルツハイマー型認知症要介護4入院中の母は、これまで毎年春と秋に大
きく症状が進んできた。だから、今年の春も症状が進行するであろうことは
予測はしていた。が、身体機能が大きく衰え命の火が小さくなってしまった
ように思える母を見るのは辛い。

あれだけ毎日徘徊しているにもかかわらず、筋力が落ち自分の身体を支え
るのに、全身の力を振り絞っているように見える。お風呂に入れてもらった
ら、疲れて寝てしまう。食欲もまた落ちてきた。

言葉による意思の疎通ができなくなってしまった母に、「病気になんかに
負けたらあかん」なんていう励ましも、ただ空しいだけの言葉になり、小さ
くなってしまった命の火を見つめながらそっと母の心に寄り添うことしかで
きない。

会話が成り立たないのは承知で、私は誰にも言えない悩みを母に打ち明け
てみた。空を見つめる母の目は弱々しいけれど、「せんとあかんよ」「言う
といてや」と指示するような返事をしてくれる。内容は良く分からないけれ
ど、母らしい返事だ。元気な頃の母は心の深いところでは健在なのかもしれ
ない。

介護家族は大切な家族を喪失するという悲しみを日々経験しながら、その
家族システムの機能を維持するために様々な葛藤を抱える。介護家族が健全
に機能してこそ、被介護者に適切な介護ができる。今本当に必要とされてい
るのは、介護者要因を軽視し、寝たきり度やADL(日常生活自立度)中心
の被介護者要因のみで判定された要介護度による被介護者だけのケアではな
く、被介護者を含む介護家族全体のエンパワーメントではないだろうか。

「私にはしないといけないことがある」そんな思いがこみ上げてくる。

★6月21日(木)★
そうだったらいいのにな(井出隆夫作詞,福田和禾子作曲)という童謡がある。

ママがこどもに なっちゃって かわりにわたしが おかあさん
そうだったらいいのにな そうだったらいいのにな

この童謡の「そうだったらいいのにな」が現実になったようなことが親子
三世代で起きている。私と母の間では完全に「ママがこどもになっちゃて」
いる。持ち物すべてに名前を書いたり、オムツの心配をしたり、おままごと
のような日常を一緒に過したり、私の子どもが小さかった頃と同じことを私
はしている。

娘と一緒にレンタルビデオ屋さんへ行った時、道すがら娘が「どう?今日
は何かいいことあった?」と、私に尋ねた。私はなんだか子どものような気
持ちになった。いつの間にか、家族がどう一日を過したのか気遣いいたわれ
るほど成長している。その後、娘は原作を映画化することの難しさについて
自分の考えを話してくれた。とてもしっかりとした考えを持っている。

息子は具体的に将来の進路を決めていかないといけない時期。勉強や進路
の話をする時、なんだか同年代の仲間のような錯覚に陥る。「僕はこうしたい。」
と、自分がどうしたいのか、何故そうしたいのかをはっきりと私に伝える。
読んで面白かった本を貸してくれたり、私の持っている参考書を借りたいと
言ってきたり、頼もしくなる。

「ママがこどもになっちゃて」と言うより、子ども達がすっかり大人になっ
たんだ。ぼちぼちお母さんもリタイアかな。嬉しくてちょっと寂しい。

(魔法使い)

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○ 編集後記 ○

もう7月も2週目ですね。
そして、来月は8月、お盆の休みもありますね。

当学会では、その時期  8月11日(土)−12日(日) に、
はじめての方でも参加できる プライマリーコースを開催します。

みなさまのご参加をお待ちしています。

詳細
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http://www.enneagram.ne.jp/ws-annai/1-primary2.htm

★ 相互紹介、随時受付中 ★

☆ 毎週日曜日配信 ☆
最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
(本永)
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