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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会    2004年12月25日 日常編 vol.8

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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本メールマガジンは、エニアグラムの智慧を日常で活かすヒントになればと、
日常の視点からエニアグラムを紹介することを目的としています。みなさまの
人間関係がより豊かに、満たされるように、応援させていただきたいとねがっ
ています。

「自分の感じ方と同じ!」、「ほかのタイプへの理解が深まった!」、「自
分を知るヒントになった!」、「自分の内面の動きに目を向けられるようになっ
た!」などなどと好評を得ていた、「日記」を毎月のメルマガとは別に発行さ
せていただくこととなりました。

毎月のメルマガは、毎月末発行の予定です。

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■目次■

1.「エニアグラム日記 タイプ4」
2.編集後記
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■1.『いま、ここから 日誌(歌声のなかで)』■

今回も執筆者は、タイプ4です。

タイプ4の人は、人生に感動を求め、自分の感情をゆっくり味わおうとしま
す。人一倍傷つきやすく、メランコリックなところがあります。ナイーブな感
受性の持ち主です。自分のなかに引きこもりやすく、きわめて個人的で内面的
な世界に生きています。自分の内面にある世界を自分なりの仕方で表現したい
という欲求を強くもっています。

★12月19日(日)★
人生には何度か、ここから出発という日がある。朝起きたとき、きょうは何
人かの人が、その日にあたるのだと思った。日本エニアグラム学会は、きょう
一日で三つの行事を行うのだから、忙しい。小さな事務局も、さぞてんてこ舞
いだったろう。三つの会で、短い聞き取り、小さな話、喜びを伝える、これら
の役目がまわってきた。

すべてのことは必要があって行われ、これから未来に向かって展開していく
にちがいない。この群れにいる嬉しさが、三つ目の会の忘年会にあふれていた。
グラスを近づけ「これから」を語りあう若い人たちの明日の夢が、それが結実
する日がくるだろう。ここではまた、こころの内を、内面を語るのが、ふつう
のこととしてつづく。

ある人が「二十年間、家族への聴き方を間違えてきたと気がついた」「古本
屋で見つけた本に、自分探しを案内された」と話せば、それにも、耳を傾ける。
深くとどくものを感じながら、そのときに私は何かを学んでいた。仕事で出席
できなかった人のことも考えながら。

★12月20日(月)★
渋谷から病院行きのバスのなかで耳に入ったままの会話。
「あっ薬忘れた、目薬も。あんた持ってきてくれる。茶ダンスの下から二つ目
の引き出しのとこに、メモ張があそこにはさんである。それも、もってきて」
「目薬どこだって」
「目薬は電話のところ」
「なんだって」
「茶ダンスの引き出しに二つ薬袋が入っているから、二つ並んで入っているか
ら、上のだけ持ってきて。夜飲む薬がないんだから」
男は黙った。
「メモ張の三角のクリップも、いっしょにね」思い出していっている。
「薬と目薬、いちばん大事なの」
とまた女はいった。これから入院だなとわかる。大きなバッグを二つも男は
膝にのせている。女が忘れたというたびに、男が「持ってくるから」といって
いる。
「もう一度、来てくれる?」「うん」
聞いている私は泣けてきそうだ。気持ちを抑えた男はつらそうだが、甘える
女をうけとめている。初老の夫婦の、ひとときのしあわせと不安をバスは乗せ
て走る。ほかの乗客も、小さなしあわせと心配を抱えて黙る。そのなかに私も
いる。

★12月21日(火)★
十時にユウコさんがやってきて、月に一度のふたり読書会。いまはパウロの
書簡を輪読している。ミッションスクールへ通う子どもの話題から、ぽつぽつ
と自身の内面への問いかけが言葉になって、私にむけられた。問いは自分で持
ちつづけるのがいいとすすめ、書簡集から読みましょうかと始めたのである。

雑談のなかで、突然「勤めていたとき、メディテーションの場所を確保して
と、外国のお客さま夫妻にいわれたのですが、いまふと思い出して」(元秘書
をしていた)と話が飛ぶ。こう飛躍するのはわかる。ユウコさんは、私と同じ
性格なのだと、あらためて笑う。その夫妻の気持ちを、ここで味わいましょう
か。二人で、短い瞑想をする。

「瞑想はじめてなんです。きれいな雲が、やがて小鳥が羽をいっぱいにあげ
て、ひらひらと飛んでいき、とてもきれいでした。もっと雑念のなかにいるか
と思ったのに」
静かに目を開いて、遠くを見ている。ぼんやりと私も見ている。

午後は仕事、あまりはかどらない。夜の書斎は年賀状工場に変化した。バッ
クグランドミュージックに本田路津子のクリスマス・キャロルをながしつづけ
た。しあわせな気分になった。

★12月22日(水)★
午前中はアンドレア・ボチェッリのCDをかけつづける。グノーやモーツア
ルトのアヴェ・マリアを聴きながら仕事をする。この人の祈りの歌を聴くと、
どうしても生き方と重なって涙が落ちそうになる。盲目の歌手に、目に不自由
のない私が励まされている。そのことを考えてみる。

夜遅く仙台へ向かう。新幹線の車中で『夜のピクニック』(恩田陸)を読む。
歩きながら、タケダさんから聞いた読後の感想が、いまもこころに残っていて
入手した。読んでいて、須賀敦子のエッセイで、パリから巡礼に加わって真夜
中に歩きだす大学生の群れを描いた作品があったと思い出していた。こうして、
読んだ本が重なることはよくある。夜の車窓は黒いベールをおろしているが、
私のなかでは、フランスと日本の学生たちが、にぎやかに未来に向かって歩く
足音が聞こえる。

★12月23日(木)★
仙台の朝はいま、ひらひらと雪が落ちている。テーブルに資料を広げて、久
恒啓一さんと腰をすえた打ち合わせに入る。二十五年前に勉強会で会い、いら
いエニアグラムの合宿なんかでも笑い合い、この二年は仕事の仲間に加えても
らった。

話題は大仏次郎賞のこと「折々のうた」にのった母上の短歌の話にいたり、
もちろん打ち合わせも順調に進んだ。何回か「自分の内から出てくるもの」と
いう言葉が、ふたりの間を行き来する。性格を知りあっているので言葉の奥に
あるものも分かり、話を掘っていくおもしろさがある。いま人生の目標をどの
あたりにおいているのか、ざっくばらんに話あうのは、年の瀬らしいねといえ
るかもしれない。先はどうなるか、わからない楽しみがあるという人生観は、
前向きですね。たしか「前に向く、それしきゃないでしょ」と聴いたな。

それにしても「自分のイメージを拡大するだけでは失敗する」そういう意味
で、みんなで何かをやるのはいいですね。元気がでて、ひらめきやアイデアま
で呼び起こす人。こういう人を動機づける人というのですね。
2月19日の久恒さんの図解のワークショップについても話す。みんな来て
ね。

★12月24日(金)★
朝の九時過ぎに電話口で「○○ちゃあん?」と呼んでいるのは、誰だろう。
「こちら夕方の五時半」日中はショートパンツで過ごすといっている。
「いまアリゾナなの、シャイアンから引っ越してきてね」「セレナ奈緒代さ
んね」夫の小学校のときの友達で国際結婚している人だが、夫は不在だ。そん
な伝達はものともせず、始まった。日本語おしゃべりシャワータイムといった
感じで30分以上つづく。話すときも熱中し、楽しくてたまらない生活報告、
旅のおもしろ報告。頭はよく回転している。

一度うちへきて、一升瓶をそばにおき「あなた、お酌なんかしてはダメよ」
と、姪にいった人だ。男にかしづくのが幸せの道だなんて覚えないでと。人間
教育、礼儀にうるさい。シャイアンでは何人も日本人学生を預かりつづけた。
いまも怒っている、いやあきれている。

「前に預かった男の子は帰ったきり音沙汰なしで、十年目に母親から手紙が
きて、娘がうつ病になったので、預かってくれないかといってきたのよ。大人
もおかしくない?」
みんな礼状をださないらしい。「日本人はどうなっているの?」と、いつも、
なんどもいっている。それは怒りたくなるだろうな。ごめんね。

フェニックスは11月から3月が暑くなく寒くなくいいらしい。地震も、ハ
リケーンも竜巻も吹雪もない所を老後の住処にと選び「いらっしゃいよ」だっ
て。退役軍人の妻は、年に二度の海外旅行を楽しんで、いいな。
こちらはずっと、大好きな書く仕事。担当のノブアキさん航空券がとれたそ
う。故郷の北海道で、雪おろしとか。行ってらっしゃい。
(ふつうじん)

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-お願い-
日記の中に、自分とは違うタイプの人の話が出てくることがあります。それ
は、書いている人が、そのように見ているだけと思って読んでいただければと
思っています。本当にその性格タイプなのかどうかは、本人にしか分からない
ものなのです。

エニアグラムでは、「人の性格は行動だけを見ていては分からない。そのよ
うに行動するのはなぜかという、動機に違いがある」と考えます。有名人にし
ても、身の回りにいる親しい人にしても、心の奥深くにある動機は本人でなけ
れば分かりません。いいえ、本人さえ気がつかないことが多いのです。なぜ自
分はいつもこんなことをするのだろうと、自分の心をのぞいてみないことには。

まして、他の人に心の奥が分かる筈がありません。推測しているだけです。
ただ、こういうことは言えます。エニアグラムの勉強を続け、自分の心の動き
が分かってくると、そして、9つのタイプの人それぞれから、心の動きを聞か
せてもらう経験を積んでくると、表にあらわれた行動から推しはかって、タイ
プの特徴を読み取ることができるようになります。

どういうところから、そのタイプと考えるのかという、ひとつのヒント、書
いている人の見方を示すことはできます。ですから、他の人のタイプに言及し
ている文章を読む時は、それがそのまま当人のタイプであるとは思わないでく
ださい。そういう見方もあるという参考にしていただくよう、お願いいたしま
す。

○各タイプの詳細は、http://www.enneagram.ne.jp/index.htm ○
●学会のホームページで、自分のタイプもチェックできます●

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■2.編集後記■

先日の新聞で、初詣では人出の予想が9090万人と出ていました。
一番は、明治神宮(東京)290万人、次が成田山新勝寺(千葉)260万人、
伏見稲荷大社(京都)260万人だそうです。
行楽地では、東京ディズニーリゾート(千葉)が35万9000人、ユニバー
サルスタジオジャパン(12万3000人)だそうです。
お気をつけてお出かけください。

それでは、良いお年を。

ワークショップ参加などのご質問は、info@enneagram.ne.jp
メルマガへのコメントなどは、npo_jea@yahoo.co.jp へお願いします。
(本永)
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