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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会    2004年12月12日 日常編 vol.6

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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本メールマガジンは、エニアグラムの智慧を日常で活かすヒントになればと、
日常の視点からエニアグラムを紹介することを目的としています。みなさまの
人間関係がより豊かに、満たされるように、応援させていただきたいとねがっ
ています。

「自分の感じ方と同じ!」、「ほかのタイプへの理解が深まった!」、「自
分を知るヒントになった!」、「自分の内面の動きに目を向けられるようになっ
た!」などなどと好評を得ていた、「日記」を毎月のメルマガとは別に発行さ
せていただくこととなりました。

毎月のメルマガは、毎月末発行の予定です。

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■目次■

1.「エニアグラム日記 タイプ4」
2.編集後記&お願い
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■1.『いま、ここから 日誌』■

今回の執筆者は、タイプ4です。

タイプ4の人たちは、考えることよりも感じることが得意です。
身の回りに起きるできごとの中から、心に触れるものごとを敏感に選び取り、
感動のたねにします。人へのまなざしは暖かく、やさしく、ものの見方にも人
との接し方にも、独特の個性があります。

★12月6日(月)師走ですね★
この欄に日誌を書くことになった。
日誌とはいっても、ものを書くことは怖い。人さまに迷惑をかけることにつ
ながる。個人のよしなしごとを読んでいただくだけで、時間ドロボウになる。
ばかなことを書けば、人を不快にさせる。困ったものである。うれしいと記せ
ば、そんなことで喜ぶのかと、あきれる人もいるだろう。

「じゃあ、なぜ引き受けたのか」といわれるかもしれない。正直なところ、
こころの片隅にある思いを表現したい。読んで一人でも共感する人がいてくだ
されば、握手をしたいのだ。そのとき、私のなかの深いところが、何かを感じ
るから。そういっても、立ち止まってその感じに酔うつもりはない。一瞬「やあ
同感だね」という、それだけにすぎない。小学生の理科の実験のように、み
んなで見つめ合って、なにかの役にたつというものではない。まして、師走、
お忙しい方は、こんなたわごとにつきあわないでください。

近所に住むヒロコさんが「昨日、民芸品の店まで行って取り皿を三枚買って
きたけど、置いたとき一枚が安定しないのよ、見てくれない?」といってきた。
玄関先をのぞくと三枚の皿がならべてある。かつてバーナード・リーチが滞在
した大分、日田市の小鹿田(おんた)焼である。飛び鉋(かんな)や刷毛の模
様はひと目でそれとわかる。「おっ」と私は喜ぶ。

手作りの焼き物には同じものはない。使っているうちに味わいがでてくる。
皿の底と底をこすっていると、ヒロコさんが気にしたところはすぐとれた。
「同じ物を選んだつもりなのに、ちょっとでも違うと気になる、なんでかしら」
それはね、と皿を手にのせ、ながめつつ私はいう。あなたは小さいときから、
まっすぐがいい、きちんとしているのがいいと、やってきたから。
「そうよ、そのとおり。曲がったものは大嫌い、取り替えに行こうかと思って
いたの」
この正直さが私は好きだ。

一つ一つの違いに、手仕事がしのばれるといって、民芸の好きな人はいびつ
も愛でるのよ。「そういうものなの?」カボチャの煮物をのせるときれいでしょ。
そういったとき、ヒロコさんは納得した。ワークショップなら、人間も、と、
このつづきがあるけれど。

★12月7日(火)★
花屋の前で編集者のノブアキさんと待ち合わせをする。会うのはこれで二度目。
皮の赤いブレザー姿で現れようとは、想像もしなかったが、こういう驚かされ方は
大好き。ぼくの職場がある新橋のサラリーマンたちは黒一色で、歩く姿までみ
んな同じなんですよ。観察が鋭いなと、耳を傾ける。だから、違う色を着たく
なるといって、イタリア大好きで、言葉も大丈夫、友達にも生粋のイタリア人
たちがいるとか。すごい。むこうの本屋には、村上春樹やよしもとばななの本
があり、読んでいるイタリア人にも会ったと、話題はぐんと広がる。

仕事の打ち合わせ。なのに、函館、小樽と子どものころを過ごした街の話を
きくと、またもや、イカ釣り漁船のきれいな夜景について、ふたりとも少し夢中
になる。こんなに話が飛ぶのは、いいのだろうか。函館とイタリアの何かが
つながるのだそうだ。いいなあ、詩人のようだ。

それでですねと、来年の計画に入る。なかなか、そこはそれ、きっちり進め
る人。年末も正月もなくなりそうな気配だ。どこへも行く計画はないけれど。
こういう充実もいいかもしれないと、どこかで思っているが、こころは貧しい
のだろうか。

★12月8日(水)★
明け方の夢。人気のない並木のなかの交差点のベンチで、バッグを取られか
けて力を振り絞って引いた。そこで目が覚めたが、被害者になるこういう夢は、
けっこうみる。夢のなかの自分は、盗む側ではない、凶暴ではないぞと、思っ
ている。たのしいものではないけれど、負けから始まるのは情けないものです
ね。

夢は見物人も、演じる側も自分なのだ。これが、白昼夢となると、どうなる
だろうか。アミエルは日記のなかで「夢の状態から出ない人があったら、本当
の意味における人間的な教養には達しまい」と書いていた。十八世紀の記録だ
が、いまの私は、そうですねえ、まったくです、と頷くばかり。真実ですよ、
でも私はねえ(なさけないことに)そういってもねえという気持ちがなくはない。

ヘイコーさんのことを思い出していた。
「ぼく、道を歩いているとき、夢がでてくると、つきあっています。一人で
にやにやしていることがあるんですよ。他人がみたら、気味悪いでしょうね」
「そうかもしれない。でもよくわかるな」。おもいあたる。
満足なんですがという顔でいっていたのがおかしい。歩くとき、どこかにぶっ
つかったりしないかと心配になる。美術館の階段から落ちたという人の話もき
いたことがあるが、かなり重症の夢見る人もいるのだ。(芸術に酔いしれたま
まで)

ヘイコーさんは、ひとりで男の子を育てている。子どもと一緒にいる時間も
大切なので、いつもワークショップには出られないのですがと、そっといった。
子どもを育てる楽しみが会話からつたわってくる。職場から急いで保育園
にかけつけて、愛情豊かに子を抱きとめる。自分探しにも熱心で、ちっとも深
刻ではない。そんなところがとくにいいなあ。話を聞いているこちらまでやさ
しい気持ちになる。

★12月9日(木)★
イトー先生のところでインフルエンザの予防注射をしてもらう。子ども時代
から青春期にかけて大病をしたので、大小さまざまの注射器で何千回もうたれ
てきたが、いまの注射は蚊がさすようなもの。息をころすとか、忍耐するといっ
た精神修養のおけいこはしなくてすむ。この進歩は、とてもいいはずなのに、
幼児は、おいおいと悲しそうに泣いている。はじめてというのは、なんでも怖
いものなんですね。

腕をだすとき、身体にフィットした上着の袖があがらない。「ユニクロの服
は軽いので好きなんですが、よいしょですね」といって腕を出すまで先生に待っ
てもらう。先生は注射器と消毒用の綿花を両手にもったまま、「ぼくもベスト
をもっているよ」といわれる。こういう会話ができるお医者さまは、近所の宝
だと思う。
やっと肩から腕をだす。これで冬支度のひとつが終了といった気分だ。

トヨアキさんから電話があった。本を買ってくださる方がいて、重版になり
ましたという報告だが、どんな小さなことでも、すぐ連絡をいれてくる。いま、
この場で動く、この人の積極性はすごいな。人に親切にするには、なまけてい
るとできないものですね。山陰にあった地方紙について書いたこの本はプロの
筆である。かれはワシントン特派員も経験した新聞記者で、のちに先生になっ
た人だが、声優でも通用する声の持ち主である。

かれとは、故郷で子どものころ通っていた音楽院で会っていた。それから何
十年もたって取材の申し込みをうけたとき、ヴァイリンを習っていたトヨアキ
さんですかといって、一挙に時間が縮まった。本のなかに、私のことも書いて
ある。こういうとき、なんと感謝をいっていいやら、文字は残り、声はすぐ消
える。うれしくて6冊買って実家と友人に送った。

ゆったりしたいい気分になったからか、今夜の肉じゃがは上出来といえる。
やっぱりこれは中華鍋のおかげかもしれない。
(ふつうじん)

○各タイプの詳細は、http://www.enneagram.ne.jp/index.htm ○
●学会のホームページで、自分のタイプもチェックできます●

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■2.編集後記&お願い■

今回のタイプ4の日記は、いかがだったでしょうか?先回までのタイプ1と
は、かなり違うと感じられたのではないでしょうか?

タイプを知るヒントを得ていただければとてもうれしいです。

ところで、日記の中に、自分とは違うタイプの人の話が出てくることがあり
ます。それは、書いている人が、そのように見ているだけと思って読んでいた
だければと思っています。本当にその性格タイプなのかどうかは、本人にしか
分からないものなのです。

エニアグラムでは、「人の性格は行動だけを見ていては分からない。そのよ
うに行動するのはなぜかという、動機に違いがある」と考えます。有名人にし
ても、身の回りにいる親しい人にしても、心の奥深くにある動機は本人でなけ
れば分かりません。いいえ、本人さえ気がつかないことが多いのです。なぜ自
分はいつもこんなことをするのだろうと、自分の心をのぞいてみないことには。

まして、他の人に心の奥が分かる筈がありません。推測しているだけです。

ただ、こういうことは言えます。エニアグラムの勉強を続け、自分の心の動
きが分かってくると、そして、9つのタイプの人それぞれから、心の動きを聞
かせてもらう経験を積んでくると、表にあらわれた行動から推しはかって、タ
イプの特徴を読み取ることができるようになります。

どういうところから、そのタイプと考えるのかという、ひとつのヒント、書
いている人の見方を示すことはできます。

ですから、他の人のタイプに言及している文章を読む時は、それがそのまま
当人のタイプであるとは思わないでください。

そういう見方もあるという参考にしていただくよう、お願いいたします。

ワークショップ参加などのご質問は、info@enneagram.ne.jp
メルマガへのコメントなどは、npo_jea@yahoo.co.jp へお願いします。
(本永)

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このメールマガジンは『まぐまぐ!』
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