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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会    2004年12月5日 日常編 vol.5

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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本メールマガジンは、エニアグラムの智慧を日常で活かすヒントになればと、
日常の視点からエニアグラムを紹介することを目的としています。みなさまの
人間関係がより豊かに、満たされるように、応援させていただきたいとねがっ
ています。

「自分の感じ方と同じ!」、「ほかのタイプへの理解が深まった!」、「自
分を知るヒントになった!」、「自分の内面の動きに目を向けられるようになっ
た!」などなどと好評を得ていた、「日記」を毎月のメルマガとは別に発行さ
せていただくこととなりました。

毎月のメルマガは、毎月末発行の予定です。

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■目次■

1.「エニアグラム日記 タイプ1」

2.編集後記
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■1.「エニアグラム日記 タイプ1」■

タイプ1は、できるだけ人の意見を取り入れ、人に合わせて動こうとします。
そうすれば、間違いを冒すことも、非難されることも少ないと思うからです。
しかし、理性的に振る舞おうとするあまり、自分の怒りを出さずにためこみ、
かえってイライラした不機嫌な様子を見せてしまうことがあります。

★11月25日(木)★
タイプ9の人とふたりで、10人ほどの集まりの幹事役をした。

恩師を囲んでホテルで昼ごはんを食べることになり、1ヶ月ほど前に、私が
和食レストランの個室を予約した。前日になって「部屋はどうなっているの?」
と電話があった。

「先生は膝を痛めておられるから、座敷に座るのは大変」と相手は言う。「
掘り炬燵式になっていて足が伸ばせるところでも?」と聞き返しながら、それ
はそう、椅子席の方が立ち居が楽なのに決まっていると思った。

しかし腹が立ってきてもいた。なぜ、明日の今日になってそれを確かめてく
るの。予約したときに、どんな部屋かは伝えてあるのに、そのときは何も意見
を言わなかったではないか。その後もプレゼントを何にしようかとか、参加人
数のこととか、何度か話しているのに。

なぜ、今になってと、怒りを感じながらも、口では、「椅子席が空いている
か問い合わせてみます」と次の対策を話していた。今日の明日で変更できるか
どうかと気にしながら、ホテルに電話した。椅子席の個室は中華レストランに
しかないという返事に、また連絡をとりあい、手分けして参加者に変更を伝え、
ようやく落ち着いた。

部屋があってラッキーだった、役割が果たせてよかったとホッとするが、気
持ちが騒いだこと、時間が取られたことに憮然として、一体何が起きたのかと
振り返る。

報告したそのときに疑問を投げかけてくれれば、直前に変更する慌しさはな
かったのに。タイプ9の相手は、そのときはそれで良いと思ったのだろう。あ
るいは、疑問も湧いてこなかったのかもしれない。それとも、下手なことを言っ
て私を怒らせてはいけないと思ったのか。

批判されることが大嫌いで、「私のすることに文句があるなら自分でやって」
と言いかねない私だからと、自分のせいにする反省癖も顔を出す。

★11月26日(金)★
タイプ2の友人が、息子さんとのエピソードを話してくれた。

医者になったご自慢の息子さんから勤務先が決まったと電話があったので、
早速、その病院に近い不動産屋に駆けつけ、その日のうちに、勤務先とは目と
鼻の先にマンションを見つけてきた。こういうときは、うれしくて大張り切り
で動き回るという。

こまごまとした家財道具一式をそろえ、掃除も済ませ、「ではまたね」と言っ
て部屋を出ようとすると、息子が「鍵は置いていって」と言って手を出した。
「えっ、そんなあ」と思いがけないことに茫然としながら、しぶしぶ鍵を渡し
た。息子の成長を感じてうれしかった反面、いつでも好きなときに出入りする
権利を奪われて、とてもがっかりした。

「留守に来て片付けられるのも困るし、友人が訪ねてきているときに踏み込ま
れてはたまらない」と息子は言うのよねと、そこまで話ができる親子関係がう
れしくてたまらない様子。

息子のことは、何歳になっても何もかも把握していたい、自分の管理下にお
きたいと思う自分がよくわかったと話していた。

こういう話を聞くと、私は子どもに対して冷淡すぎるかなと比較してしまう。

★11月27日(土)★
曽我ひとみさんの夫ジェンキンス氏が禁固刑を短縮されて、家族と共に佐渡
で就職できるように行政も動いているという。生きて帰ってきた人たちは、家
族共に暮せる幸せを味わっているだろうが、まだ生死も分からず北朝鮮に残さ
れている拉致被害者家族の思いはどうだろう。

羨望、嫉妬、焦り、憤り、絶望感などと複雑だろう。横田めぐみさんの遺骨
とされる物を持ち帰って鑑定が行われると言うが、なお生存説もあり、母親が
「死んだと言われても生きていると信じたい」と語った言葉が切ない。

経済制裁をすべきだという安倍幹事長代理と、あくまで食糧支援は続けると
主張する小泉首相が食い違って、政府部内でも意見がまとまらないらしい。
5家族が帰国していることで、拉致問題は解決したと考えているのではないか
と疑いたくなるほどの、緩慢で真剣味の感じられない日本政府の動き。北朝鮮
になめられているのではないかと歯がゆい。

★11月28日(日)★
娘が畳半分ほどもある大きな荷物をもって帰ってきた。

「地下鉄の階段を上り下りして、疲れた。でも、駅からの道で3人も助けて
くれた人がいたよ」と、うれしそうに話す。「大変だったね」とまずはねぎらっ
たが、次がいけない。「要領が悪いね。タクシーに乗れば良かったのに」と、
非難がましく言ってしまい、「要領が悪いのは知っているでしょう」と不機嫌
な声が返ってきた。

大変だったけれど、助けてもらえたと言っていた幸せそうな気分を壊してし
まった。つい非難したり、すべきことを教えようして一言多くなる、困った癖
だ。

「これから帰る」と電話してきたときに、タクシーに乗っていらっしゃいと
は言わなかった。大荷物をどう運ぶか、そんなことは、自分で考えているだろ
うと思っているし、求められもしないのに、何か良い案を提供しようという風
には全く気持ちが働かない。

そのくせ、相手が仕出かしたことについては、こうすれば良かったのにと、
もう過ぎてしまったことを非難し、説教するのだから嫌になる。害あって益な
しのことばかりしている気分になって、あ〜あ嫌な奴と自分をなじる。

★11月30日(火)★
映画「父と暮せば」を観た。

監督と主演女優が賞をとったということで、テレビに出ていた。前々から観
たいと思ってはいたが、このテレビで行く気になった。岩波ホールに上映時間
の10分前に到着。半分くらいの入り。後方に座る。

映画が中程まで進み、静かな語りの場面で、じーじー、ごーごーという音が
した。効果音かと思っていたが、長すぎる、変だなと気になりはじめる。前の
方で数人の人が動き始め、やがて、倒れた男性を引きずって行くのが見えた。
客の中に医者でもいたのか、あの音を病人の呼吸音と知って、運びだしたのだ
ろうと映画から注意が外れたのは、時間にして5分ほどか。

終演後、劇場の人の説明があった。「腎臓病の人が倒れて、救急車で運んだ。
すぐ気がつき、常態に戻った。劇場の責任ではないと言われた。お騒がせした。
もう一度見たい人には招待券を出す」ということだった。私は帰り仕度をしな
がら、しっかり聞き耳を立てていた。何が起こったのか事情は知りたかったか
ら。招待券という言葉には、どうしようかとふと心が動いた。

何人かの人が券を貰っていたようだった。私はいらないと思った。わざわざ
交通費をかけて来るほどのことはない。上映期間も間もなく終るので、来る機
会はないだろうからと思いながら、待てよ、良い映画だったから、貰っておい
て、誰かに上げる手もあるなという考えが湧き、いや、そのために足をとめる
のも面倒くさい、列に並んで時間を使うのももったいない、早く帰ろうと、あ
れこれ次々に頭に浮かぶことに苦笑した。

突発的な事故のときの自分の動きを改めて考えた。大勢の人がいる場で何か
事故が起きたとき、私は動かない。具合が悪くなったのがすぐ隣りの人ならば、
本人にも周りの人にも声をかけ、係りの人を呼んだりするなどの行動はするだ
ろう。しかし、今回のように離れた席の人の動きは、気にはなっても、誰か近
くの人に任せる。

多くの場合、私よりも助けにふさわしい人がいるに違いないと考える傾向が
ある。医者とか看護士とかの医療関係者がいれば、適切な処置をしてくれる。
医療知識も体力もない私が動いても迷惑になるだけだと思う。これがもっと少
ない人数で、その場に居合わせた誰もが協力しないといけない場面だったら、
誰かが指揮をして、救急車を呼べとか、水をもってきてとか、何かの役割を言っ
てくれたら、それに沿って動くのがいい。

病人やけが人が出たときに、私がその場にふさわしい動きができるとは思っ
ていないので、邪魔にならないように遠巻きにして、見届けようとするか。
いや、そこまで知らない人への関心はない。私はいなくても大丈夫、人手は十
分と思ったら、すぐにでもその場を離れそうだ。

★12月1日(水)★
人に仕事を依頼するのに、失礼な頼み方をしていると気がついた。私はしな
ければいけないことを、期限ぎりぎりになって「やっつける」ことが多い。し
なければならないと思ったとき、ざっと頭の中でやり方と内容を考えるが、そ
れで一段落した気になり、実際に仕上げるのは、直前になる。

学生時代から、試験勉強は「一夜漬け」ならぬ「朝漬け」の習慣があり、当
日の朝、早起きしてやっつけてきた。自分だけのことならこれで間に合った。
(これで間に合う程度のことしかできなかったということでもある。)

相手に仕事を分担してもらうときは、これではいけないとようやく気がつい
た。タイプ7の友人はこう言った。「しなければならないことは早くに仕上げ
て、次に何か面白いことが出てきたときのために、それをする時間を空けてお
きたい」と。

ごめんなさい。早め早めに仕事をこなす人だと感心していたが、こういう理
由があったのか。こういう人に、私のやり方で依頼していたのだから、さぞや
きもきし、不安にもなったことでしょう。すいませんでした。

誰もが自分のペースをもっていて、動きやすいやり方で仕事をしたいのだか
ら、依頼する時は、相手が仕事の手順を考えられるだけの時間をとらなければ
いけない。そのためには相当以前から計画的に、何をするかの手順を考える必
要がある。人にものを頼むのは、自分が動くよりも難しいというのは、このあ
たりのことを言うのだろう。

○各タイプの詳細は、http://www.enneagram.ne.jp/index.htm ○
●学会のホームページで、自分のタイプもチェックできます●

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■2.編集後記■

タイプ1の日記を5週続けて、お送りさせていただきました、いかがだった
でしょうか?

そうだ!と思いながら読んだ方も、そうでない方もいらっしゃったと思いま
すが、タイプを知るヒントを得ていただいたり、タイプ1へに理解を深めてい
ただいたりと、楽しんで読んでいただけたなら大変うれしいです。

次週からは、タイプ4を予定しています。

ワークショップ参加などのご質問は、info@enneagram.ne.jp
メルマガへのコメントなどは、npo_jea@yahoo.co.jp へお願いします。
(本永)

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