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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2007年5月20日 vol.154

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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私たちが意思をもって動くとき、普段の何倍かの集中力を注ぎます。

「きみ、ここへ座りなさい」脚の悪い少年に出張帰りの会社員が呼び
かけます。デッキで礼をいって別れるその子の目に、ほっとします。

日曜の夜、または物事が過ぎてから「心配や不安」になり、ノート
をつけはじめました。その効果はあるようです。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ6 「ここへ座りなさい」 ●
●            6 「セミナー」     ●
○編集後記                ○
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「ここへ座りなさい」

★5月11日(金)★

出張の日程が終わって福山からのぞみに乗り込んだ。陽気がよくなったせ
いかビジネスや観光の人でいっぱいだ。もくろみどおり三人掛けの座席の一
番左を確保して「さぁ缶ビールで頑張った自分に乾杯」と思っていたら満席
の車両の通路を脚に障害を持った男子中学生が通って行った。

生まれつきなのかその子の歩き方は極端なまでに内股になってつま先立ち
してかかとが浮いてしまっているような状態だった。その子は辺りをキョロ
キョロして空いている席がないと分かるとまるで自分の存在を恥じるかのよ
うにうつむいたままデッキへ出て行ってしまった。

驚いた。誰ひとりとして彼に席を譲ろうとしない。まるで彼の存在が誰の
目にも入らないかのような光景だ。障害がある上にまだ子どもだ。呆れを通
り越して何か怒りのような感情が沸き起こって来た。でもそう言う自分も彼
が立ち去ろうとした時にすぐに声を掛けなかったではないか。

たまらずカバンを置いて席を確保しデッキの彼のところへ行き「あそこに
座って」と声を掛けた。他の人達への怒りとこの子への恥ずかしさが入り交
じって何かそっけない言い方になってしまったかも。

みんなどういうつもりなんだろう。一人一人聞いてやりたい。もし自分が
あの子の立場だったらどんな気持ちがする?脚が不自由だからといって特別
扱いはだめなのか。先に並べなかったから仕方がないのか。世の中ってそん
なものか。何だかとっても哀しくなった。

そんなことを思いながらデッキに立っていたらいつの間にかその子が目の
前にいて「ど、どうもありがとうございました」とちょっと恥ずかしそうに
丁寧にお辞儀をしてくれた。

「そうか。もうこの子の降りる駅なのか」新幹線を降りて行く時の彼のう
れしそうな笑顔が旅の疲れを取り払ってくれた。

★5月13日(月)★

久しぶりにゆっくり過ごせた日曜日の夜もだいぶ更けてきた。「あしたは
月曜日。また蜂の巣をつついたみたいにてんてこ舞いに忙しいんだろうなぁ。
今週の出荷データは問題なかったかな。あしたの朝一で納期変更の連絡をし
ないとまたすったもんだするんだろうな」いろいろな事が頭をよぎり、あし
たに備えて早く休もうというよりは休日の静かな夜をいつまでも満喫してい
たいと思いついつい夜更かしをしてしまう。

先日の新聞の相談コーナーにおもしろい記事が載っていた。相談の主は年
輩の主婦だったように思うが、子どもの帰省や家族の旅行など予定されてい
ることを思うとそれが嫌なことでもないはずなのに夜眠れなくなったりもの
が食べられなくなったり気分が悪くなってしまったりするらしい。

記事を読んで「ここにも自分と同じ人種がいるなぁ」と思わずにんまりし
てしまった。そう。先のことが心配で不安でたまらないのだ。自分の場合も
そう。大丈夫かなと不安になる。その不安や心配が起こり得る最悪の事態を
想像させる。そんな想像がますます不安をかきたてるといった具合だ。

まず間違いなく想像したようにはならない。事態は思ったほどには悪くな
らないしむしろその場になると何か活路が開けたりするのだ。そうだとわかっ
てはいるのにいつも同じことの繰り返し。

新聞の相談コーナーでは”安心ノート”なるものをつけてみてはと言って
いた。不安や心配に思うことを書き出し、なぜ不安に思うのか何が不安なの
かを書き出す。さらに実際にはどうなったかも書く。自分も早速やって見た
が、普段いかに起こりもしないことに気持ちを奪われているかが手にとるよ
うに分かりとっても有効な手段だと思った。自分もそういうところがあると
思う人、一度お試しあれ。

(忠犬ハチ公)

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「セミナー」

★5月4日(金) ★

連休を利用してセラピスト向けの心理学セミナーに参加した。近年、ビジ
ネスの分野においても「鬱(うつ)」に関する相談が多く、そのことへの対
処としてセラピストにならないまでも知識だけは習得しておこうと感じてい
たからだ。

その中に、ユング心理学をベースにした夢分析の理論を学ぶ内容があり、
せっかく参加したので、被験者となることを申し出た。以前なら恐怖心から、
被験者になるという大胆な行動は取らなかったが、成長したのか、感性がに
ぶくなったのか、それ程の決断は必要ではなかった。

夢分析を受ける過程で自身の仕事の話をすることになり、仕事の状況を説
明した。すると、セミナーの参加者のひとり(女性)が突然「あなたは、そ
んな自分を殺すような仕事をしていていいのですか?まるでお客さんが、自
分だけ果実を食べるためにあなたを踏み台にしているように感じる。あなた
自身は果実を食べなくて本当にいいのですか!」と言い出した。

その言動に対して強い違和感が生まれた。「自分は、そんな奴隷のように
表現される仕事はしていない」「何故、見ず知らずの人にそんな言い方をさ
れなければ、ならないのか!」といった怒りに近い感情だ。

それでも、その場は、穏やかに「自分では、そんなに、ひどい仕事ではな
いと思っているんですけどね・・・」と返したものの、セミナー終了後に
「もっと強い言い方で否定しておけばよかった」「自分が不快に感じたこと
を伝えればよかった」という後悔の念が存在した。

しかし、こういう悔いを残し、言い訳したくなるような感覚が生まれるの
は、ひょっとすると自分も奴隷のように扱われている気持ちがあるのかもし
れない・・・。そういった気持ちに今後はどう取り組んでいけばいいのだろ
う・・・。冷静に振り返った時、そういう疑問がわいて来る。

決して楽しい経験ではなかったが、自分の課題を考える、よい機会になっ
た。

★5月9日(水)★

以前、転職しようとした会社の社長に関する告発記事が週刊誌に大々的に
載った。社長が自身で築いた上場会社を私物化しており、そのことが骨肉の
争いを生んでいるという内容だ。

その会社は9年ほど前に入社を検討し、入社日の3日前に入社を取りやめ
た会社だ。その際の思い出は強烈だった。入社の前段階で社長に相談されて
いた依頼内容に対して誠実に対応したつもりだった。

現状に問題があるとの見解を率直にしたつもりだった。その指摘を入社を
決意するまでは笑顔で聴いていた社長は、前職を退職したことを確認したと
たんに私を呼び出し「お前は、私が作ってきたしくみにケチをつけた!」
「今後は私の言うことに逆らうことは許さない!」「もう、お前には戻る場
所はないのだから、そのことを自覚しろ!」と言ったのだ。

私は脅されたと感じ、社長のその態度が横暴にしか思えず、その場で入社
を取りやめることを宣言した覚えがある。(その後、就職先を失った私は意
図することなく独立の道を歩むことになった。)

私はどちらかというと、穏やかな(気の小さい)性格で人を恨んだり嫌っ
たりすることは、あまりないほうだと思っている。それでも、その社長には
現在でも拒否反応は強く「嫌いだ!」と公言していた。

記事を読んで早速、その社長の知り合いでもある友人に連絡を取りたくな
り、電話をした。話しをした後、何故、話をしたくなったのかの理由が明確
にならず、自分の心を整理したくなった。

「ざまをみろ!??」「やっぱり俺の指摘は正しかったよな!??」「あ
の人も大変だな・・・??」どれも理由としては適切な気がしない・・・。
いろいろ言いたくなったことが複雑にからみあい、話が通じる人とおしゃべ
りしたかっただけというのが一番適切な気がする・・・。

ただ、この出来事に対して、自分の中での大きな感情の動きは感じられず、
9年たって自分の中で「恨み」という感情が消化されていることは確認でき
た出来事だった。

(油売り)

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○ 編集後記 ○

はじめてでも参加できるプライマリーコースに、本年から昼の開催と夜の
開催のコースが加わりました。

エニアグラムを学んで、人間関係が楽になったという方がたくさんいらっ
しゃいます。自分や他人を知るのにエニアグラムはとても役立ちます。

昼は、10:00-13:00 夜は、19:00-21:00の時間帯になります。

昼の開催
http://www.enneagram.ne.jp/ws-annai/1-primary-day.htm

夜の開催
http://www.enneagram.ne.jp/ws-annai/1-primary-night.htm

★ 相互紹介、随時受付中 ★

☆ 毎週日曜日配信 ☆
最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
(本永)
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