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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2007年4月15日 vol.150

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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雨のなかで人を待ったとき、聞きたいのは、どんな言葉でしょう。私たちは
頭とハートの使い方のバランスに、ときにとまどいます。ここでの関係者も、
侘びや言い訳の堂々めぐりを演じます。待つ人の気持ちに触れません。

こんなところに行き違い、誤解の温床が。カウンセリングで学んだ「共感」
を思い出します。自分の気持ちにゆきあたるまでの追跡、夫婦の会話にも
変化が。気持ちが触れ合う友達とは、夜更けの長話もつづきます。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ3 「すっぽかし」  ●
●            3 「東京へ出勤」 ●
○編集後記                ○
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「すっぽかし」

★4月2日(月)★
「お仕事をしてみませんか?」といわれて、ちょっと血が騒いだ。
仕事といっても、ある食品メーカーの利用者の世話役のようなものだ。育児
をしながらでも出来るし、食育の勉強にもなるという。気軽に出来そうだが、
一円でも貰う限りはきちんとしなくてはいけないと思っていた。ところが、
その会社はきちんとしてくれなかった。

私が引き受けると決まったら、部長さんが挨拶に来ると言い出した。
自宅近くのレストランで待ち合わせる。運悪く、ちょうど自宅を出る頃に、
雨が降り出した。ベビーカーに雨は天敵だ。近所のママ友とのお茶なら中止
にするところだが、「お仕事」はそういうわけにいかない。ベビーカーに雨
カバーを取り付け、私は傘もさせずに濡れながらレストランまで10分走っ
た。

約束の時間ギリギリに着いたが先方はまだ来ていない。よかった。ホッと
しながら席に着いたが・・・来ない。何分経っても現れない。雨で渋滞して
いるのか?道が分からないのか?私が日を間違えたのか?40分ほど経過し
た時、ある結論に達した。

「すっぽかされた!」

私には生まれて初めての経験だった。まさかこの歳になって、しかも大の
大人に、それもビジネスマンにすっぽかされるなんて!あり得ない!

ワークショップで「あなたがもし、約束の時間に遅れたら?」というエク
ササイズはやったことがあるが、それが実践されることになろうとは!不思
議と怒りは出て来ず、ワクワクしてきた。自分の気持ちがどう変化するか、
この貴重な経験を楽しみたい。相手は何と言ってくるだろうか?私はそれに
どう対応しようか・・・。いろいろ考えてみたが、一向に連絡がないので、
60分後に自分から会社に電話をかけた。

「あっ!お約束は・・・今日でしたよね。申し訳ありません!」
同伴するはずの担当の女性が慌てている。部長さんは出かけているという。
あれほどしつこく念を押されたのに、なぜこんなことが起きるのだろう。原
因を知りたかったが、とりあえず電話を切る。

まだ、怒りは出てこない。その代わりこれからどうしようか考えると、さ
らにワクワクしてきた。「やった!弱味を握ったぞ!」そんな気分だった。
これで当分ワガママが言えそうだ。あれこれ考えていると、約束の時間から
1時間半が経っていた。雨もやんだので帰ることにした。

★4月3日(火)★
食育の講演会で昨日すっぽかした女性に会った。申し訳なさそうな顔はし
ていたが、改めて謝罪の言葉は無し。そんなもんかなぁ。ちょっといやな感
じ。いい人そうなのにもったいない。

講演会のテーマは「礼儀作法」。ある流派の師範のお話。「本当の礼儀と
は相手の立場に立った振る舞いです」との事。なるほど。今日の私にはピッ
タリのテーマだ。

★4月4日(水)★
例の担当女性の上司というマネージャー(女性)からお詫びの電話。
「どうしてこんなことになったのか・・・分かりませんが、本当に申し訳あ
りません」の繰り返し。でも、いくら謝られても、なぜか気分が晴れないし、
納得出来ない。「部長は忙しくて・・・もう、お恥ずかしい限りです・・・
土下座してもいいくらいです」いろいろ言われてもピンと来ない。

私はなんと言われたいのだろうか?

私がわかって欲しかったのは、待っていたあの時の気持ちだった。
「雨が降って寒かったから、大変だったでしょう!」この言葉を待っていた
のだ。それだけでいい。あなた達に会うために、冷たい雨の中を傘もささず
に走ったのですよ。それを分かって欲しかったのだ。

残念ながら、誰も私のことは気遣ってくれず、自分の都合ばかり話して、
謝るだけだった。相手の気持ちが分かるって難しい。心に響く一言が言える
人は少ないのかもしれない。

カウンセリングの勉強をしていた頃、「クライアントに共感しなさい」と
何度も言われたが、今ひとつしっくり理解出来なかった。今ならそれが手に
取るように分かる。

すごい収穫だった。

★4月5日(木)★
自分の気持ちが落ち着いたので、一部始終を夫に話すことにした。その前
に話したかったのだが、すっぽかしなどと聞いたら「そんないい加減な付き
合いはやめてしまえ!」と言われるに違いないと思ったのだ。

こちらも時間が経っているので落ち着いて話せる。私が言ってほしかった
言葉を言うと「そんな事だったの?」と意外だったようす。でも私は誰かに
聞いてもらえてすっきりした。

それからなんだか夫が優しく感じるようになった。仕事から帰ってきたと
きに、その日の出来事を話すのだが「こんなに大変だったのよ」と言うと
「それは大変だったね、お疲れさん!」ウンウンそうなのよ。気持ちが良い。

今までは、「じゃ、こうすればいいじゃないか」と対処法を言われて、何
だか自分のやり方が間違っていると指摘されたようで、どうもすっきりしな
かった。(今思えば解決しようとしてくれていたのだろう)

「大変だったんだね」と言われたことで、わかってくれた!これからも頑
張ろう!と何故か勇気までわいてくるから不思議だ。

(おしゃべりママ)

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「東京へ出勤」

★4月4日(水)★
朝、出勤の電車に乗っていると、昔の同僚、みきこさんからの電話。珍し
いな、と思いながら、降りる駅についてからかけなおす。

このごろ珍しい人からの電話はよい知らせのことがない。案の定、同じく
昔の仕事仲間まさ子さんのお父さんがなくなったよ、との知らせ。まさ子さ
んは先月お母さんがなくなったところ。小さい会社だったから、会社の近く
に住んでいるまさ子さんのおうちには社長を始め社員全員がお世話になった。

今晩お通夜だそうだ。早足で仕事場に急ぎながら、今日のだんどりを考え
る。6時には終わりそうにない。電車で30分くらいのところだから、遅く
なっても大丈夫かな、と計算する。

★4月5日(木)★
今日は東京へ出勤。昨日遅くなったのでちょっと疲れて、乗り物ではずっ
と熟睡。

昨日のお通夜はまた同窓会みたいになった。亡くなった人がお酒好きだっ
たから、集まった人はみんなたくさん飲んで、懐かしい話をした。懐かしい
さわこさんも来ていた。10年前の地震のあと、いなかの山に住んでいる。
今はご主人と一緒にヨガを教えている。「行きたいな」というと今度の月曜
日においで、と言ってくれる。

金曜まで東京で、土曜日はワークショップ。日曜日は職場の和代ちゃんの
結婚パーティ。来週の木曜も東京出勤だから、最近にない超ハードな日程だ。
なのに、夜はゆうこさんとごはんに行く。ゆうこさんは珍しく会社の中でも
プライベートな話の会う人。しばらくぶりに会話が弾んで、ホテルに帰った
のは12時前だった。今週は体が持つかな???

★4月6日(金)★
うちに帰るとボランティア仲間のタカオさんからファックスが来ていた。
タカオさんとは今期ボランティアの監事をすることになっている。いまどき
珍しくタカオさんはメールが通じない。ファックスの手紙を作って送信する。
早くお風呂に入って、早く寝よう。

(星の子)

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○ 編集後記 ○

インターネットでワイシャツを5着注文したのに、送られてきた箱には、
1着しか入っていませんでした。注文を受け付けたという最初のメールにも、
5着と書かれているのですが・・・。

インターネットでの買い物は、やや機械的な印象を持っていたのですが、
結局は、人がやっていることだから間違いもあるかと妙に納得しつつ、お客
様コールセンターへ電話をしました。

とても丁寧な対応で、さらにホッとするものを感じました。

★ 相互紹介、随時受付中 ★

☆ 毎週日曜日配信 ☆
最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
(本永)
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