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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会    2004年11月14日 日常編 vol.2

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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本メールマガジンは、エニアグラムの智慧を日常で活かすヒントになればと、
日常の視点からエニアグラムを紹介することを目的としています。皆様のより豊
かな人間関係に満たされた生活を応援させていただきます。

「自分の感じ方と同じ!」、「ほかのタイプへの理解が深まった!」、「自
分を知るヒントになった!」、「自分の内面の動きに目を向けられるようになっ
た!」などなどと好評を得ていた、「エニアな日記」を毎月のメルマガとは別
に発行させていただくこととなりました。

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■目次■

1.「エニアな日記 タイプ1」

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■1.「エニアな日記 タイプ1」■

タイプ1は、公正、公平でありたいと思っています。
誰にとっても良い環境を整えたいという理想をもっています。

このような、心の奥にある動機から、周囲とのバランスを考え、偏らない意
見を言いたいという思いが出てきます。

そのため、広く見聞しようとし、色々な人の意見に耳を傾けますが、時には、
あれもこれも「違う」と感じて、人の言うことを強く否定したり、逆に、なか
なか自分の態度が決まらないことにもつながります。

★11月4日(木)★
アメリカでブッシュが大統領に再選された翌日、蘇我ひとみさんの夫ジェン
キンス氏に軍法会議の判決が出され、イラクで殺された香田証生さんの遺体が
日本に着いた。この3つは密接に関連しているという平野次郎氏の解説が、分
かりやすく納得できた。

ブッシュの再選で、あと4年間、世界は今の状況が続くことが決まった。イ
ラクで日本人が殺されるのは、アメリカの同盟国であるとの立場をはっきり表
明しているから。ジェンキンス氏への最長30日の禁固後の不名誉除隊という
判決は、これ以上はない軽い刑で、日本がいかに同盟国として必要とされてい
るかを示したものという。

アメリカと一心同体で生きる選択を、小泉首相の下でしてしまった国、日本。
この危険を軽減したいなら、小泉内閣を変える方法を考えるしかない。小泉純
一郎という人は、いかにもタイプ5らしく、自分の考える力に信を置き、周り
の人に理解してもらわなくともよいという姿勢で、一言居士風な言い切りをす
る。派閥のバランスをとることを最優先してきた、これまでの自民党の慣習を
打破することにも積極的だが、「首相だけしか勤まらない人」と評する議員が
いるほどに、協調しない人らしい。

★11月5日(金)★
普段は連絡もしてこない、どこで何をしているのか心配になるほどのタイプ
4の娘が、数日間帰省すると電話してきた。祖父の卒寿記念に、古い写真を集
めて家族史を作ると言う。

なんと優しい心遣いかと感激する。私も、父が趣味で撮りためてきた写真の
整理も必要と考え、物を買って贈るのではない、心のこもった記念品があると
いいのにと思ってはいたが、時間が膨大にかかることを予測して、取り掛かる
前から腰が引け、写真の整理に手をつけるなど思いもよらなかった。

「そのうちに」と言いながら、時間がないのを口実にして後回しにし、遂に
はやらず仕舞いになった大事なことが多いような気がする。やらなくてはなら
ないことが山のようにあって、いつも時間に追われているように感じてあくせ
くしているが、実は優先順位を間違っているのかもしれない。

それがしたいことなのだから、いつもしたいようにしているのだと、自分に
も人にも言い聞かせてはいるが、どこか心が満たされない。「やるべきことを
済ませてから自分の好きなことはする」と言っているのは、自分の中に「正し
いことをしなさい」と命じる声があり、人の目もさることながら、「お前のし
ていることは間違っている」と、批判する自分の内部の声を怖れているから。

★11月6日(土)★
新潟中越地震の情報をまとめ、被災者を励ますというNHKの24時間番組が、
夜7時半から放映されている。

山が崩れ、天然のダム湖ができて家が水に浸っている山古志村の映像を見る
と、「皆でまた村へ帰って暮したい」という声が悲しい。錦鯉や、牛を飼って
生活してきた人が残してきた生命を気遣う言葉にも、すぐにでも駆けつけてエ
サをやりたい、助けたいという哀切な気持ちと、道路が断たれ、あなたの身が
危険だから行ってはいけないと言われて、どうにもならないけれど諦め切れな
いという思いが見て取れる。

「欲しいのはお金、何とかしてください」と政府に向かって呼びかける言葉
もあった。義援金がすでに何億円も集まっていると言うが、誰がどのよう分配
するのか、必要な人に必要なものが届いているのかと、システムを信用しきれ
ないものを感じている私。

阪神淡路地震から9年が経ってもまだ、システムは整わないと、支援制度の
確立をコメントする専門家もいる。制度作りが不得手なのか、日本人は。

★11月7日(日)★
楽天イーグルスのゼネラルマネジャーに決まったアメリカ人が、流暢な日本
語で話していた。この40年間に選手のレベルは世界の一流にまで達したが、
経営面、野球界全体で利益を上げるためのシステムは全く手付かずのまま旧態
依然としていると。

それにしても新しくプロ野球界に参入が決まった楽天の社長という人は、何
とも調子の良いやり手という感じがする。ライブドア社長には、どこか天衣無
縫、力で押して行く無邪気さが見えて好感がもてる。

どちらも、食うか食われるかの競争社会で勝ちを収めた人たちだが、他人の
出方を見てから、失敗しない動き方を見極める楽天式やり方が、より効を奏す
るのだろう。それを「汚い」と感じる私は負け犬の遠吠えか。勝てば官軍。勝っ
てしまえば何でもできる。自分が勝ち続けるのに都合の良いシステムを作れば
よいのだから。

ああ、溜息が出る。こういう世の中は嫌いだ。

★11月8日(月)★
ジャズピアニストの秋吉敏子さん(74歳)が、国際交流基金の賞を受けての
談話。

「どんなに上手に弾けても、自分の癖をもっていないと、ジャズミュージシャ
ンとしては価値がない」 「聞いていて、あれはトシコと分かるような演奏が
したい」 「そのためには、宮本武蔵の言う通り、日頃の訓練が大切。毎日毎
日、ピアノに向かって、もっともっと練習したい」 「ジャズを演じることは、
いつも自分とは誰かという問いにつながっていた。アメリカ人のようにジャズ
を演奏するだけでは、私ではない。日本人である自分を意識し、それを表現し
て行けるようになって、ようやく私になった」と。

そう。自分とは誰かという問いは、あらゆる場面で、どのような職業に就い
ていても向き合うもの。先日出会った、若い内科のお医者さんも言っていた。

「成功するというイメージをもって、必死に勉強してきた。留学もした。一
流病院でのポストも得た。けれどどこか違うと感じている。これが本当の自分
の姿とは思えない。タイプ3の本質は真正の自己愛という言葉を知ってはっと
している。本当の自分を知りたいと思って飢えを感じているのだと気がつきま
した。」真剣なまなざしでそのように語る人の真っ直ぐさがまぶしかった。

こういう人がいる限り、まだこの国は大丈夫と思った。

★11月9日(火)★
娘が、家にある古いアルバムを整理していた。

明治の終わり頃からのアルバムが100冊ほどもある。よくまあと思うくら
いに、年毎に整理して、何をしたものか説明が書いてある。情報を集め、整理
整頓しておく父はタイプ5だろう。

分からないとすぐに辞書で調べたり、何のことだと訊いたりする。知りたが
りやだ。「お父さんは何でも知っていて教えてくれるから助かるよ」と、タイ
プ7の母は、しょっちゅう質問する。うれしそうに父が答える。年老いてから
仲の良さが増しているようで微笑ましい。

タイプ4の娘の集中力にも感心した。3日間、朝から晩までよく作業した。
写真を見ては、この人美しい、偉そう、キラキラしてるなど、何やかやと感想
を言いながら、目ぼしい物を選んで行く。知りたがりやの父が時々覗いて、何
に使うんだと訊くが、「ひ、み、つ」と言って笑っている。

私はそうはいかない。「インフルエンザの予防接種は何時に行くの?」と訊
かれて、「きのう約束したでしょ。お昼を済ませてすぐ出かけるって」と言う。

「そんな恐ろしい言い方はしないで。しっかりしていた親が衰えるのはスト
レスでしょうが、忘れっぽくなっているのだから、やさしくしようよ」と娘に
注意される。

ごもっともです。イライラして余計なことを言ってしまうのは、親しい相手
に一番しがちなこと。すぐ反省はするのだけれど、なかなか直らない。それに
しても、非難と攻撃をぶつけてばかりの親に育てられながら優しい子に成長し
てくれてありがとうと、子どものもつ力に感謝。

★11月10日(水)★
わが町のシネマネマコンプレックスには映画館が6つ。山田洋次監督の新作
を見ようと出かけた。

この建物には、1階にゲームセンターや、まんが喫茶や、食べ物屋があって、
若い人ばかりがいる。自動扉のない小さな入り口を入ろうとすると、高校生く
らいと見える男性が、立ち話をしている。ちょっと嫌な気分。あの二人の横を
すり抜けて行きたくないなと思う。

この年齢の男性の体臭と傍若無人さが苦手と、どこかで拒否している。「じゃ
あな」と言いながら出てきた子は、私が入れ違いに入ろうとするのを見て、開
けた扉を押さえたまま、会釈した。ちゃんとこちらに顔を向けて。「どうぞ」
という意味を受け取り、「ありがとう」と言って建物の中に入る。なんだかほっ
こりと暖かいものを感じた。若い子も捨てたものじゃないと思った。

ごめんね、勝手に苦手だなんて思っていて。

○各タイプの詳細は、http://www.enneagram.ne.jp/index.htm ○
●学会のホームページで、自分のタイプもチェックできます●

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