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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2007年4月8日 vol.149

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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子どもがやってきました。きみが好きだよという思いはとどく
でしょうか。はじめて旅にでる中学生もいます。いつか遠く
羽ばたく娘です。

施設にいる母と心をつないで語りかける。父も老いた。
何かがいつも変化しています。それらをうけとめるとき、精神が
健全であるよう、ときにぐっすり眠ります。そうしていれば、
みんなの支えになれるのです。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ2 「疲れているのに気づかない」 ●
●            2 「こころの会話」 ●
○編集後記                ○
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「疲れているのに気づかない」

★3月26日(月)★
前回の日記にも書いたけれど、私は※里親というものをやっている。今日
はこれから里子になる予定の4歳のI君に会いに児童養護施設へいってきた。
里子が決まると、最初は一緒に遊びながら少しずつ子どもとの信頼関係をつ
くる。これを交流期間と呼ぶのだが、今日はその交流期間の2回目なのだ。

一緒に絵本を読んだり、彼の大好きな特撮もののビデオを見た。前回より
なついてきてくれて、ほっとする。次回はもう少し二人きりで過ごす時間を
増やす予定だ。交流期間中にどうしても子どもがなついてくれない場合は不
調となって、残念ながらこの子をひきとることはできない。どうか、うまく
いきますように。

※里親・・・事情があって親元で暮らせない乳児院や児童養護施設の子ども
を引き取って育てる人のこと。

★3月30日(金)★
今日で私は会社を退職する。最後の1日だと思うと、ちょっと寂しくなる。
一人一人の社員と別れるのも寂しいが、この「仕事」「職場」と離れるのが
寂しい。

私はいつも「終わる」のが怖い。そのまま離れてしまって、二度と会えな
くなるような気がするからだ。実際はそんなことはなくて、元の職場にはい
つでも遊びにいけるし、同僚とも会えるのに。最後の挨拶ではやたらに、
「また来ます」みたいなことを強調してしまった。

★3月31日(土)★
夕べはよほど疲れていたのか、帰宅してウトウトしていたら、そのまま朝
まで眠ってしまった。着替えもせず、歯も磨かず、お風呂にも入らないまま
だった。自分がこんなに疲れているとは知らなかった。

ちょうど年度末で忙しかったので、気づかないうちにまた、いろいろな仕
事を引き受けていたのかもしれない。
桜が満開になった。今日はお花見でもしながら、ゆっくり体を休めよう。

(お月さま)

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「こころの会話」

★3月21日(水)★
先日新聞でニューヨーク・トリオというジャズのピアノ・トリオの「きみ
はすてき」と言うアルバムの評論を読んで、なんだか気になってCDを買っ
て聴いてみた。殆どジャズは聴かないのだけれど、とても素敵な曲ばかりで
気に入った。何回か聴いているうちにあることを思い出した。

アルツハイマー型認知症の母がまだ過去のことはよく覚えていて、昔の話
ばかりしていた頃、ジャズのかかった喫茶店でアルバイトをしていた時の話
をしてくれた。その時知り合った足の不自由な男性の話をして、「あの人と
結婚していたら、今どんなに幸せだろう」と涙ながらに話してくれた。

私はなんだか自分の存在を否定されたような悲しい気持ちで聞いていた。
今はないその喫茶店に子供の頃母に一度だけ連れて行ってもらったことがあっ
たのも思い出した。

思えば、母が発病して以来よく母の話を聞いた。時には文字化けした話に
気がおかしくなりそうなこともあった。今は症状がかなり進み、お互いに意
思の疎通ができなくなっている。母と話をすることがあっても、全くちぐは
ぐな会話をしながら、私はこころの中で母と話をする。肉体は老いていって
も、こころは成長し続けるそうだから、母にはこころの会話で十分伝わって
いるような気がする。

エリザベス・キューブラー・ロスによると、死にゆく人は否認・怒り・取
引・抑うつ・受容という「五段階」のこころの状態をたどっていき、その人
が愛する近親者たちもまた、同じような心理の五段階をたどるらしい。アル
ツハイマー型認知症の場合、その進行がゆるやかなので、何年もかけてゆっ
くりと五段かを経験していくので、亡くなったあと近親者が喪失の諸段階を
経験しないことがあるらしい。

そう思えば、時に「はよ治してやる」とはりきり、時には必要以上に落ち
込んでいる父も五段階のこころの状態をたどっているのかもしれない。次第
に物忘れがひどくなり、精神的身体的機能も損なわれていくアルツハイマー
病はまさに喪失の病だ。母を含めて家族全員がそれぞれのペースでゆっくり
と喪失を経験している。

★3月24日(土)★
今日学校からアメリカに研修旅行に行く娘を送って、関西国際空港まで行っ
た。もう海外旅行をする歳になったのかと思うと感慨深いものがある。子ど
もの自立を促すためなのか、保護者説明会もなく持ち物の指導もなく、娘は
自分なりの考えで荷物を用意した。

私は、学校を休めない彼女の代わりにパスポートの申請に行って、銀行関
係の用事をしたくらいで、あとは全部彼女の意志に任せた。間違いながら書
類を書き上げている娘が、「こんなに間違ってばかりじゃ、お母さんは心配?」
と尋ねたけれど、私は自分でも驚いたことに全く心配はしていなかった。そ
れどころか、「帰りは迎えに行けないから、一人で適当に帰ってきてね」
なんて言っている。

娘も自分の進路を決め、自分の居場所を求めて未来へ大きく前進していく
歳。日本だけではなく、世界も視野に入れて自分の居場所を探求して欲しい。
今回の旅行は、そういった意味で大きなきっかけとしてほしい。失敗や困難
や不安があっても、自分の意思と力で旅行を終え達成感を味わって欲しい。
帰ってきたら沢山お土産話を聞くのを楽しみにしている。こころの深いとこ
ろに細くて長い糸を繋いでおいた。

(魔法使い)

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○ 編集後記 ○

先月、ここでボトルガムの中の数が気になっていると書きましたが、
ある方から数えたら、101個だったとのご連絡をいただきました。
ありがとうございました。

私も数えてみたのですが、95個でした。
だいたい100個ぐらい入っているようですね。

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(本永)
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