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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2007年4月1日 vol.148

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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人間は生まれてから死ぬまで自分の皮膚の内側に閉じ
こめられて生きていて、いつも自分の気持ちに囚われ、自分の心
や目の見る風景が、世界の唯一の風景だと思いがちです。

しかし例えば詩を読む。−自分でない人間の気持ちの動き、
自分でない人間の心や目に映った風景、そこに自分をゆだねて
みる。−<自分>という檻から出ることができる。
(柴田翔 『詩への道しるべ』より

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ1 「怒りが出ていくとき」 ●
●            1 「予測と計画」   ●
○編集後記                ○
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「怒りが出ていくとき」

★3月19日(月)★
昨年末にもの凄く腹立たしいことがあった。こんなに腹立たしいことは、
一生にそう何度もあることでは無いと思う。その腹立たしさを、今日まで収
めることが出来ずにいた。仕方ないと思おうと努力したが、仕方ないでは治
まらない。なんでこんなことするの!やり場の無い怒りが込み上げてくる。
それが今日、やっと収まったのだ。

もちろん、怒りを治めたい気持ちはずっとある。が、中途半端が嫌いな私
は徹底的に怒りたかった。こんなところで、根性を見せなくてもいいのに・・・
と思うのだが、怒りを自分の中から出し尽くすまでは収まらないのだ。

「怒りを自分の中から出し尽くす」というのは、怒っても仕方ないと頭で
理解するのではなく、全身から怒りが抜けていく感じだ。その怒りの源にこ
だわらなくなるということなのだと思う。

今回、私がこの怒りから抜け出せたのは、会社の先輩との会話だった。先
輩には「年末に腹立たしいことがあったんですよ」とも何とも言っていない。

ただ、「昨日、先輩に電話をしようかと思ったんですよ。今日、お会いで
きて嬉しい」と言っただけだ。内容を聞くわけでもなく、先輩は「何かあっ
たんだろう」と、その後の他愛のない会話の中で温かい気持ちをくれたのだ
った。この気持ちを大切に受け止めたい、と思った。そして、年末のことに
こだわっている自分より、先輩の気持ちを受けとめようとしている自分の方
が好きだと思った。自分の好きな自分でありたいと思った。だから、年末の
ことにこだわるのは春の訪れとともに止めた。

★3月20日(火)★
今日、たまたま飲み会の席で女の子と知り合いになった。飲みながら話し
ていると「一番いい人ってどんな人なのか知りたい」と言っていた。それを
聞いたとたん、「なんてかわいのだろう」と思った。そして、彼女に感謝し
た。私が忘れていたことを教えてくれたからだ。

20代の前半、私も彼女と同じよう「いい人探し」をしていた。正しく生き
たかった。今は自分らしく生きられることが、いいことだとわかったので、
「一番いい人ってどんな人」かは気にならなくなった。しかし、気にはなら
ないものの、自分らしく生きるのは難しい。

よく私は頭で考えすぎてしまう。考えすぎて動けなくなる。伝えたいこと、
聞きたいことが聞けずに終わってしまうことがよくある。何故、伝えなかっ
たり、聞けなかったりするかというと、こんなこと言ったら嫌われるのでは
ないか、へんな人だと思われるのではないか・・・と心配なのだ。

彼女には、昔の私と今の私の話をした。彼女は迷っているようだった。
それもまた可愛かった。一生懸命に生きようとする姿はこんなにも素敵なん
だなぁ。
(ちゃんと)

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「予測と計画」

★3月23日(金)★
3月22日〜29日まである業務調査を行うことになった。調査の目的と調査票
記載の理解を一人一人のスタッフに指導した。決められた標準時に、スタッ
フが記載した記録をもとに査定を行なうものだった。

調査票を目の前にしてよく分かって細かく詳細を記載している人もいれば、
未記入の部分があっても気にせずそれでよしとしている人、「これでよいか、
この部分の意味が分からないから記載できない」など逐一確認しながら記載
する人・・・。同じオリエンテーションをして同じ資料を提示しているのに、
なぜスタッフの理解にムラがでてしまうのだろうか?

記載例を示したり、私なりに様々な能力差のあるスタッフが困らないよう
に全員がこれを見たら“分かる”というファイルを作成し、下準備をしたつ
もりだったが・・・。

ここまで準備したら“こういう結果が導ける”と予測のもと行動をとって
いるため、異なる反応が出てくるとすぐに自分の不足部分を探してしまう。

記録の不足部分は対話で埋めれば全く問題ないことと分かっているけど、
勤務終了間際のスタッフを引き止め、「ここはどうだったの?空欄のままだ
と“できない”のか“できた”のか分からないのでどうだったかをちゃんと
記載してね」と2日間繰り返し伝えてきた。

帰り支度をしながら、スタッフへの働きかけや指導不足に自己葛藤を覚え、
“何で繰り返し伝えなければならないのか、もっと学習して欲しい、ファイ
ルを見れば分かるでしょ!何で個々の解釈で動いちゃうの・・・。”と心の
中で呟いてしまった。

しかし、同時にそんなことでイライラしては、ダメダメと心の中で自分を
なだめる呟きと交差する。自分の関わりで全てが完璧に動くとは思っていな
いが、どこか相手に期待していまい、叶わないと自他共に非難的になってし
まう自分に反省した日だった。

★3月24日(土)★
今日は、久しぶりに土日2日間連休でホッとできる週末である。
私の中では消化不良になるくらいの予定内容を休み期間いっぱいにタイム
スケジュールを頭の中で立てた。

朝からパソコンに向かい仕事をしていると10時過ぎ頃に母親が「久しぶり
に2日間休みなんでしょ。今日のお昼は、外食しに行かない?」と誘いの声が
かかった。私は、瞬時に“えっ!脇目も振らずにやることがいっぱいなのに
・・・そして今週末は、妹と甥っ子が来るからその前に片付けられるものは
進めておかないと大変なことになる・・・”と思った。

しかし、最近仕事の忙しさのあまり、休みの日も家に持ち込み仕事をして
いる状態だ。休日となっても結局は1週間仕事をし続けている現状だった。私
は、いつも何かに追われている。

自分のやろうとしていた予定の仕事が終了しきれていなかったが、今日は
思い切って母親の誘いにのることにした。12時30分にでかけ、夕食の買い物
もしながら帰宅したので16時過ぎになってしまった。買い物をした流れで私
が夕食の支度をすることになった。

少し休んだ後、仕事を進めているところに妹と甥っ子がきた。一気ににぎ
やかになり、仕事どころではなくなった。

こうなることは予測できていたが、計画通りには物事が進まない。その進
まないことに対してやや焦りが生じるが、“甥っ子が寝静まった夜に、今日
も徹夜で頑張るしかないか”と覚悟を決め自己の焦りを静めるのだった。

今日は今日の風が吹き、明日は明日の風が吹く、そんなに計画に縛られる
のではなく、そこで新たに吹いた風の変化を楽しめばいいのに・・・。楽し
むよりも先に、その変化によって実行できなかったスケジュール調整に意識
がいってしまう。楽しいことも心から楽しめていない自分って何なんだろう。

無意識に何でも計画や察しをつけてしまうところに私の行動の源がある。
物事に対して大体の目安を常に持っていないと不安になり、その不安を回避
するために予測→計画→現状(実施を含む)→予測に戻るようなスパイラル
の中で生活の安定を保とうとしている。

そんな計画の枠から、もっと自由に伸び伸びとはみ出していいのにね。
“何で”を繰り返してしまう私の癖・・・。でも、その“何で!?”からい
ろんな発見をして自己成長している自分がいる。“何で”を通して見つけた
発見や気づきに無条件に惹かれてしまうからやめられないんでしょうね。そ
んなことを考えつつ、今日もパソコンの前で日付が変わっていく。

(つくし)

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○ 編集後記 ○

4月1日ですね、新年度・新学期ですね。

学会の開催コースも新年度分がスタートします。
来週7,8日には、プライマリーコース1を開催します。

詳細 http://www.enneagram.ne.jp/ws-annai/1-primary.htm

日本エニアグラム学会の新年度のコースへぜひ参加されませんか。
お待ちしています。

★ 相互紹介、随時受付中 ★

☆ 毎週日曜日配信 ☆
最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
(本永)
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