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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2006年12月10日 vol.132

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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どこかで会いますね。度胸もやさしさもある姐さんと呼びたい人。職場
に二人もいるのです。「本当の力も強さも他人とは争わない」のですが、
会話はアケスケに飛びます。係長は気が気ではないのです。

「力」とはやさしさだと知った人は、職場のOB会や同窓会で友人の
性格をながめて応対します。

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■目次■
●エニアグラム日記 タイプ8 「先輩風(かぜ)、年上ヅラ」 ●
●         タイプ8 「晩秋のたのしみ」      ●
○編集後記                  ○
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「先輩風(かぜ)、年上ヅラ」

★12月 5日(火)★
しーちゃんは、今年の4月に入社したばかりの新人である。ただし、中途
採用なので、私より年齢は5つほど上、社会経験も、ばっちりである。

入社してすぐに、同期の友人からは「姐(ねえ)さん」と呼ばれ、納得い
かない人事担当にはくってかかり、近所の喫茶店では、氷でうすくなったマ
ンゴージュースを、「まずい」と言ってつき返してきたような人だ。

そんなしーちゃんに、仕事の関係では、最近は私が「姐(ねえ)さん」と
呼ばれている。私が仕事を教えることが多いためだ。いくらしーちゃんが年
上でも、この職場では、私のほうが経験年数が長い。だから、仕事では、私
が先輩風(かぜ)を吹かせている。しかし、年は向こうのほうが上だから、
仕事以外では、彼女が年上ヅラをしている。

今日、しーちゃんの後ろを通ったら、ふりむきざまに、用事を言いつけら
れそうになった。私をほかのだれかと勘違いしたらしい。
しかし、ふりむいて、私だと気がつくと、しーちゃんは、言いつけるのを
やめた。
それを見て、私はふいに、「あ、今、勝ったんだ」と感じた。

しーちゃんは、ときに支配的な力で、せまってくる。すると、私はどうし
ても、力で対抗したくなる。いわゆる、力くらべをしてしまうのだ。

私にとって、「力」とはやさしさだった。やさしい人に出会うと、自分も
負けまいと、やさしさを競った時期もある。けれども、他人とくらべるやさ
しさは、本物ではないのだと気づいてから、この力くらべを、あまりやらな
くなった。本当の力も強さも、決して他人とは争わないものだからだ。だか
ら私は、おだやかで温厚であるとき、自分を強いと感じるのだろう。

自分自身の本来の強さを見失って、外界のなにかと争い勝つことにより、
強さを確認しようとする自分が、そこにいた。

★12月 6日(水)★
わたしの友だちが、いつもトイレでしーちゃんを見かけるのだそうだ。

「あの子、いつもにこにこしてるねって言ってたよ」
そう伝えると、しーちゃんは、
「そう? 出すもの出して、すっきりしたからにこにこしてたのかな?」
「あー、今日も、つまってなかったって?」

二人で笑っていると、係長が、言った。
「お前たち、レディだろっっ?」

そういえば、この間も、何人かでランチに行ったとき、私としーちゃん
で、本日の下着について、大声で話していたら、ほかの人に、恥ずかしい
から小声で話せといさめられたことを思い出した。

たとえ、快便で快調でも、しーちゃんがTバック愛用者なのがほんとで
も、大きな声で言ってはいけない、そんな真実もあるらしい。

★12月 8日(金)★
今日のランチは、しーちゃんといっしょだ。
彼女がお金をおろしてくるのを忘れたので、私が多めに支払った。いち
おう先輩なので、そのままおごることにした。

すると、しーちゃんは、昼休みが終わる前に、銀行でお金をおろしてき
た。そして、売店でクッキーやジュースを買ってきて、私にくれた。私が
おごった分が、ちょうどチャラになったかっこうだ。
律儀な人だなぁ。ごちそうになった分のお返しなんだろう、きっと。

そして、これには、多分もうひとつの意味がある。
私たちは、けっこう仲がいい。だから、どちらかが一方的におごられる
ようなことがあっては、ならないのだ。そんなことがあったら、私としー
ちゃんの、微妙な力関係が崩れてしまう。それをきらって、彼女は、チャ
ラにしたかったのだろう。

力関係という名前の、不可思議な友情がここにあるのだ。

(ここほれわんわん)

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「晩秋のたのしみ」

★11月23日(木)勤労感謝の日★
いつの間にか虫の声が絶え、夜が全く静かになった。庭もすっかり晩秋だ。
庭を一回りしてサザンカとツワブキをリビングに飾った。早くもクリスマス
カクタスが咲き始め、赤・朱・白とピンクの鉢を部屋にいれた。にわかに華
やいだ。

それらを眺めながら、放送作家の息子とワインを楽しみながら、彼が先日
岩手県に取材に行った「座敷童子(わらし)」や「開運の宿」のことを話し
ていた。

「民話や童話の世界は、ユングの言う普遍的無意識との共鳴から生まれるも
のだ」と話が佳境に入ったとき、突如耳元で小鳥が、今まで聞いたこともな
い美しい声で囀り始めた。

「そうだそうだ!私も話の仲間に入れてちょうだい!・・・」といった感じ
だ。結構長く囀りまくり、少し離れてもう一度囀り、囀りながら遠ざかって
いった。二人は思わず顔を見合わせてニッコリ、「幸運の瑞鳥だね!」とつ
ぶやいた。

★11月26日(火)★
今日は社友会に参加した。10月・11月は職場のOB会や同窓会が多い。これ
らに参加する人達は程々に元気だが、表情を失いかけている人もいる。

年をとるにつれて、社会の役割から解放されるせいか、人柄が丸くなる傾
向はあるが、一方では、次第に本来の性格が鮮明に出てくるようだ。

また、話題にも傾向が現れる。しきりに現在を語る人、過去をやたらと話
したがる人、将来を憂い、不安がる人・・・。ただ、精一杯、よく生きてき
た人は明るく生き生きしている。

この会に参加していると、話し相手を選んでいる自分、応対している自分
も含め、エニアグラムのワークをしているようで、とても楽しかった。

★11月29日(水)★
今日はT氏との月一回の昼食会だ。私からは、「こころざし」をテーマー
にした。彼はこの言葉をよく口にする。「人は志を持たねばならぬ」「あの
経営者は志がある」「年をとると志を失う人が多い」・・・といった具合だ。

「ところで、Tさん、あなたの志は何ですか?」と尋ねた。
「進歩する意志です」、「進歩するとはどういうことですか?」、「よりよ
くすることです」。・・・・「なるほど!」。 ここで、私が平素ひそかに
思っていた彼の性格タイプと関係があることに気付いた。

確かに「志」は、その人の無意識の「価値観」や「動機」と関係がありそ
うだ。次回もこれをテーマーにしようと話しあって分かれた。楽しみだ。

日が暮れて、赤坂プリンスホテルの前を弁慶橋に向けて歩いた。入り口か
らビルに向けて緩やかに登るアプローチの植え込みを跳ね回るウサギたちと、
ビル全体を包むメリークリスマスのすばらしいイルミネーション・デコレー
ションにしばし立ち止まった。

そうだ、そろそろ我が家も、例年のゴムの大鉢を取り込んで、天井を這わ
せ、懐かしいクリスマスのメロディーを聞きながら、思い出の飾り付けをし
よう。温かい幸せな気持ちに包まれながら家路を急いだ。

(ガッツ)

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○ 編集後記 ○

12月の『エニアグラム無料紹介コース』は、14日(木)13:30〜15:00
です。エニアグラムって何かを知っていただくために、無料の紹介コース
を実施しています。

タイプ診断(無償)もあります。ぜひ、ご参加ください。

詳細は、以下のアドレスで
http://www.enneagram.ne.jp/ws-annai/syoukai2006.htm

★ 相互紹介、随時受付中 ★

☆ 毎週日曜日配信 ☆
最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
(本永)
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