∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2006年11月5日 vol.127

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

今週は鎮魂記「小さな命」をおとどけします。しみじみと胸をうってや
まない作品と申し上げましょう。もう一つは、亡父への愛と感謝を思い
うかべる友人の結婚式。だれもが出会う別れと出発ですが、残されたも
のは、愛によって生き続けていくのは確か。

昇級試験に踏み出すときも助言に押されて歩きだします。自分の性格に
負けず前に、と自身のなかからの声も聴いて、現実の行動へ。

──────────────────────────────────
■目次■
●エニアグラム日記 タイプ4「小さな命」 ●
●             「心に刻む」 ●
○編集後記                ○
──────────────────────────────────

「小さな命」

★10月14日(土)★
朝、授業の準備をしていると義母から電話があり、3歳の姪が急性心不全
で亡くなったという。驚愕。生まれたときから脳に障害があり、義弟夫婦の
懸命の介護にもかかわらず今日までずっと寝たきりだった姪っ子。まわりの
誰もが心の奥底で、いつかはこのような日が来ることを覚悟していたとは思
うが・・・あまりにも突然の出来事で、ただただ悲しい。

あたふたしていると、認知症が進み施設に入っている九州の両親から電話
がある。どうということはない日常の報告なのだが、施設の人に目医者に連
れて行ってもらった話が、いつの間にか東京に居る私が連れて行ったことに
なっている。話のつじつまが合わない。姪の亡くなったことを伝えるかどう
か一瞬考えたが、かえって混乱させると思ってやめる。

大学で当面の仕事を片付けて義弟宅へ。5時過ぎ遺体が返ってくる。ベッ
ドに横たわる小さな体。まつげが長くかわいらしい顔は、まるで眠っている
ようだ。今にも起き出してきそうなのに・・・「たった3年9ヶ月の、苦しい
ばかりだったこの子の人生に、何の意味があったんだろう」と慟哭する義弟
に、かける言葉が見つからない。やりきれない気持ちのまま、夜、大飲。

★10月16日(月)★
姪の通夜に、療育センターで同じような障害をかかえた子供さんとその両
親、通っていた病院のドクターや看護師さん、近所の方々などたくさんの会
葬者が来て下さった。短い人生で、お葬式にもどれだけの方が来られるかわ
からなかっただけに、少しびっくりする。

一言もしゃべれなかった姪だけれども、来て下さった方が口々に、「抱く
ことによって癒された」と。誰に抱かれてもむずかることがなかった。両親
の愛に包まれて大切にされていたことがわかる存在でした、と言ってくださ
る方もいる。3年9ヶ月の短い人生、しかも何も動けない体で、姪はこんなに
多くの人に愛を伝える存在だったのか。深い感慨に打たれる。

★10月17日(火)★
告別式。棺のふたを閉める瞬間まで、たくさんの方がお別れに来てくださっ
た。「一人で行かせてごめんね」と棺の娘の頭を撫でる母親。火葬場で棺が
シャッターの向こうに消えた瞬間、「行くな!」と叫ぶ父親。どんなお葬式
も悲しみに包まれるけれど、小さな子供のそれは殊に胸を衝かれる。

すべてが終わって呆けたようになっている義弟夫婦。これから辛い日が続
くのだろうな。その健康を祈る。

精進落としの席で献杯の音頭を求められた。
「この3日間たくさんの人が姪のために訪れてくれ、姪の存在の大きさを感
じています。3年9ヶ月の人生の中で姪はたくさんの愛と思い出を残してくれ
ました。一つ一つの思い出を大切にしてきたいと思います」と挨拶した。

私にも姪を腕に抱いたときの温かい感触が残っている。小さな命が天国に
帰っていった。
(ちゃんぽん)

——————————————————————–

「心に刻む」

★10月13日(金)★
職場のMさんからアコースティックライブに出演するから聴きにきてと誘
われ友人とライブ会場を訪れた。ライブは出演者5人が40分ずつ、 自分の曲・
カバー曲を弾くというものだった。

仕事を終えて駆け込み、Mさんの番に間に合った。少し薄暗いライブ会場
には15人ほどの人が既に丸椅子に掛けて音楽を聴いていた。見回すと この
場所に良くなじんだ人が2,3名、出演者の知人と思しき人が十数名だった。
一番後ろに丸椅子を並べ、会場に違和感を感じながら腰を掛けた。

Mさんの番になり、アップテンポの曲には手拍子を打ち、バラードの曲に
は静かに耳を傾けた。40分はあっという間に終わってしまった。その間中、
何故か私の気持ちは幽体離脱を起こしたように浮いてしまい、上の方から自
分を客観視していた。

自分の世界とは少し違う世界に足を踏み入れてしまった、という感覚がし
ていたのかもしれない。自分の世界というものにいつも浸っているから、違
う世界に足を踏み入れた時に違和感を感じて、萎縮してしまうのだろうか。

友人は席に座ったそばからノリノリで手拍子をしたり、時には「イェー
イ!」と大きな声を出していた。なんて違い!タイプの違いを如実に感じる
ひと時だった。

★10月15日(日)★
勤め先の学校の卒業生Sさんの結婚式に招かれて参列した。Sさんは大変
ピアノが得意で、在学中は私が好きなショパンの曲を何度も弾いて楽しませ
てくれた。そんなSさんの結婚式には音楽好きの仲間が多く集い披露宴の間
中、歌い声が絶えなかった。

最後に新婦から両親への手紙が読まれた。母親宛てに心を込めて感謝、体
調を心配する気遣いの言葉も贈られた。父親宛てにも。
「手紙には書いていないけれど・・・。早くに死んでしまったお父さん、
今まで見守ってくれてありがとう」

彼女の愛に満ちた言葉は会場全体を優しく包み込んでしまった。聞いてい
るみんなが彼女の言葉一つ一つに敬意を払っていた。

「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。・・・」
結婚式で読まれたこの(聖)句の意味を彼女が参列者みんなに知らせてくれ
たような気がした。

★10月21日(土)★
職場の昇任試験に挑戦する。試験を通して、いろんなことを吸収するぞ!
という気分になったことが受験挑戦への決め手だった。10月末までに簡単な
論文を提出するように、7月から言い渡されていた。3分の1くらいの分量を
作成していたところで、職場の先輩に論文の内容が私が予定している筋立て
でよいかどうかを聞いてみた。

その先輩は、その筋立てだとこういったデータが必要じゃないかとか、こ
のような例が必要じゃないかとか、率直な意見を述べてくれた。段取りを立
てて物事を進めること、データに基づいて論理を進めるのは私の苦手とする
ところ。

自分の苦手とするところを指摘されて、「どうしようもない私」に直面し
て悲しくなった。その瞬間から、先輩との会話ではなく、自分の心で対話が
始まっていた。
「なんでそんなことも出来ないの?」、「わたしにできるはずがないじゃ
ない!」
先輩がわたしの心情を察して「あなたを応援しているから言っているんだ
よ」という一言。

そう、わたしは、自分の殻に閉じこもって悲しくなる場合じゃない。今は、
親切心から言いにくいことを言ってくださっている先輩と話をする時なのだ。
一瞬止まっていた会話は再開した。

困難があると自分の空想社会が始まり、現実世界がフリーズしてしまうの
が私。自動反応でそうなってしまう。だけど、目の前にある人や事実に集中
すれば 前に進めることをエニアグラムからわたしは知った。

立ち止まっていたことを今回は自分で気づかなかったけれど、先輩の善意
の一言が知らせてくれた。
今から論文の追い込みが始まる。「現実に足をつけて進んでいこう」
みなさんには「当たり前」のことを必死に心に刻んだ。
(さくら)

──────────────────────────────────
○編集後記○

11月の エニアグラム無料紹介コース【タイプ診断(無償)あり】は、
11/9(13:30-)と11/15(19:00-)の2回開催します。

場所は、東京都港区の 港区生涯学習センター です。

エニアグラムにご興味のある方、これから学んでみたいとお思いの方、
ぜひ一度、ご参加くださいませ。

詳細は、
↓           ↓           ↓
http://www.enneagram.ne.jp/ws-annai/syoukai2006.htm

★相互紹介、随時受付中★

☆毎週日曜日配信☆
最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
(本永)

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
このメールマガジンは『まぐまぐ!』
http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。

マガジンID:0000116983
メールマガジン名:エニアグラム《自分探しの旅》
発行者:日本エニアグラム学会
e-mail:info@enneagram.ne.jp
URL:http://www.enneagram.ne.jp/

配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000116983.htm
【本メール・マガジンの無断転載、複写は禁止します】
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞