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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2006年7月23日 vol.114

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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家族の手術もアメリカから姪が来た日も、非日常のできごとです。
そのとき、人にどう接していけばいいのか。状況を外から見て、
人の動きを「自分のことのように考えない」ことにすると。

ゆとりでしょうか。夫や父の言動がユーモラスに伝わってきて。
文中から、ひょっと顔をのぞかせる人たちにも愛嬌があります。

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■目次■
● エニアグラム日記 タイプ3 「母の手術」         ●
●               「アメリカから漫画を買いに」 ●
○編集後記                          ○
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「母の手術」

★7月11日(火)★
母が明日手術することになった。4年程前から頭の中に腫瘍があることは
分かっていたが、自覚症状がないのと本人が嫌がるので定期検査で様子を見
ていた。でも、最近倒れる事が増えてきたので、孫の誕生日を口実に東京へ
呼びつけて大学病院で検査を受けさせたのだ。

手術を勧める先生に悩む母。どう説得しようかと悩んでいたら、意外にも
あっさりと「手術を受けたい」と決心してくれた。理由は「孫の顔を一日で
も長く見たいから」。恐るべき孫パワーだ!わが子を利用して申し訳ないが、
この手は結構使えそうだ。

手術を前に父も上京し、わが家に泊まり込んでいる。もともと無口な父だ
がやはり心配そうな顔をしている。夫も父も気を使って生活しているだろう
なぁ。無事に数日間が過ぎてくれと願う。こんなとき孫がいると何かと便利。
文字通り潤滑油になってくれている。

ため息混じりに夕食の準備をしていると、夫が仕事から帰ってきて、すぐ
にゴルフのレッスンに出かけてしまった。レッスンから帰った途端に、今度、
仲間で焼肉に行く事になったと嬉しそうに話し始めた。
「明日は母の手術なのに!しかも父もいる前で、どうして今そんな話をする
のだろう」ムカっとしてしまった。こちらは手術の成功を祈りつつ、心配で
たまらないのに。

「お母さんのこと心配だね。でも大丈夫だよ!」とか言って欲しかったなぁ
・・・心の中でつぶやく。でも、もしかしたら、暗くなっている家の中を明
るくしようとわざと賑やかに振舞ってくれているのかもしれない・・・。

いつも周りのことを自分のことのように考えてしまう。そして腹が立った
り悲しくなったりする。夫とぶつからなくて良かったな、とちょっとホッと
した。私の気の回し過ぎなのだろう。

私は、特に両親の前で「良い夫」であって欲しいと思ってしまう。結婚し
て親が二人から四人に増えたのだから、大事にしたいし仲良くして欲しいと
強く思う。もしかしたら私は「良い人と結婚してよかったね」と両親に言わ
れたいのかも知れない。それで、「義理の母の病状を心配するやさしい夫」
を演じさせようとしているのだろうか?これはエゴなのか?考え出したらキ
リが無い。

私の様子がおかしいのに夫が気が付いた。
「え?手術って明日だったっけ?」夫は手術日を忘れていただけだった。
「心配しなくていいように東京の病院に来てもらったんだろう?」
ごもっとも!手術の成功を祈るだけが私の役目だった。

★7月12日(水)★
手術が終わった。思っていたより時間がかかったが娘のおむつやおっぱい
を気にしているうちに面会に呼ばれた。いつも明るい母だがさすがに辛そう
だ。何と声をかけようか・・・。

そういえば去年私が出産した時、帝王切開だったので術後麻酔がさめてス
トレッチャーに乗せられ病室に戻るとき、みんな既に娘を見ていてニコニコ
していたっけ。しかも母はバンザイしながら踊っていた。「私はこんなに痛
くてきついのに誰も労ってくれないのか!」と不満だったことを思い出した。

私だったら・・・「よく頑張ったね!手術はうまくいったよ!よかったね!」
などと言って欲しいので母にも言ってみたが反応はイマイチ。父は私の後ろ
で固まっている。頭が割れるように痛いと言う母に「出産とどっちが痛い?」
と聞くと「同じくらい」。「じゃ、鼻から孫を産んだと思って!ねっ!」と
明るく囁いてみたが無視された。いい言葉が見つからない。

★7月13日(木)★
母がICUから病室へ戻ってきた。8人部屋だ。若い女の子から母より年配
の女性まで色々だ。母の隣のおばぁちゃまとは、入院も手術もほぼ同じ。

あちらもご主人と娘さんが毎日お見舞いに来ている。ご主人(おじいちゃ
ま)はネクタイにサスペンダーとストローハットのチャップリン風。娘さん
もオシャレで真っ赤なブラウスやミュールをカツカツ言わせていて、今日は
なんとミニスカートだった!(私よりかなり?上だと思われるが・・・)

一方、カーテン一枚はさんでこちらは博多弁丸出し。私はTシャツにジー
ンズにスニーカーという近所に散歩に行くのと同じ格好だ。手術の日こそな
んとなくジャケットを着てみたが、授乳のに邪魔でTシャツに逆戻り。「育
児中なんだから仕方ないよね」と自分を慰めてみたけれど、なんだか寂しい。
気が付いたらTシャツのローテーションを考えていた。
(おしゃべりママ)

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「アメリカから漫画を買いに」

★7月13日(木)★
アメリカに住んでいる妹の、中学生の娘が夏休みなのでひとりで遊びに来
る。来るのはわたしの近くに住んでいる、彼女の祖父母のところ。おなじ年
頃の友達もいないので遊んでね、との妹のリクエストがあった。今日は関西
国際空港へ迎えに行く。

アメリカ国内でも乗り換える必要があるところに住んでいるので、航空会
社の人が付き添ってくれるサービスを頼んでいるそうだ。受取人が必要なの
でわたしの名前で受け取らなければならない。1時間遅れるようだ、と連絡
があったけれど、万一のことがあるので2時間前の午後3時に空港へ着くよ
うに出かける。

父も孫に早く会いたいと出かけた、と母から連絡が入る。空港で会うつも
り。時間つぶしの本を探しに本屋へ。『流転の王妃の昭和史』という文庫本
を買う。中国のラスト・エンペラーの弟、愛新覚羅府溥傑に嫁いだ日本の元
華族のお姫様のお話。面白くてつい夢中になってしまう。気がついたら時間
なのに父が来ない。母に電話をすると遅く出たので待っていて、という。途
中の駅から電話が入ったからもう着くはずとのこと。

彼は携帯電話を持っているが、自分から掛ける以外は使わない。使えない
のかも。とにかくこちらから連絡は取れないので電車の到着時刻をインフォ
メーションの人に尋ねる。出発の時刻ではなく到着ですか?と聞き返される。
まったく!!お迎えの人を探す二重の手間だ。姪は疲れた顔をして到着。父
も同時に現れた。ぴったりの時間だな、とお気楽なことを言っている。

★7月15日(土)★
午前中片付ける用事があったので今日は午後から姪のエミにお付き合い。
何がしたい、どこに行きたい、と聞いても「わかんない」という返事。彼女
の母は子どもの面倒をとことん見るタイプ。学校の送り迎えはもちろん、宿
題や学校の発表まで手と口を出しているのを知っている。これは彼女の祖父
母もおなじ傾向。

この傾向を普段から憂いているおばさんとしては、「わかんない」という
返事に対抗しなくてはならない。「あなたは一体何をしにきたの。自分のし
たいことくらい考えなさい」

実は彼女がやってきた理由は漫画だ。日本のアニメーションは世界中で見
られる、ようだ。彼女もその虜になって、原作本を仕入れるべくやってきた。
行きたいところは本屋。

原作を読むために日本語を勉強するようになったから、大目に見ているの、
とは妹。エミは今夢中になっている物語を一生懸命説明してくれるが、彼女
の日本語とわたしの英語には限界がある。面倒くさくなったのか、貸してあ
げる、と本を渡された。題名は『鋼の錬金術師』。今は14巻まであって全部
買って帰るそうだ。

★7月17日(月)★
エミと本屋に行くおかげでわたしも一緒に最近買わなかった本をつい買っ
てしまう。わたしが本を買わないのは置く場所がないからだ。買わない、と
決心していても必要なものは買うので、知らないうちに本は増える。だから
なるべく間に合うものは図書館にお世話になる。

先日買ったラスト・エンペラーものにはまってしまった。『西太后』に関
連するものから始まって、シルクロードもの。シルクロードからは司馬遼太
郎。ちょっと寝不足気味。

次々にまた本は増える。誰かが、本棚を整理するとおなじ本が2冊あるこ
とがある、と言っていたけどわたしもそんな経験がある。読んだつもりで読
んでいないのだ。わたしの本の読み方は早いほうだと思う。面白いと先が読
みたくて、斜めに読む。中国ものは名前の読み方がわからないし、同じよう
な名前ばかりだから、むつかしい漢字の並んだ名前や、カタカナの地名はすっ
飛ばす。読むのではなく、見ているという感じだ。だから誰かにどんな話、
と言われると困る。読むのは読んだんだけど・・・
(星の子)

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○編集後記○

先日、テレビで水に潜ったままの潜水泳ぎで何メートル泳げるかという競
技をやっていました。参加したタレントの多くが次々と記録をつくっていく
のには驚きましが、やっている本人たちも驚いていたようです。

お笑いグループ『安田大サーカス』の団長が、日本新記録となる、115
メートルを出していました。

自分でも気がついていない能力やその場になると出る能力があるものだと
あらためて思いました。

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(本永)

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