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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2006年7月9日 vol.112

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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昔おとぎ話に、人は避けられる落とし穴に転げ込むという話があった
そうです。「自分の考えを土台に」という穴は、落ちてしまうと狭い世界。
落ちる前に気づくと周りで白衣の人たちが活き活き動いています。

自分の思いに縛られるか、縛られないか。そのせめぎあいを見つめ、
自分で考えるリズムは、この人たちの特徴でしょうか。

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■目次■
● エニアグラム日記 タイプ1 「私同士との会話」    ●
●               「引越し」        ●
○編集後記                       ○
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「私同士との会話」

★6月25日(日)★
朝は天気が良かったが、家を出たとたん雨が降り出した。もう少し降り出
すのを待っていてくれたら、と灰色の雲にぼやきながら、近所のカフェへ急
いだ。朝食とともにお勉強タイムである。家にいてはテレビや本の誘惑に負
けてなかなか勉強がはかどらないので、日曜の朝は外でしている。

カフェは意外と空いていた。端の方に席を取り、眠気の残る頭をミルク
ティーで覚醒させる。ほぉっとする瞬間だ。朝食のサンドウィッチをほおば
りながら参考書に目をやる。

暫くするとちょっと騒々しくなった。周りに目を向けると子供連れの家族
がいた。3歳位の女の子と5歳位の男の子に両親。かわいいなぁっと思いな
がら、また参考書に目を戻した。

と、突然「がちゃん」という音がして目を上げると、さっきの男の子が走
り回ってコップをひっくり返したようだ。両親は何事も無かったように、話
を続けている。うぅぅん。
ここから私の頭の中から参考書は無くなり始めた。目は参考書の字面を追
いつつ、頭の中で自問自答だ。

私A「子供がお店で走り回って周りに迷惑をかけても、両親は何故平然
としているのだろう」
私B「子供が暴れるのは仕方ないからでしょう」
私A「他のお客さんは『うるさいなぁ』と思わないのだろうか」
私B「カフェでのそれぞれお客さんの楽しみ方がある。騒がしくても気
にならないのかも知れない。騒がしいことを気にしている私は、
なんて心がせまいのだろう・・・。いやいや、待てよ。こうして
カフェで参考書を広げている私自身が、周りに不快感を与えてい
るのかも・・・」

ストーップ。このままでは自分責め責め状態に陥ってしまう。

「マナー」にはきっと正解は無い。「このお店」には「この位の静かさ」
という私の希望があって、先ほどの家族とは求める「静かさ」が違ったのだ
ろう。「静かさ」どころか「このお店」に求めるもの自体が違ったのかもし
れない。そう、考えながらミルクティーの最後の一口を味わった。

★6月30日(金)★
頑張ることができる自分が嫌になる時がある。今日もそうだった。
自分の仕事が忙しいなか、追加で仕事を頼まれた。正直に言うともう手一
杯。大丈夫かな?と思いながらも「いいですよ」と言ってしまった。断るこ
とが苦手なのだ。

断ったら相手も嫌な思いをするだろうし、わがままを言っているように思
われたくない。そして、この位も出来ないのかと思われるのもしゃくだから、
ついつい頑張ってしまう。どこまでが自分のわがままで、どこまでが自分の
力量の限界なのかわからなくなる。

力量の限界を過ぎてしまうと体を壊すのもわかっている。そうかと言って、
断るとわがままを言ったのではないか、と自分を責める。どちらをとっても、
自分は報われない。とほほな性分だなぁっと思った。

とりあえず何とかなるさ、出来るところまでやってみようと自分に発破を
かけた。
(ちゃんと)

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「引越し」

★6月23日(金)★
明日は、いよいよ新たな病棟に2つの集中治療室が移転し、一つのフロアー
で合併する日がやってくる。

ここ数日深夜に及ぶ残業の中、メジャーを片手に棚や物品の配置を2人の
主任で各々の持ち場の配置図を作成した。同じ引越しであるが2人の作業過
程に差があった。

私は、作業動線上必ずこの位置に置きたいものから配置を考えレイアウト
を行っていた。また、移動収納棚は、A4サイズの入る高さの棚幅と可変式
の可動間仕切りのものの配置を決め、収納する細かな物品のサイズの測定は
せず、感覚的にその場に収納したい物の最大値となるものしか高さ×幅×奥
行きの測定は行わなかった。

物品収納の大まかな本籍地だけを私が決め、細かな収納は使用するスタッ
フにレイアウトを考えさせようと思っていたので置きたいものが置けずに困
ることのみ回避できれば良いと捉えていた。

しかし、もう一人の主任はすべての収納物品のサイズをこと細かに測定し、
数十種類に及ぶ項目の一覧表を作成していた。配置図に収納棚の番号を書き
入れ、棚毎に引越し用のダンボールつめ作業を指示した。

ここに至るまで比較的私は、一人作業を行っていた。「何か手伝えること
はありませんか」という私を思いやるスタッフの声かけにある程度、見通し
や段取りを自分の中でつけてからでないと指示が出せない自分にジレンマを
感じていた。

しかし、今日は、今まで準備していたことをもとに、一気に指示を出すこ
とができ、スタッフの行動力と作業の連携に感心した。大枠の指示は出した
ので、中身をどのようにスタッフがするか口を出さず相談されたことのみの
助言にとどめるよう努めた。現場の収納・整理は、ほとんどスタッフに任せ
ることができ支障なく、引越し1日目が過ぎた。

私はスタッフの生き生きと笑顔で次々に自分たちが働くスペースを創造・
発展させていく仕事振りに触れ、私が期待していた以上の働きに大満足の日
だった。いよいよ明日は、患者移動も含め大移動になる日のため気を緩めず
に頑張ろう。

★6月24日(土)★
そして迎えた移転当日、7時から出勤し朝から最終確認を自分の中でおこ
なった。スタッフ一人一人のタイムテーブルと役割分担の一覧表を朝の申し
送り時に渡した。その用紙を手にするとスタッフのエネルギーが各々の持ち
場に傾けられていった。

スタッフの協力のもと段取りよく、大きな問題もなく移転作業が終了した。
スタッフの一人が、現場の物品収納の指示を他のスタッフにおこなったり、
必然的に物品の収納場所が分かるようテプラ打ちをする人や一旦収納したが、
数人のスタッフ同士がミーティングをおこない整理方法を再検討していた。

そのような光景を見ていて、何だか自分ばかり移転準備にあくせくしてい
たのが申し訳なく思った。こんなに一生懸命知恵を絞りあーでもない、こう
でもない、こうしたらどうか・・・等々相談し合いながら良い環境を作り出
そうとしているスタッフがとてもいとおしく感じた。

同時に私は、人を信頼していないわけではないが、自分の考えややり方の
土台ありきの行動をとるパターンを改善しないといけないなぁーと思いまし
た。相手のことを考えて行動をとっているつもりでも独りよがりの思考が強
いことも意識しないといけない。

今回は、自分の口にブレーキをかけて状況を眺めたことでスタッフの力や
創造性に触れることができた。自分の考えは大切であるが、チームで仕事を
する時に私がもっと意識を寄せていかなければならないことをスタッフから
教えてもらった引越しだった。

移転準備で疲れていたが、スタッフからいっぱい心の活力をもらい癒され、
ひと仕事終えた達成感をスタッフと分かち合え、疲労が一気に吹き飛んだ。
スタッフへの感謝の気持ちでいっぱいで、「スタッフの皆さんお疲れ様でし
た。そして、ありがとう。これからも一緒に頑張ろうね」と心の中で呟きな
がら家路についた。
(つくし)

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○編集後記○
先日、スペースシャトルが宇宙ステーションとドッキングに成功したと
のニュースを見ました。うまくすると、肉眼でもスペースシャトルを見
ることができるとのこと。

子供に、空を見て、織り姫と彦星が見えるよというと、スペースシャト
ルと宇宙ステーションだよ言われそうで、言うのをやめました。

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(本永)

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