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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2006年5月14日 vol.104

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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今週は再会にドラマを期待する人の内面スケッチからスタートです。
どこでも感情的な深い味わいをもとめ、いまも未来も気持ちに正直
に生きたい人たち。

東京では毎朝コーヒーを入れる平穏があり、週末は九州へ。母にカー
ネーションを、父に助言を。死と老いを見つめ、育ててくれた人に
寄り添う。

「すべてのことに意味がある」と現実を受け、考え、信じて歩む確
かさがここに。ユーモアの余裕と感動が伝わってきます。

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■目次■
● エニアグラム日記 タイプ4 「神戸で会うとき」      ●
●               「感謝を忘れたら」      ●
○ 編集後記                     ○
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「神戸で会うとき」

★4月30日(日)★
今日は大好きな美容室に行った。行こうと思うだけでもワクワクする。私
は、手先が不器用だから、髪型を“エビちゃん”のようにかわいらしくする
ことはもちろん、整えることさえままならない。

美容室に行くと、カットやカラーをして、一味違う自分を見つけることが
でき、しかも整えられる。私にとってこの「一味違う自分」、「整えられた
感じ」という言葉は重要なキーワードだ。

今回は昔の森昌子さんの雰囲気をかもし出す髪型になったが、「ま、いっ
か」一味違う自分になったし、髪も整ったしね。

★5月5日(金)★
今日は神戸の友人へ会いに行った。久しぶりに会うとなると何故か緊張す
る。なんと言って話し掛けようか、と想像してはもっといいセリフはないだ
ろうかと考え直す。

そんなことを考えたりしていると、博多からの新幹線もあっという間に新
神戸に到着。

私の想像では・・・
新幹線の改札口辺りで友人がこちらを心配そうに覗きながら待ってい
てくれる。改札手前で私と友人の目が合い、互いに手を振る。

「お久しぶり。元気にしてた?今回はお世話になります」となるはずだっ
たが、

だが、実際は・・・
改札口で待ってくれているはずの友人が見当たらない。改札を出てそ
の辺りをくまなく見回すがいない。

仕方がないから帰りのチケットをみどりの窓口で予約をして、チケッ
トを片付けているときに前方に友人の姿があった。

「遅れてごめんねー」と友人がまず一言。こちらはチケット予約
という事務的なモードで、友人との再会モードに切り替える前だから、
気が抜けてしまった。

私の生活にはいつも感動的であり、大きな喜びや悲しみが添えられていな
いと意味がないと思い込んでいる。今回の再会場面は感動に欠け、平凡になっ
て残念だと思った。

でも、よくよく考えると再会に余計な演出はいらないんだよね。再会とい
う事実だけで十分だよね。

★5月6日(土)★
今日は神戸から帰る日。たった二日の旅だけれどのんびり過ごしたいと思
う。そう思っているとあっという間に友人宅でお昼の時間になった。

のんびりするにも程があるだろうという気持ちもあったが、友人と気の置
けない時間を過ごすことが今回の旅の目的なのかもしれないとふと感じた。

神戸の名所はほとんど訪れなかった今回の旅は、友人とのつながりを確認
できた良い旅だった。次に神戸へ行くことがあったら、今度こそ観光でもし
てみようっと。
(さくら)

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「感謝を忘れたら」

★4月30日(日)★
日曜日の朝は、私がエスプレッソ・コーヒーを入れることになっている。
行きつけのコーヒー豆店で奥さんから勧められて、1万円近くもするエスプ
レッソ・メーカーを買ったのがきっかけだ。「無駄使い!」という家内から
の批判をかわすために意識してたくさん使いたいのだが、毎朝のペーパー式
より時間がかかるので活躍するのは日曜日のみ。わが家の「安息日」スター
トの儀式だ。

教会でお祈りして、二子玉川へ。園芸店でハーブの苗などを探す。季節の
変わり目で夏のものも春のものもある、とスタッフが言う。暖かな陽射しの
下、百花繚乱の花とトンネルを出入りする東急電車(鉄道ファンの私にはこ
れが欠かせない)を見ていると心から「幸せだなぁ」と思う。

日常のあたりまえのことが本当にありがたい、と感じることが最近多くなっ
た。タイプ4の感傷グセかもしれないが、生きているうちに気づけてラッキー
だと思う。

★5月1日(月)★
羽田発7時半の飛行機で新北九州空港へ。両親の介護に帰省する。地元で
面倒を見てくれている叔母によると、父だけでなく母にも認知症が懸念され
るとのこと。人間、平均寿命を越えたら、何が起こってもおかしくないさ、
と自分で自分に強がりを言う。

飛行機を下りて、市内のデパートでカーネーションの花束を作ってもらう。
一足早い母の日のお祝いだ。介護付き有料老人ホームの両親の元へ。母、花
束を喜ぶ。

声を荒げないこと、そして自分を責めないこと、を今回のテーマにする。
認知症は病気であって、わざと問題行動を取っているわけではない。介護は
長丁場で、たとえ十分とは思えなくても、続けられる形で続けることが大事
だから。わかってはいるけれど。

★5月2日(火)★
近所に住む叔母にも手伝ってもらって、両親を実家に連れて帰る。短い時
間だが、帰りたがっていた自宅を味わってもらうのと、夏物の着替えを持っ
てくるのが目的。父の認知症が進んだか、行動や言葉で他人を傷つけること
をなんとも思わなくなって来ている。

故意か不注意か、母が手を入れているタンスの引き出しを突然足で蹴った
り、粗暴な動きが目立つ。「罪の意識」は全く無い。「あぁ、すまん」と言っ
たきり、次の瞬間には自分の仕事を平気でしている。そんな人ではなかった
のになぁ。「アルツハイマーは単に記憶がそこなわれていくだけの病気じゃ
ない。人格も失われていくのだ」(荻原浩『明日の記憶』)。

施設に帰ると、一足早い「端午の節句」のお祝いだった。前もって予約し
ておくと家族の私も同じものが食べられる。三色ご飯には小さな鯉のぼりが
立ち、竹の子や季節の煮物のほか、カツオのたたき、それに缶ビールまでつ
いている。この施設は、デイケア(通い)もやっているのだが、外部から来
るご老人にも味は評判が高いという。

「おいしいね」と言うと、父が「金を出せばもっと良いものを食べられる」
とぼやく。むっとして「感謝することを忘れたら呆けた証拠なんだよね」と
切り返したら苦笑いしていた。ちょっと救われる。

東京での生活は、平凡で平穏な日々の幸せを実感させてくれる。九州での
介護は、誰もが直面する死と老いの難しさを突きつけてくれる。すべてのこ
とに意味があるのだな、と思う。
(ちゃんぽん)

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○編集後記○
みなさんのゴールデンウィークは、いかがだったでしょうか?

私は、妻の実家がある静岡へ行ってきました。途中で、最近テレビでやっ
ていた店で、さくらえびを食べようと寄ったのですが、連休中は休みでした。

のどかな田舎の風情にふれた気がしました。

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最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
現在の連載は、「あなたのそこが好き!・・・タイプ」です。
(本永)

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