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発行元:NPO法人日本エニアグラム学会   2006年4月16日 vol.101

エ二アグラム《自分探しの旅》
〜〜自己成長とコミュニケーションのための人間学〜〜

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人はいつ、どこで思ってもなつかしいという人たちです。感情は人
を柔らかく見せるときもありますが、波に似ていると思われませんか。
大波に襲いかかられると、思考力が隠れ、人が近づいても離れても切
ない。でも、エニアグラムの浮き輪で、コントロールできる。
役に立つと今週の筆者はいいきりました。

波に影響されないコツは、ありのままの自身を認めておく。自分の
内面を観察する習慣を持ち続ける。これぞ精神の活動と、ある本に。

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■目次■
● エニアグラム日記 タイプ2 「50歳前のゆるい感覚」 ●
●               「バスはもうなくて」  ●
○ 編集後記                     ○
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「50歳前のゆるい感覚」

★3月15日(水)★
西新宿のシティーホテル。夜、食事を兼ねた打ち合わせのため、人を連れ
て立ち寄ると、謝恩会なのだろう、袴姿の女子学生が目立つ。仲がいい者同
志だろうと思われる数名が身を寄せ、別れを惜しみながら涙しているのを見
ると、こちらもついジーンと来てしまう。春は、別れと出会いの季節である。

自分自身の別れと出会いも思い出されるが、出会いに向けての希望より、
別れを惜しむ気持ちが強かったように思う。もう、50歳にも近づこうとい
うのに、当時のことを思い返すと、未だに小中学校の卒業期の別れを惜しん
だ気持ちがわきあがってきてしまう。悲しいというよりは、とても切なく寂
しい。

楽しかった日々が過ぎてしまい、取り戻せないことに対する虚脱感のよう
なものもあったように思える。小学校から中学校へは、ほとんど同じ仲間が
一緒に進学し、いつでも会えるのに、もうすでに同じ仲間ではないような気
がした。会うのは同じ人間のはずなのに、制服を着て環境が変わると、まる
で違う人間のように思え、戸惑いを感じ、以前に戻りたいと思っていた。小
学校のクラス会と同窓会の幹事を引き受けていたので、卒業してすぐにクラ
スを開いた覚えもある。

中学の卒業を惜しむ気持ちは、小学校の時より強かった。高校への進学は、
みんなバラバラで、離れ離れである。ちょっと大げさに言うと、引き裂かれ
る感じに近かった。中学もクラス会の幹事だったので、中学卒業後、3ヶ月
も待てずにクラス会を開いた覚えがある。

★3月20日(月)★
就職活動をする頃からずっとアドバイスを続け、昨年4月に新社会人になっ
た子達が、就職してちょうど一年になった。一年の成長の評価と今後の目標
についての面談を希望する者と会い始める。それぞれが悩みを抱え、問題意
識を持って面談に来るのだが、受ける私は、まず真っ先に一年の成長に思わ
ず目を細め、女の子達にいたっては素敵になった姿に、「うん、そうかそう
か・・・」と、つい涙腺が緩んでしまう。

相談者が泣きながら相談をしてくるのではなく、受ける私が涙してしまう
のだから、ちょっと情けない。悩みの原因のほとんどは、本人達がどうこう
よりも、職場の先輩や上司にありそうで、直ぐにでも乗り込んでいって、
「おいこら、私の可愛い子達になにすんねん・・・!」と、とっちめに行き
たい気持ちになる。

こういうときに、エニアグラムを学んできて、自分の心の動きを知ってい
ることはとても役立つ。自分の性格を知り、少し冷静に見ることができるか
らである。

★4月5日(水)★
仕事で沼津に行った。沼津は、大学時代の友人の実家があり、皆で遊びに
行く際に降り立って以来である。その時のことを、懐かしく思い出す。出来
事を楽しかったと思い出す以上に、友人達と無邪気につながっていた、温か
く、そして「ホニャ・・・」としたゆるい感覚がよみがえってくる。

また、沼津は、大学を卒業した頃に付き合っていた女性の出身地でもあっ
た。偶然すれ違ったところで、お互いに気がつきもしないだろうが、偶然の
出会いを期待してしまった。男女の別れは男の方が引きづるというが、それ
にプラスして、過去の思い出ともつながっているような気もした。

★4月7日(金)★
ずっと預かって来たある企業の内定者四名を、無事に送り出すことができ
た。彼ら彼女らは、大学三年生の秋のインターンシップから一年半預かり、
ハードな研修を重ねてきた。一年前も同じことをしたが、やはり格別な想い
が残る。立派な社会人としてデビューできたことは嬉しいのだが、同時に、
一緒に課題に取り組みながら成長してきたことが思い出され、せつなく懐か
しくなる。

三月末には、卒業式として区切りのイベントを行ったが、花束など渡され
て感謝されるのは嬉しいと同時に、気恥ずかしく苦手でもある。今日は、入
社して一週間の様子を見に行ったが、わずか一週間前に会っているにもかか
わらず、久しぶりのように感じ、改めて、手を離れて行ってしまったなあ
・・・と実感した。
(人寄せパンダ)

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「バスはもうなくて」

★4月1日(土)★
今日は久しぶりの2連休の土曜日なので、前から行きたかった奈良の天川
神社へ行くことにした。クラブへ行く娘のお弁当を作り、春休みで家にいる
息子の昼食を作り、母の介護は父に任せて、最寄り駅8時15分発の電車に
乗った。

橿原神宮前で吉野行きの電車に乗り換えるのに時間があったので、天川神
社へ行くバスの時刻を調べてもらったら、なんと午前のバスはもうなくて午
後のバスの発車時刻まで3時間も待たないといけないらしい。「なんぼ今日
が4月1日ゆうたかって、ウソやろぉ〜」と思ったけれど、仕方がない。天
川神社へ行くのは諦めて、橿原神宮の周辺を散策することにした。

荘厳な橿原神宮を参拝して、かわいい声で鳴く深田池のおしどりたちを見
たり、鶯の鳴き声がする森林遊苑を歩きながら「どうしてこんなことになっ
たのか」考えてみた。私は何かをしようとしてとても楽しい気持ちになった
ら、よく考えもせずに行動してしまう。「自分がどうしたいのか」を明確に
して、そのために十分に調べたり準備をしなければならないと言う、ごく当
たり前のことを再確認した。

問題は人に対しても同じようなことをしてしまう事だ。私は一度お話をし
た人のことは、その人も話の内容もよく覚えている。その人は私にしてみれ
ば「知り合い」になる。時々「どうしているかな」と思いをはせたりもして
いる。次にお会いした時は簡単に声をかけたり、急に連絡を取ったりしてし
まう。もちろん「覚えていてくれた」と喜んでくださる人もいるけれど、ダ
メ出しをされる時もある。

私は寂しくて悲しくなってしまうけれど、人と関わる事に消極的な人には、
「新手のオレオレ詐欺か」とまで思われてもしょうがないのかも知れない。
やはり、行動する前にはよく考えて、「今お話してもかまいませんか」とか
「以前お会いしたことを覚えていらっしゃいますか」とか準備をしなければ
ならないのだ。

もちろん私は、10年、20年のブランクがあっても旧知の知人が連絡し
てくれたり、声を掛けてくれたりしたら、何時でも何処でも大歓迎で心から
嬉しいし幸せである。

★4月5日(水)★
母は今月から週末以外は毎日デイケアーに通っている。今日は、デイケアー
から桜のお花見に連れて行ってもらった。満開の桜はとてもきれいだったそ
うだ。桜の美しさに心を揺すぶられたのか、なんとも寂しそうな顔で、「ご
めんな。みんな働いてんのに、私ばかり楽しんで。やっぱりお家に居たい」
と言ったので、心が締め付けられた「かまへんねんで。こっちこそごめんな。
今まで苦労ばっかりかけて」と言ったものの、切なくなった。

母は、泳ぐのを止めると死んでしまうマグロのように、働き通しだった。
アルツハイマー型の認知症を発症する前は、「なぁ〜んにも考えんと人生楽
しみたいわぁ。」としょっちゅうこぼしていた。また、仕事一筋の父に対し
ても「いっぺんでええから、夫婦でゆっくり出かけたいわぁ」と嫌味とも愚
痴とも取れるようなことを言っていた。

認知症がかなり進行した今、母は煩わしい事から開放されデイケアーでの
リハビリのメニューを楽しんでいる。一人にしておけないので、しょっちゅ
う父が連れて歩いている。(と言うより、父に付きまっとっている。)案外
母は、認知症になりたいとは言ってはいなかったけれど、自分が望んだとお
りの人生を生きているのかもしれない。人生の最後に自分の望みを叶えるた
めに認知症を選んだのは母自身かもしれない。
(魔法使い)

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○編集後記○

先日、話し方の講習を受けてきました。声は、ノドだけではなく、全身を
使って出すことで、いろいろな表情(感情)をつけられると改めて知りまし
た。楽しかったです。

暗い話より明るい話の方が、聞いていて気持ち良いように、明るい声の方
がやはり聞いていて気持ち良いですよね。

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☆毎週日曜日配信☆
最終週には、ワークショップのスケジュールとともに、連載企画を掲載。
現在の連載は、「あなたのそこが好き!・・・タイプ」です。
(本永)

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